バイオプラスチック導入ロードマップ
プラスチック資源循環戦略のマイルストーンとして2030年までにバイオマスプラスチック200万トンの導入を掲げており、その達成に向けて「バイオプラスチック導入ロードマップ」が策定されています。
※写真はインドのとある街中
バイオプラスチック導入ロードマップ
バイオプラスチックの生産量予測
欧州バイオプラスチック協会(EUBP)の見通しによると、21年段階の世界の製造能力は241万7000トンで、22年は471万9000トンと約2倍になることが予想されています。
2026年には759万3000トンと大幅に増加する予想です。
環境に関する枠組み作りは、欧州が先行していることもあり、日本もこの流れに取り残されないように進めていく必要があります。
日本企業として、旭化成㈱やカネカ㈱がEUBPに参加されています。
【バイオプラスチックの需要拡大の要因】
主要因は以下の3つと言えます。
1. 海洋プラスチック問題
2. 廃プラスチックの実質的な輸出停止
*これまで欧州を中心に東南アジア諸国に輸出し、自国の廃プラスチックを見かけ上減らすことが行われていた(=一種のグリーンウォッシュ)が、東南アジア諸国はこれらを受け入れ拒否を始めている
3. カーボンニュートラル
【日本企業の取り組み】
代表的な事例の一部を紹介します。
1) カネカ㈱
生分解性プラスチックのPHBH(商品名:Green Planet®)
PHBHは植物油を原料とし微生物によって生産されるバイオマスプラスチックで、カネカ㈱が世界で初めて工業化されています。
スターバックスやセブンイレブンでのストロー、カトラリーなどに採用されています。
2) 三菱ケミカル㈱
以前紹介しした生分解性プラスチックのバイオPBS(ポリブチレンサクシネート)
一般的な生分解性プラスチックに比べて耐熱性が高く、繊維などとの相溶性も高いといった特徴があります。
当店で採用しているバタフライカップ、コーヒー豆袋にも採用されています。
3) 三井化学㈱
非可食植物を主体とするバイオマス原料を発酵させてIPA(イソプロパノール)からプロピレンを得るバイオプロピレンの事業化を検討中
【バイオマスプラスチックの問題点】
一番のネックは価格です。生産量もまだ少なく、大手しか採用されていないのが実情ですが、当店は小売店としていち早くバイオマスプラスチックを導入し、脱プラスチックに貢献していきたいと考えています。
今後、生産量や需要も増えることが予想されており、普及が進めばコストダウン可能と考えます。
一方、プラスチックに頼らないこと、使用量を減らす方法も検討していく必要があるため、この仕組みも検討したいと考えいます。
プラスチックに頼らない注目の材質として、セルロースがあり、日本の森林資源を有効活用できる可能性も高まりそうです。
これに関しては、別記事にまとめています。