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短編小説集③

青の彼方へ

その日、海は静かに、ゆっくりと息をしていた。浜辺に立つ少女、ミナは海を見つめていた。彼女にとって、海はただの広い水の塊ではなく、祖父との思い出が詰まった場所だった。

祖父はかつて漁師で、ミナが小さいころ、よく漁船に連れて行ってくれた。海の話、魚の話、波の音を聞きながら眠る話。祖父の話はいつも海から始まり、海で終わった。しかし、祖父は一年前に亡くなり、その海への情熱も、一緒に失われたかのようにミナから遠ざかっていた。


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