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乳がん/ランジェリーを試着
2024年11月27日(水)
乳がんになってから前開きの可愛くないブラやブラトップなどは購入してきたが、いわゆるランジェリーからは遠ざかっていた。というよりなんとなく見たくなくて目を伏せてきた。けれどつい先日街で、ホリデーシーズンに向けた新作ランジェリーのディスプレイがあまりに美しく引き寄せられてしまった。
長い間、ブラと言えばワイヤー入りの比較的浅めタイプが好きだったが、今ではノンワイヤーで傷が隠れるような深めタイプに興味対象は変わっている。(乳がん前に購入したブラも着用しているが浅いせいで傷が全て隠せないことがネック…)
目視で対象を追いまくり、とても素敵なレースでできたノンワイヤーのフルカップブラが一着見つかった。
それは複雑なレース模様が糸のように繊細で小さなビジューが全て手作業で付けられた職人泣かせの一品だという。
わぁ素敵♡これならちゃんと隠れるかも… やっと目を止めた私に「ご試着できますよ。いつものサイズはいくつですか?」
あぁそうか…サイズ
「サイズは○でした…けど」
ちょっとだけ悲しくなって小声になった。もう本当にこういう自分の感情が嫌!じゃあ来なければいい!と思う自分もいる。
"ここでは乳がんしたんですって絶対言わない!"なんて固い決意まで生まれる(笑)
「お客様であれば多分○サイズでよさそうですが宜しければ測定します。お身体に合うものであればバストアップにもつながりますし」と店員さん。
世の中、特にこの日本ではブラの機能で"盛ること"は大半の需要を得るんだろう。
それを求めないんです私は…と心の中で呟きながら「測定は不要ですが気になるから着けてみていいですか?」
すんなり試着室に通される
よいこらと服を脱ぎ、五十肩でホックが後ろ手でとめられないので前でとめて回す。最後にその素敵なレースのなかにパットを滑らせた。「わぁ……素敵!」久しぶりにランジェリーを身に纏い気分が上がる。こんな気分久しぶりだ、コレコレ!
だけど少し深さが足りなくて、上の方の傷(のテープ)が見えてしまっていたのが残念だった。出来れば全部隠れて欲しいな。欲張りか?
「いかがですか?」とかかる声。「少しサイズが合わないみたいです」と叫んだら「宜しければ一度見せていただきますよ」と。「ごめんなさい、もう脱いでいる最中です」と言いながらもまだ着用していた私は、上の方の傷を手のひらで隠してその素敵なブラをじっと眺めた。
素敵だな。気分が上がるな
でもコレじゃない
傷がなぁ
でも…
レースを傷つけないように丁寧に脱ぐ。ところでいったいおいくらなんだろう?
価格を見たら私の身の丈に合わなかった。上下セットにすると片手を越えた…。
迷いがある消耗品にこの金額はだせない。ある意味吹っ切れて試着室を出る。
わたしのような身体でも着用出来る、素敵なレースでできたパッと華やかで傷がすっぽり隠れるノンワイヤーのお手頃ランジェリーはないものかな。
クリスマスプレゼントに胸が欲しいと考えていたあの頃を思い出した。
そうだな
そろそろコレを作るのも手だな。
まずは近い目標として、輝かしい年始に向けてお眼鏡にかなう素敵なランジェリーを探してみたいとおもう!
もう、とびっきり気分が上がるやつ!!!