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コーヒー保存方法の考察
コーヒーをどのように保存すると最適なのかを考察しました。
焙煎済みコーヒー劣化の原因
コーヒーの味が劣化する要因としては大きく分けて3つあります。
水分による劣化
コーヒー豆にはクロロゲン酸ラクトンに代表される環状構造(ラクトン)が含まれています。これらは浅煎り〜中煎りに多く含まれています。ラクトンは水分存在下では、クロロゲン酸やキナ酸などの「酸」に戻ってしまうため、コーヒー成分のpHを下げてしまいます。これを「ステイリング」といいます。古いコーヒーには浅煎りのような明るい味の酸ではなく、ネガティブな嫌な酸味を感じることがありますが、これはステイリングによるものと推測されます。
酸素による劣化
いわゆる「酸化」です。コーヒーには油分が含まれています。これが酸素存在下では酸化し、酸化物になります。これも本来の良いとされる成分ではなく、違う物質に変化しているため、コーヒー本来の味とは異なってしまいます。酸化でも、特に「酸敗」と呼ばれています。
二酸化炭素放出
こちらは劣化というよりは、放出されることで香気成分もともに抜けていってしまい、コーヒーの香りがしないコーヒーになるため、香りによる効果が低減します。
劣化を防ぐには?
劣化の原因となる水分や酸素と接触する機会を減らすこと、二酸化炭素の排出を抑えること、保存温度を低くすることです。
以前のアレニウスの式が温度影響があるという記事を書きましたが、温度を低くすることで、反応を遅くするということです。
よく言われる冷凍保存では、これらの反応を全て防ぐことができるのですが、それは冷凍温度環境に保存し続けた場合です。
コーヒーを袋ごと保存すると、冷凍庫から出し入れする際の温度変化により空気中の水分が結露としてコーヒー豆の表面につきます。これを繰り返すと、水分量が増加する可能性があり、常温になった際にステイリングが発生する可能性があります。
最適な保存方法は?
Specialty Coffee Association(SCA)発表した「The Coffee Freshness Handbook」によると、コーヒーは購入したままの袋で保存するのが良いとされています。
先日の記事で、当店で取り扱い予定のコーヒー豆袋は低酸素&高二酸化炭素をキープするガスコントロール機能がありますので、まさに最適な袋と言えます。
冷凍保存も必要分だけ小分けして保存するなどうまくコントロールできれば、良いと思います。
メリットとして、冷凍にはコーヒー豆の粒度分布を安定化させる効果があるそうです。
オレゴン大学が2016年に発表した「The effect of bean origin and temperature on grinding roasted coffee」という論文に記載されています。
または真空状態で保存することで、酸素や水分の影響を排除できます。
放出される二酸化炭素は不活性ガスであるため、容器内のガス層を二酸化炭素で、満たせば理論的には酸化もしなくなります。
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当店では、アメリカ preparaのevakの真空キャニスターを採用します。
食品にふれる部分はガラス&ステンレス製で、ハンドル部分のみプラスチックを使用した商品です。
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