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海辺の小さな庭から
約2年半前、海まで5分ほどの今の家に引っ越してきました。海が近く、風が強く吹くこともあるので、植物が上手に育つだろうか?と心配しましたが、約10種類の薔薇をはじめとして、さまざまな植物が元気に育っています。
今の季節、モッコウバラはもう満開を過ぎ、他の薔薇たちは、蕾をぷっくりと膨らませて、花咲く時を目前に待ち構えています。
薔薇の間に植えたレースフラワーは、昨年の花からこぼれ落ちた種から自然に芽吹き、名前の通りレースのような花を咲かせてくれます。
可愛らしい小さな花を咲かせるパンダスミレは、実家から挿し木で移したアナベルの根本で、たくましく育ち、仲間を次々と増やしました。
ベンチの脇に植えたホスタは、冬には地上部がすべて枯れてしまいますが、春の訪れとともに生き生きとした緑色の葉を大きく広げています。
こうした植物たちの営み、特に多年草の植物たちの命の循環を見ると、子どものようにワクワクとした気持ちになり、この時期は、一日に何度も様子を見に行ってしまいます。
そしてまた、植物たちからは、さまざまなことを教えられます。
植物を育てる上で一番大切なのは、土づくり。この土地は、もともとの土壌が粘土質で植物を育てることには向かないので、家を建てた時、私の趣味がガーデニングだと知った設計士さんが、黒土を30センチほど入れてくれました。
ただ、黒土だけでは水はけが悪すぎるので、自分たちで赤玉土や腐葉土などを山ほど買って混ぜ込みました。
そこに、植物たちの命の循環で自然に堆積する落ち葉が毛布のように重なって、昨年の花から落ちた種を守り、育てます。
薔薇も、この2年半でしっかりと根を張り、ずいぶん大きくなりました。
根がしっかり張りさえすれば、
季節がめぐり、時が満ちると
自然と芽吹き、成長し、花が咲く。
このことは、今年、
私が特に心に刻んだことです。
仕事を含めて、やりたいことの実現に向けては、ついつい先を急いでしまうことが多いのですが、思いを温め、しっかりと準備をして、あとは宇宙の営みを信頼して、時が満ちるのを待つことも大切ですね。
冬の季節の次には、必ず花咲く春の季節がやってくるのだから。