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「緩和」と「適応」とは?

気候変動対策において、「緩和」と「適応」の両輪での対策が求められています。
2015年のパリ協定(COP21)では、2050年までに気温上昇を2℃より低く、1.5℃に抑える努力をすることとされています。
下のグラフでは、青色系の予測になります。
2℃以上気温上昇となると•••
1. 台風強度ピークの北上
2. 主要河川での洪水発生確率増加
3. 食物危機(農産物、水産物減少)
4. 熱波発生時間の増加

などがあり、日本でも台風威力が強くなったり、局地豪雨による洪水が発生したりと、気温上昇による被害が少しずつ顕在化するようになってきている状況です。

IPCC AR6 WG1報告書 政策決定者向け要約(SPM)暫定訳(2022年12月22日版)より

「緩和」とは?

名前の通り、気候変動に対する影響を緩やかにすることです。
具体的には、節電、再生可能エネルギー活用、温室効果ガスの削減、森林の再生などがあり、当店の活動はこれにあたります。

ひとつひとつの活動による影響は小さなものですが、全員参加によりその効果は最大化していく活動となります。

最近では、東京都が2022/12/15に開かれた都議会の本会議で、2025年4月から都内に新築される住宅に太陽光パネルの設置を義務化するための条例の改正案の採決が行われています。

企業だけでなく、行政も本気で動き出したということと捉えました。
一方で太陽光パネルの寿命によるパネル廃棄が今後問題となる可能性も浮上しています。
これに対し、伊藤忠株式会社は太陽光パネルのリサイクルに取り組むことを発表しています。

「適応」とは?

環境の変化に対応していくように技術改良や基盤整備をしていくことなどが挙げられます。
例えば•••
1. ハザードマップ整備
2. 農作物の品種改良
3. インフラ設備の改善(地下トンネル式貯水池などの洪水対策 etc.)

先日開催されたCOP27でも「適応」については議論されており、先進国は適応資金を拠出しています。
日本は、拠出済の600万米ドルに加え、さらに600万米ドルの拠出を表明しています。

民間企業や自治体も積極的に進めていこうとしているため、今後さらに注目される具体的な対策や技術が増えることが期待されます。

三重県での「適応策」

三重県では以下の農作物は、気候変動に対応した適応策として動いています。

1. 米 三重23号 「結びの神」

最近スーパーなどでよく見かける「結びの神」という米は、気候変動に対応した品種の米で、猛暑の中でも安定した品質、収穫量を確保できる品種になるそうです。
それだけでなく、味も美味しく、冷めても美味しいお米です。

2. イチゴ かおり野

気温が高温化することで、炭疽病と呼ばれる病気や収穫時期の遅れなどの問題が発生し、これに対応するため、病気に強く、収穫時期が早い「かおり野」が開発されています。

まとめ

気候変動による危機は、様々な農作物や海産物に影響を及ぼし、人々の食生活を大きく変えてしまう可能性があります。
以前に紹介しましたコーヒー2050年問題も気候変動による影響です。

原因は産業革命以降の人間による生産活動の拡大であることは明白であり、現状を維持もしくは改善していくには技術革新だけでなく、ひとりひとりの意識を変えていく必要があると考えています。

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