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ケミカルリサイクルの可能性

#ケミカルリサイクル の可能性

先日の投稿で、ケミカルリサイクル はわずか3%しか実施されていないとお伝えしました。

こちらはまだまだ大手化学会社でも実証段階の技術です。
また、#マテリアルリサイクル に比べて、エネルギー消費量が多くなるため、ケミカルリサイクルプラントは各社技術力を投入して、省エネプラントにしていく必要があります。
ライフサイクルアセスメント(LCA) という考え方で、製品の原料供給から廃棄までに排出されるCO2量を考える必要があり、結果としてCO2排出が多くとなれば、それは #カーボンニュートラル や #サーキュラエコノミー の観点からは受け入れられないため、製造業は#lca を意識する必要があります。

簡単に各社動向をご紹介します。

ドイツ #BASF 社
2018年から自社でケミカルリサイクルプロジェクトを展開。
2025年に年間25万tのリサイクルを目標にしています。

アメリカ #DOW 社 
イギリス #ミュラテクノロジー 社の超臨界水※によるプラスチック分解技術である #HydroPRS ™ によるケミカルリサイクルプラントを建設予定。
2030年までに年間60万tを目標としています。

日本 #三菱ケミカル 社
#ENEOS 社との協業により、2023年に年間2万tのケミカルリサイクルプラントを稼働予定。
DOW社と同様に HydroPRS™の技術が適用されます。
このプラントが稼働しても日本のプラスチックリサイクル率としては、僅か0.3%しか寄与しない(リサイクル量726万tとして)

ミュラ社の技術はケミカルリサイクルに向いているとされているので、今後この技術がどんどん普及していく可能性が期待されています。

それだけ技術的にも難しく、お金もかかるリサイクルになります。

これからの技術ですが、普及率が高まれば新規プラスチックは#石油由来 ではなく、ケミカルリサイクル由来の原料から作られることが一般的になるかもしれません。

もう一つは、#バイオプラスチック ですが、これはまた別の機会に紹介します。

※#超臨界水 とは

簡単に言えば、モンスター #圧力鍋 で廃プラスチックを煮込んで、どろどろに溶かして、原料に戻すみたいなイメージです。

一般的な家庭用圧力鍋は、温度110-130℃、圧力50-150kPa程度で設計されていますが、超臨界水は温度374℃、圧力22MPa(家庭用の約145倍)という高温高圧条件です。

以下、専門的内容です。

物質は、「固体⇔液体⇔気体」というのが基本ですが、さらに圧力と温度をかけていくと、水蒸気の密度と水の密度が等しくなる点が出現し、これを臨界点といいます。


さらに圧力と温度をかけると、液体でも気体でもない両方の特性をもつ状態が出来上がります。これが超臨界流体です。

Wikipediaより

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