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hyde誕生祭

涙の理由は一つかもしれないし、たくさんかもしれない。
その理由を私たちがすべて知ることはできないし、ただ曲の世界に深く入っていただけかもしれない。
サブステージに移ってからのhydeさんは今までのライブで見たことがない雰囲気だった。
「終わりが見えているから頑張れることもある」
死生観ともとれるMCの後のALONE EN LA VIDA。
抑え込むような、絞り出すような、どこか遠くへ行ってしまうような。

中盤からの選曲は「旅」「道」「帰路」を思わせる曲が続き、どれもビターエンドであろう曲ばかり。
曲を表現する上での憑依というより、自分自身と対峙しているような孤独。
ステージ上にいるはずなのにとても遠い。
心がどこか遠くにあるようで、歌うことで心と体をつなぎとめている。

消えてしまうんじゃないかと思った。

ギタートラブルで演奏が止まりそうになった後、
「こんな風に止まりそうになった時が何度もあったけれど、それを乗り越えて今がある」
声が震えていた。

ALONE EN LA VIDAを境にしていたように思う。
ここまでは自分の為に、ここからはみんなの為に。
「やりたいことはすぐにやって、行きたい所にはすぐ行って。
会いたい人には会いに行って。」
音楽の道に進むときにお母様から言われた言葉を、
次に渡す役割になったんだね。

2日目ラストの「あなた」
観客の大合唱を聴きながら降り積もった羽の上に横たわった時、白い光の中でさっきまで遠く感じた輪郭が鮮明に見えた。
「生きてていいんだ、ここに居ていいんだ」
という心情を吐露できる場所になれていたのなら嬉しいけれど、
あの独白に対して好意を伝える事しか出来ない私たちは、彼の本当の孤独に触れられない。
羨望や憧れは理解からもっとも遠い感情で、私たちはこの先も鳥籠の鳥を愛でる事しかできない。
でもきっとさらっと言うんでしょうね、「考えすぎ、気をまわしすぎですよ」って。

ネガティブに捉えることはいくらでもできるけど、いつか来る終わりを見据えることは悲観的ではない。
長い旅路の中で得た沢山の荷物をひとつひとつ仕舞っていく時に、この日の思い出はきっと大事な場所に入れてくれるだろうと思うとそれが誇らしい。
彼も、メンバーも、私たちも、それぞれ帰る場所は違うけれど、
同じ日の同じ思い出を持っている。


ラルクの歴史を語る時に、underground以降で期が違うと感じるくらいライブパフォーマンスの進化が甚だしい。
パラダイムシフトと言ってもいい。
個人個人で見れば全然別のバンドの人たちなんじゃないのっていう4人が鳴らして融和する音。
確実に今、プラチナ期です。

あとyukihiroさんのニュードラム、ラルクで初演でしたね。
デッドに作りこんだ中低音がすんごい。もうすんごい。
音の輪郭がはっきりして一粒一粒がめっちゃクリアに飛んでくる。
まさに産地直送。
DIDとかシャウトで違いが超分かる。
2日目のDIDは横顔抜かれた瞬間バチクソ気合い入った顔してて映画館で総毛立ちました。
いつも1曲目は精神統一って感じだけど今回はブチ上がってて最高。
つか1曲目DID強すぎだろ。
ダンジョン入ってすぐラスボスかよ。

いばらのイントロからのAメロすんごい良かった何あれすんごい。
ハットの開き具合の緩急がすんばらしすぎてこのリズムを電気信号にしてペースメーカー埋め込みたい。

get out from the shellの新アレンジやばない????
最近多様のアレンジふんだんに盛り込んでラルクに還元してくれるの超絶ありがたすぎて五体投地してめり込んだ地面から温泉沸きそうです。
マッチポンプ〜

新曲YOU GATTA RUN も生ドラム超~~~~~かっこいいし。
ラスサビ手癖全開で我々はね、
こ れ が 聴 き た か っ た ん だ よ !!!
(これについては別記事書く)

あとすみません最後にこれだけは言わせて。
yukihiroさんが薔薇の花束持って歩くお姿、死ぬ前にもう一度見たい。



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