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福島ユナイテッド2024備忘録⑤【進撃が始まる】
リーグ序盤~中盤戦-攻撃の先鋭化Ⅰ
東北クラシックを前にここまで結果が出ていないのは盛岡も同じだった。
だが伝統の一戦は実力や順位と関係がない結果が生まれがちだ。
大宮戦並みに競った試合になるだろうと思われた。
しかしこの一戦、福島は誰も予想し得なかった衝撃的なスコアを叩き出す。
9-0
圧巻のゴールショーだった。
この日、観衆はわずか1175人。
この驚くべき試合を目撃できた人の少なさが悔しかった。
今シーズンのユナイテッドは歴史的なチームになろうとしている。
これほど攻撃的なサッカーを標榜するチームを間近で見られる機会はそうはない。
にもかかわらず地元のメディアの盛り上がりはまだまだ静かなものだった。
だが正直これでいいのかもしれないと思う自分もいた。
大勝した後の試合は大抵の場合難しくなるものだ。次節の負けは希望が見えてからの失望となる。これは落差が大きい。
巨大な失望を味わったファンがユナイテッドから離れていくのはいつものパターンだ。
だがそんな卑屈な心配は杞憂に終わる。
ここから福島は4連勝。さらに1敗を挟んで3連勝と破竹の勢いで進んでいく。
アンカーに攻守のバランスが良い加藤に代えてより攻撃的なテクニックに優れた上畑を起用し始めたのもこの頃である。
攻撃戦術のさらなる先鋭化。
ユナイテッドは本格的に勢いに乗った。選手達も自分達のやり方に手応えとなによりも大きな自信を得ただろう。
リーグも中盤戦にさしかかりサポーターの中にも今のスタイルを信じてもいいのかもしれないという雰囲気が醸成され始めた。
SNS上でも今までディフェンスラインからのビルドアップに固執してピンチを招く様な場面に懐疑的な意見を出していたファンも今のスタイルを容認し始めてきた。
だが福島のサポーターは裏切られ続けている。
長く応援し続けてきたサポーター程用心深いはずだ。希望を抱かせての失速など日常茶飯事。
傷つきたくはない。
傷つきたくはないが信じたい。
だから声を枯らして応援する。
幾度その応援が汗にまみれた選手のユニフォームに虚しく吸い込まれていったことだろう。
そしてその負のサイクルを想起させるような『出来事』がその夏起こる。
守備のリーダーで今シーズンキャプテンを任されていたセンターバック(CB)堂鼻のいわきFC移籍である。
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