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福島ユナイテッド2024備忘録③【耐えられるのだろうか】

リーグ序盤戦-構築


 
序盤7試合、勝利にあと一歩届かない期間があった。
SNSなどを見ていると、サポーターの中にもちらほらと勝てない事に対してストレスが溜まり始めている者も出て来ていた。

だが正直試合内容はものすごくよかった。
選手も楽しんでいたし、全員寺田監督を十分信頼しているように見えた。
一方で自分達に対する自信もはっきり持てていないようにも見えた。

それは大抵チームとしての意識に小さいずれを生み、試合展開に応じ攻めるべき時と守るべき時の意思統一を妨げるものだ。
サポーターも半信半疑だったかもしれない。
美しい試合の完成を前にこのままあの(我々の知っている去年までの)福島が本当に勝利で完結できるのかという疑念と不安。

仕方あるまい。
我々には勝者のメンタリティーがない。
常勝川崎時代を知る寺田監督はそれを歯がゆい思いで見つめていたのではないだろうか。
相次ぐ試合終盤の失点はそうしたクラブ、サポーター全体の不安を如実に表しているかのようだった。

だがポゼッションサッカーをするにはそれではだめだ。
監督が何度も言ったように心折れる事無く何度でも立ち上がりチャレンジする事が必要なスタイルだ。
勇気をもって縦に入れる。
プレッシャーの中果敢に前を向く。
攻めて攻めて攻めまくる。
攻撃は最大の防御。
ボールがなければ相手は攻める事は出来ないクライフイズムがそこにはある。

では思うように勝ち点を積み上げられない期間、福島の選手達がそこまで切羽詰まった雰囲気でプレーしていたかというとそうでもない。
むしろ去年までゴールの予感すら感じさせず劣勢に追い込まれ多くの時間を耐え忍んできたのに、今年は思う存分攻撃できる喜びとそれにより観客を沸かせられている事からくる充実感すら感じていたのかもしれない。

ポゼッションサッカーが好きな方はわかると思うが、そのスタイルを極めたチームは負けても必ず面白い試合をする。

敵陣ゴールチャンスでのワクワクと自陣でピンチを防いだ後のドキドキ。
結果が出ないもどかしさより、
あの福島が、
Jリーグクラブが自分達の町にあるということくらいしか誇れなかった福島が、
どこにだしても恥ずかしくない、見た者を魅了できるフットボールにチャレンジしている。
そのことに対する喜び。
それを選手からも感じていたし、私も感じていた。
だから練習を見ていてもチーム内の雰囲気が悪いと感じる事は一度もなかった。

あとは結果だけという状況の中、寺田監督も後にターニングポイントだったと言う第10節大宮戦を迎える。

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