南の島も笑ってる 第3回
沖縄に到着し、いきなり灼熱の太陽とスコールにさらされております。
この先どうなるのやら。
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この島ではいわゆるホテルと呼べるようなこぎれいな宿泊施設があまりない。滞在する場合はペンションか民宿かユースホステルかキャンプ場でテントを張るということになる。それはちょっとねーという観光客は、石垣島に滞在し船を使って日帰りでこの島を訪れるということになる。
我々は「星の砂キャンプ場」という所に滞在することになっていた。ここは去年俺が滞在した場所だ。
港から少々遠いが送迎などない。我々は同じ方向に向かう観光バスに相乗りさせてもらうことにした。一応路線バスはあるが一日に何本も走っていない。こういった助け合いもここでは普通に行われている。
ギラギラと照り付ける太陽の下、バスはパイナップル畑の中を進んでいく。
社内はエアコンが効いていて気持ちいいが、バスを降りたらこのエアコンともしばらくはおさらばである。
星の砂キャンプ場は星砂海岸という海岸のそばにあり、そばに小さなペンションが隣接していた。
星砂海岸というといかにもとってつけたような名前だが、これはれっきとした地名。昔はここで星の砂が取れたそうである。
1年ぶりにやって来たキャンプ場は、去年と全く変わっていなかった。
キャンプサイトは全面が柔らかい草で覆われており、海岸に向かってゲレンデのようになだらかに傾斜している。所々に生えている木々は日除けにもってこいだ。
沖縄は日差しはやたら強いがカラッとしているので日陰は結構涼しい。日除けの木は必須である。滞在者はほとんどが1人旅のバックパッカー。思い思いの所にテントを張り、寝そべって本を読んだりしていた。
ここでは思い思いのペースで時間がゆったりと流れている。これも去年のままだった。
キャンプ場に到着した我々は早速テントを張ることにした。
暑いので靴を脱ぎ上半身裸になる。草の感触が気持ちいい。
テントはエガさんと俺のこれまた上の先輩から借りてきた代物だった。俺が持っているテントは2人用であるがさすがに大荷物を入れると2人の寝る場所がなくなってしまうので、大きめの物を借りてきたのだ。
ところがいざ組み立ててみるとこのテントは異様に大きかった。中で優に5人は寝られるであろうという広さで、立つこともできる。
周りのテントに比べるとちょっとした要塞であった。
やたら重たかったがこんなものを東京から担いできたのか、こんなでかいのいらんやんと散々に悪態をついたが、ともかくもこの島滞在中の我々の根城である。
我々は完成したテントを眺めながらしばしコーフンに浸っていた。
(続く)