ミャンマーと中国① 

 コロナ以後、中国が危険な外交姿勢に舵を切りウクライナ戦争もあり世間では台湾有事を懸念する声が多数あります。しかし、台湾以外にも中国にとって極めて危険で憂慮する辺境問題があります。それはミャンマーです。 
 2021年、ミャンマーで軍がクーデターを起こし民政移行の流れを挫き世界に衝撃を与えました。そのころからミャンマー軍部と中国の影響を指摘する声はありました。しかし中国政府は否定。中国とミャンマーともにクセがある政治体制のため真偽は闇の中にあります。本記事では各種の公開情報を用いて客観的に確認可能な範囲で、ミャンマーと中国の関係に迫ってみます。

中国・ミャンマーパイプライン

 ミャンマーと中国の関係が囁かれるのは、社会主義で権威主義体制的で相性がいいという政治イデオロギーのイメージがあると思います。しかしもっと実利的な面で繋がっています。それが中国とミャンマーをつなぐ燃料パイプラインです。このラインは中国・ミャンマー経済回廊として様々なインフラが整備されています。アウンサンスーチーさんが政権に入り政治の舵取りをし始めた2016年からも中国とミャンマーは着々と関係を構築していきました。


http://news.china.com.cn/2020-01/18/content_75627177.htm


ミャンマーは親中なのか反中なのか?

 スーチーさんと中国の意外な繫がりを指摘しました。では軍部はどうでしょうか。実は軍政府と中国の関係も複雑で歴史を見れば必ずしも独裁国家だから蜜月というわけではありません。
  建国後、中国が一番最初に国境問題を処理する相手はミャンマーでした。これには国民党残党の関係もあります。ミャンマー側からすれば国境地帯にいる少数民族やビルマ共産党への援助など、中国の拡張主義に警戒感を示した話があります。そして文化大革命の時代にはミャンマーで現地の警察と中国人が衝突した流血事件も発生しました。ミャンマーにとっても中国は面倒な国だった事が伺えます。
 

  2009年のBBCの記事の中でもミャンマーの元軍事インテリジェンス部門の話で「ミャンマー軍部も中国は信用していない」と語っています。「もしミャンマーに脅威が浸透するならばそれは北東方角からだ。他のタイ国境との軍備計画や国内セキュリティーと比較すれば答えは明白だ」とも語っています。
 ミャンマー軍事政権は独裁だから中国と相性がよくて民主制を率いたスーチーさんは親日で親西側だから反中というイメージとはすこし異なった複雑な様子が見えます。


その他参考


https://wenhui.whb.cn/third/baidu/202004/30/344449.html

 









 




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