TAC公認会計士講座レビュー【講師】
公認会計士講座は非常に長期のため、TACの講師の皆さんには非常にお世話になりました。僕の中で一生忘れられない、恩師中の恩師のような方も存在しました(´∀`)
2017年度合格コースWEB配信なので現在とは講師の入れ替わりがあると思いますが、当時の講師の皆さんの感想を僭越ながら書き述べさせて頂きます。
基本的に絶賛していますが、回し者ではないです。素直な感想です( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆
【目次】
財務会計(計算)尾崎(敬称略)
財務会計(理論)吉野
管理会計 岡部
企業法 宮内
監査論 中里
経営学 藤沢
租税法 伊藤
アクセス 長谷川
財務会計(計算) 尾崎
基礎コースまでは朝香先生という別の講師だったが、朝香先生のベンチャー企業役員就任に伴い、イレギュラーなことだが上級講義から尾崎先生に変更となった。当時、講師が変わるということで非常に不安だった。朝香先生が分かりやすかったのに。けれど、尾崎先生はその不安を打ち消してくれた。
尾崎先生は努力型の講師で、とにかく簿記は反復練習しかない、という最も大切で当然のことを教えてくれた。時には、この問題が解けないのは努力が足りてない、本当に受かる気があるのか、という厳しい言葉をブログに残していた。そのせいで、努力を嫌う受験生から反感を買っていた部分もある。だけれども、そのような言葉を言ってくれるのは熱いからこそだと思う。肝心の講義の内容は、ー失礼ではあるがー正直、絶賛するほどではない。良くも悪くも平易である。しかし理解しやすい言葉を使ってくれて、万人に適していると思う。また、自分のような頭の良くない生徒向けに、解答するためのテクニック(ちょっとしたズル。笑)を教えてくれたり、もうここは出ないから正直捨てて良いんじゃないか、と教えてくれたりと、常に受験生目線に立った講義をしてくれた。あとアイドルがめちゃくちゃ好きらしい。
財務会計(理論) 吉野
個人的に見た目と声がものすごく好き。優しそうな雰囲気をしている。難解な理論を噛み砕いて易しい言葉で坦々とではあるが分かりやすく説明してくれる。理論は暗記ではなくロジックである。マーカー魔で、マーカー箇所を指示する際に「はい、ここまでで結構です。」と言う。1回の講義で10回は言う。頭皮が薄くなっているのが心配だけれど、分かりやすくて良い先生。
管理会計論 岡部
トップ3に好きな講師。難解で複雑な管理会計論を、非常に分かりやすいパズルのように教えてくれる。感動すらした。テキストも岡部先生主作らしいが、1冊にコンパクトにまとまっており、公認会計士受験管理会計のバイブルと言っても過言ではないと思う。この先生は天才型だと思う。若くてクールなためやる気なさそうと誤解されがちだけれど、その心には非常に熱い思いを秘めている。クールなのにちょいちょいギャグを挟んでダダスベりするのがギャップで面白い。チョークの粉が目に入って「粉が…粉が…ごめんね…」と言いながら涙目になっていたのが忘れられない。5分くらいは目を擦りながら講義を停止していた。
企業法 宮内
TACの看板講師。ダントツで好き。良い評判しか聞かない。とにかく分かりやすいの一言。全く法律に触れたことがなかったが、法律の基礎の基礎から教えてくれる。最大の特徴はその動き。教壇の上で殴る、蹴るの動作をしたり動きまくるため、カメラに映ってないことも多々ある。「宮内芸」とも言われるその動きとトークで、声を出して笑ったことも多い。非常に重要な箇所で発する「覚える!すぐ覚える!今覚える!」は名言として強く残っている。自身の過酷な旧司法試験受験体験談も、非常に面白かった。講義の中では単純に法律を教えるのではなく、ライブドア事件、ブルドック事件、大塚家具のTOB、山一証券等の実際の事件を混ぜて取り上げてくれるため、純粋に面白いし教養になる。面白い一方で人柄が本当に良く、人生論も説いてくれるため、自分にとって父親のような存在に思えた。最終講義の30分にも及ぶ受験生へのエールは、パソコンの前で涙を流してしまった。信楽高原鉄道とJR日本の列車衝突事故などの損害賠償事件の弁護人を務めたりもした、わりとすごい人である。著書の「誰でも弁護士になれる本」は人柄がよく出ていて面白い。自分にとっての、人生の、恩師である。
脱線してしまうが、宮内先生の旧司法試験受験体験談で非常に強く記憶に残ったエピソードがある。当時は真夏、早稲田大学でエアコンも禁止で、皆大量の汗を噴き出しながら受験していたという。タオルに水を染み込ませ、それを首に巻き、タオルから床に水が垂れる。裸足でその水をビチャビチャと踏み、床は全面水浸しだったという。男女関係なくTシャツがびしょびしょになりながら受験していたそうだ。そんな中で論述しなければいけないわけで、試験開始から一時間も経過すると、もうやめようかなあ、来年にしようかなあ、といった気分になってしまう。当然のことだ。すると、そんな気分を見計らったかのように、早稲田大学応援団が、グラウンドから、凄まじく大きな声で、「フレー!フレー!司法試験受験生!!」とエールを送っていたらしい。今となっては考えられないことだが、非常に大きな激励となったことが想像出来る。
監査論 中里
唯一、好きになれなかった講師。上級講義は見ることすらやめた。講義の内容は分かりやすいと評判ではある。ただ、テキストを使わず自作レジュメを使って講義を行うため、どちらを読むべきなのか分からなくもなった。その点は好みで良いと思うのだが、好きになれなかったのはその人柄にある。昔ながらのTHE公認会計士、THE監査人、といった感じで、堅い。ニートや引きこもりを軽蔑するような発言をしたり、弱者の気持ちや背景、感情が分からないのかな、という印象を受けた。また、「勉強するときに姿勢が良くない人は成績も悪い」と言ったような古い発言も多くあった。自分は電卓で勉強するとき以外は基本的にベッドの上でしていたため、イラっときた。基礎の講義は全て見たが、分かりやすいといえば分かりやすい。著書の「監査論セレクト30」は必携と言えるほどの良書。
経営学 藤沢
論文科目は講義数が少ないため、講師に対する思い入れも薄くなってしまう。その中の1人の藤沢先生は、なんとなく変わり者の印象があった。人柄も良いし面白いけど、なんか、変。宮内先生と同様、実在の企業名を挙げて経営学を教えてくれるため面白い。また、藤沢先生は自称数学が苦手であるため、数学が苦手な自分のような生徒にとって、非常に分かりやすい説明をしてくれる。反面、数学的ではないため、数学が得意な生徒にとっては講義を受ける必要もないかもしれない。ノーベル賞を受賞した投資理論や企業価値・株価の算定等は数学的で難しかったが非常に興味深くて楽しかった。この講義の影響を受け、一時は会計士試験の息抜きに投資の勉強をしたりもした。
租税法 伊藤
自分が受講した唯一の女講師。パンフレットと全然若さが違う。関西弁。優しい。講義は坦々としつつも非常に分かりやすい。税法は難解ではあるが伊藤先生の講義を聞けば完全に理解出来る。ここはもう出ないから捨てて良いよ!と言うことが多く、そんなぶっちゃけちゃって良いのかよ、と当時は思っていた。
アクセス 長谷川
番外編になるが、TACではアクセスと呼ばれる全20回程のコンパクトな模試がある。このアクセスはTACの目玉とも言えるほどに、良い教材である。コンパクトながら全範囲が網羅されており、受験生が躓きやすい部分、ミスが多い部分、絶対に外せない部分など収録されている。
そのアクセスの解説をしていたのが、長谷川先生である。長谷川先生の講義では、アクセスがもう一部渡される。その一部に何の意味があるのかと言うと、実際に長谷川先生がアクセスを解く際に問題文や欄外に書くメモが記載されている。これが本当に分かりやすい。講師がどのように頭を使って解いているのかプロセスが分かる。
これはかなり個人的になるが、長谷川先生もTOP3に入るくらいに好きな講師である。その理由は、まず失礼だし本人も意識していないだろうけれど、顔芸が面白い。声がめちゃくちゃ通る。犬好きで犬の話をすると止まらない。そして、毎回講義の最後に「毎日頑張っている自分を誉めてあげることを、忘れないで下さい。」と言う。
以上、TAC主要講師の感想でした。
TACには100人近い公認会計士・弁護士が在籍していて、色々な講師の意見や解説を聞けるのが面白いです。模試の解説ではレギュラー講義と違う講師が解説したりするので、新鮮な気持ちになったりもしました。模試も講師を統一しろよ、と思う人もいるかもしれないけれど、いつもと違う講師の違う角度からの解説は理解を深めてくれるものでもあると思う。
TACこそが公認会計士予備校の
ナンバーワンやで。
毎日頑張っている自分を誉めてあげることを、忘れないで下さいね。
完。