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名古屋市の決算22年分をまとめてみた

最近、SNS上では、国民負担率の高さを訴え、減税を求める声を上げる方が増えてきました。私も一国民としては、減税を起爆剤として経済を活性化させる政策を取ってほしいと考えています。

ところで、減税で思い浮かぶのは、河村たかし名古屋市長の政策に従って、毎年、市民税の減税が行われている名古屋市の事例です。

政策や行政の実務に明るくない一市民の立場でも、減税政策を実行してきた名古屋市政の実情はどのようなものか、気になるところです。


そこで、このnoteでは、名古屋市の市政について、

・これまでどのような行政改革を行ってきたのか
・河村減税は市政にどのような効果をもたらしたのか
・そもそも名古屋市の市政の実情はどうなっているのか

などについて、調べていきたいと思います。


◇ 名古屋市の決算

市民税減税という政策が、市政にどのような影響をもたらしたのか、を考察するにあたり、まずは名古屋市がどのような財務状態なのかを把握してから考えたいと思います。

そのために、名古屋市がHP上で公開している資料の中から、名古屋市の決算情報について調べてみようと考えました。

日頃、政府や地方自治体が議会において予算審議をしている様子をTVやYoutubeなどで時々、目にします。
自治体は予算を編成した後、事業を実施してその予算を使い、最終的には、民間企業の様に、決算をまとめて公表しているようです。

自治体の決算書類にはいくつか種類があるようですが、ここでは「決算カード」を参考に名古屋市の財政状態を探ってみたいと思います。


◇ 「決算カード」とは

そもそも、「決算カード」とはどのようなものなのでしょうか。

決算カードとは、総務省が各年度に実施した地方財政状況調査(決算統計)の集計結果に基づき、各都道府県・市町村ごとの普通会計歳入・歳出決算額、各種財政指標等の状況について、各団体ごとに、1枚のカードに取りまとめたものです。

名古屋市HP「決算カード(普通会計)」より

上記のように、総務省が全国の自治体の決算情報を集計して、一枚の資料にまとめて公開しているもののようです。

しかし、この「決算カード」、とにかく見づらい!笑

行革や政治業界のプロの方や、官僚の方々にとっては見慣れたものなのかもしれませんが、そもそも行政文書に馴染みのない一般市民には、何がどこに書いてあるのか、すらわかりづらく感じます。

また、各年度の「決算カード」がそれぞれ独立して公開されているため、複数年度を跨いで、それぞれの項目がどのように変化したのか、も捉えづらくなっています。


◇ 名古屋市の歳入歳出一覧表

そこで、名古屋市HP上で閲覧可能な「2001年度から2022年度までの決算カード」の中から、「歳入」と「歳出」の主な勘定項目をピックアップして、一覧表を作ってみました。

「決算カード」には、この表でまとめた項目以外にも多くの情報が掲載されています。今後、それらもまとめて分析していきたいと考えています。


◇ 発見

今回、歳入と歳出の一覧表をまとめる過程で、いくつか発見がありました。箇条書きにしてまとめておきます。

・市の歳入額と歳出額は共に、松原武久前市長時代の2005年度から2008年度までの4年間に、1兆円を下回った。

・松原前市長から河村市長に政権移行した2009年度以降は、歳入歳出額共に1兆円を上回っている。

・歳入のうち、一般財源の勘定項目は、年度によって入れ替わっている。
一方で、歳入の非一般財源の項目と歳出の項目は、20年以上一貫している。

・令和4年度の歳入項目は、「地 方 税」「国 庫 支 出 金」「地 方 債」「都 道 府 県 支 出 金」「地 方 消 費 税 交 付 金」の順で多い。
(※「諸 収 入」は雑多な収入源の合算額と考えられるため除外しています。)

・令和4年度の歳出項目は、「扶 助 費」「人 件 費」「公 債 費」「補 助 費 等」「普 通 建 設 事 業 費」の順で多い。


今後は、これらのポイントを深堀りしつつ、調査を続けていこうと思います。


【参考資料】

・名古屋市 財政局 財政部 財政課 財政調査担当、「決算カード(普通会計)」平成13年度版から令和4年度版まで

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