ARA2E 大規模戦闘デザインのテクニック その1 《進行イベントはポジティブに》
テーブルトークロールプレイングゲーム アリアンロッドRPG2Eにはアルディオンレボリューションガイド(以下ARG)で追加された大規模戦闘ルールがあります。非常によくできたルールでこれをメインに据えたキャンペーンGMとしてを2年半ほど遊んだので、その際に得た知見を文章にまとめておこうと思います。
私のGMの傾向としてオリジナルデータを追加することをことさら好み、シミュレーションゲームのような重厚さをセッションに求めることを予め挙げておきます。
大規模戦闘で通常の戦闘と並行してFS判定を行います。通常の戦闘がPCたちのすぐ近くの様子を、FS判定がPCたちが挑む大局的な作戦行動を表現しています。
このFS判定を進めた際に起こるイベントは戦場における時間の経過や状況の変化を表していますが、実際に戦場で起こりうる出来事を全てこのFS判定の進行イベントに押し込んでしまうと少し困ったことになります。
例えば「敵の援軍が到着する」、「天候が悪化する」といったイベントがFS判定を進行させた時に起きたとしましょう。イベントはPCが進行判定に成功した成果として発生するので、この場合「PCが戦場で上手く行動した結果、敵の援軍が到着した」と因果関係がちぐはぐになってしまうのです。
もっともARG掲載の大規模戦闘用SF判定データを見る限りこのことを問題としていないように見えるので、的外れな指摘である可能性は大いにある。
もちろんゲームとしては間違いなくFS判定の終了地点(=自軍の勝利)に近づいているので大規模戦闘の流れ全体としては何も問題ないのですが、この判定だけを取り出して見ると成功に見合うだけのリターンを示せておらず、プレイヤーが繰り返し進行判定に挑戦するためのモチベーションを与えられていないと言えるでしょう。
この問題を回避したいため、大規模戦闘におけるFS判定の進行イベントでは自軍にとって有利な内容だけを取り扱うことにします。
ex.
「敵の遊撃部隊が現れた」 →
「敵の遊撃部隊を先制して発見した。一方的な攻撃を受け相手は完全に浮足立っている」として同じエネミーを配置、ただし行動済みとしたりHPを減らしたりする。
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