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生き延びるとは別の仕方で|①
自殺を検討している段階にあるので、達成するまでの記録をつけていこうと思う。
具体的な計画を立てることは苦手だが、今年の夏になる前に死ねたら万々歳だ。
「自殺」という言葉を人々は簡単に口にするが、実際に検討してみると完遂するのは簡単でないことがわかる。
それはもちろん、及ぶ直前、最後の一歩がもっとも難しいということでもある。安楽死でもないかぎり、どんな方法を取っても自殺にはとてつもない痛みが伴うことが予想されるからだ。
自殺する人の素性や経緯は様々だが、私はその中でも理由がかなり浅い方だろう。もっと浅い理由で自殺した友人が何人かいるので特に恥とも思わないが、要は人生の中で痛みというものに慣れてこなかった人間だということだ。ほとんど殴られたこともないし、運動経験もまったくないといって過言ではない。
そのような人間にとって、絶命するほどの痛みというものは想像の埒外である。貧血で倒れかけたときの洒落にならない感覚を最後まで貫くのかと思うと、まだPCの前にいるというのに手が震えてくる。
しかし、ここで言う「簡単でなさ」は、もっと前の段階である。つまり、身辺整理の話だ。
私のような甘ったれた人間には、まずそこがめんどうくさい。無駄な人生に無駄に付いた贅肉を落とし切ってからでなければ、心安らかに三途の川を渡ることもできない。
自殺の多くは衝動的だと言われる。完遂された自殺の動機を明らかにすることは非常に難しいため具体的な統計はないようだが、基本的に自殺というのは日常から抱いていた「死にたい」という希死念慮がどこかの時点で爆発して実行に及ぶというのが典型的なイメージである。
だが、残念ながら私はそういう状態にはない。もちろん自殺を検討しているのだから希死念慮はあるのだが、経済的にも環境的にも問題はないし、うつ病のような明確な精神疾患を持っているわけではない、自殺志願者のマイノリティである。既往歴もないため、失敗したら医療費は全額自腹になるだろう。
というわけで、方針としては「なるべく迷惑をかけずに確実に逝きたい」となる。自殺それ自体が迷惑なのは十も承知だが、生きつづけることもまた非常に迷惑であるためトントン、なんなら迷惑の質や量をある程度自分でコントロールできる自殺の方が幾分かマシかもしれない。
私は人生の進路として自殺を希望している。受かりたい資格に合格するため対策を講じるように、実行するその日までに身辺を整理しきらなければならない。
先達はあらまほしきことなり。自殺それ自体は不可逆でも、その前段階までなら先人たちのお導きがいくらでもあるようだ(最後のnoteは創作だが)。私はまだ手に取っていないが、一般的な終活についての書籍なんかも参考になるかもしれない。
さて、まとめると、(計画的な)自殺に及ぶにあたって必要なものは大きく三つあると言っていいだろう。
身辺整理を終わらせる
死に場所と時間を計画する
自殺の方法を決め、その道具を用意する
やはり、このうち最もめんどうな(手間がかかる)のは身辺整理であることがわかる。私は実家住みのため処分するものは少なくて済むが、人によっては物件・電気・ガス・水道など生活インフラの解約、遺族の相続放棄についての法的な処理などがあるだろう。なんにせよ早いに越したことはない。
というわけで、手始めに解約できるサブスクリプションはすべて解約した。残ったのはChatGPTとYouTube Premiumだけである。他のサブスクは解約してもまるで困らなかったが、この二つはクレジットカードを解約するまで手放せない。手放すときはいよいよ覚悟を決めたときである。
スマホだけで完結するのはここまで。あとは自分が動く必要がある。
とりあえず、自分の部屋になる嫌になるくらいの量の本を売ることにした。まだ段ボールの調達もしていないが、娯楽本と専門書をそれぞれ別の買取業者に送るつもりだ。処分するのが主目的なので、全部で数千円くらいになれば御の字だろう。
次に、今使っているSIMをpovo 2.0にMNP転入させなければいけない。先ほど載せたスレにもあったが、トッピングを半年(180日間)利用しなければ自動解約になる素晴らしいシステムである。最後の最後にはコンビニで買えるプリペイドSIMを使用してもいいかもしれない。
あとは銀行口座と証券口座に入れている金を現金化する必要もある。人生を締めるほどの大贅沢をするにはまるで足りないが、ちょっとした旅行くらいならできる。死に場所が決まったらそこに行くのに使おうと思う。
そういえば、独自ドメインで運営しているサイトがある。独自ドメイン自体は更新しなければ自動で解約されるのであまり心配いらないが、サイト運営しているアカウント自体は希望する人に譲ってもよいかもしれない。
やることは多くある。結局のところ、これは自殺に向けて退路を断つ作業なわけだが、不思議と悲壮感はない。むしろ、ちょっとワクワクしている。