2025.1.5『ジゼル』ウクライナ国立バレエ団
上野の東京文化会館で『ジゼル』を見てきた。初めてプロのバレエを生で見た。Instagramで流れてきた広告が気になってそのまま購入した。中高で音楽の先生がバレエやオペラについて熱弁していたから、ずっと見に行きたかった。叶って嬉しい。
ダンサーの一挙手一投足の隅々にまで神経が張り巡らされていた。人はこんなに美しく動けるのか。目の前で踊っているのが人であることを忘れそうだった。バレエといえば女性のイメージだったので、男性が力強く高く宙を舞うのが意外で目を奪われた。映像では伝わってこないステージを足が叩く音や、逆に音も立てずに動く様子が印象深かった。
あらすじは行く電車の中で少し調べたが、実際に見てみると思っていたより分かりやすかった。プログラムにも解説があるので、次は時間に余裕があれば公演の前に購入してじっくり読む。中高の音楽の先生がバレエには台詞を表すパントマイムがあると教えてくれた記憶がうっすらある。あらすじよりもそちらを確認してから行けばよかった。バレエの拍の取り方が独特だというのがどういうことかようやく分かった。
物語の筋自体は単純で、それもあって分かりやすかった。このジゼルは純真で、あどけなさすら感じた。第二幕で舞うときもどこかその名残を感じて、だからこそ一層哀しかった。
木管楽器のもの悲しい調べが耳に残っている。台詞がない分、オペラよりも楽器の果たしている役割を大きく感じた。これで舞台芸術のうちミュージカル、歌舞伎、オペラ、バレエは見ることができたので、あとは能や浄瑠璃を生で鑑賞したい。舞台芸術はやはり生で鑑賞するに限る。
ウクライナの状況も気になった。成人男性の出国制限のような話を小耳に挟んだが、今回は例外なのか、それとももう制限はなくなったのだろうか。いずれにせよ、ウクライナに平和が戻る日を祈ってやまない。いつかキーウでこのバレエを見られますように。
(写真は撮影が許可された第二幕の舞台挨拶で撮ったもの)