人生の大局は一手一手の評価値
私は将棋をほとんど知らない。
しかし最近の将棋対局の映像を見ると、面白い現象が見られる。
将棋指しの一手一手に、AI判断の評価値が出る。
一手で勝敗率がガラッと変わる。
人生は、細かい選択の連続である。
私たちは選択から逃れられない。
結婚や受験や退職など大きな選択の頃には、実は勝負は決まっている。
大きな選択の前に、それに影響する小ぶりの選択を繰り返しており、
それより前から、自覚できない細かい選択を日常から積み重ねている。
とるに足りない微細な選択からジワジワ人生が展開されていき、気付かないうちに大きな選択を迫られる時に向かい、
その頃には、もう身動き出来なかったりする。
一手一手で将棋盤の宇宙が形成するように、
一つ一つの選択で自分の人生の宇宙が形成されている。
将棋指しには、一手一手の評価値は見ることはできない。対局の後に、ネットで自分のデータを確認して、猛省する。
私たちは、一つ一つの選択の評価値を見ることはできない。あの世にいって、アカシックレコードで自分のデータを確認するかもしれない。
遊びの将棋に「待った!」と何手もさかのぼることはありえても、
人生に「待った!」と何手もさかのぼることはできない。
日常の細かい選択に無防備になり、気づいたら文字通り「人生、詰んだ」となるかもしれない。
もしかしたら、人生詰んだから、スピリチャルやチャネリングに出会った人もいるかもしれない。
投了してから棋譜を読むには、早すぎる。
人生詰んだと読む判断は間違っており、AI判断の勝敗率はまだ五分五分かもしれない。
将棋の対局は、100手あまりで勝負が決まる。
何気ない初手の「歩」を指す時、将棋指しは仰々しく指す。
素人目には大袈裟だと思うが、選択の重大さを承知しているからだろう。
私たちは無造作に選択して、宇宙から見た評価値は最悪の値を出しているかもしれない。
とるに足りない微細な選択が、人生の対局の大局に勝負の対極を決めるのだろう。
この記事を読んで、ハートマークの評価値を押すか押さないかの選択が、あなたの人生の勝敗率が決まることを忘れてはならない。