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ゴールはどこ?治療を始める前の自分の気持ち

現在SRSまでを終えて治療に関して思っていたことを振り返ろうと思います。


治療をする前の気持ち

僕がトランスジェンダーだとハッキリ自覚したのは高校1年の時です
それまでは自分自身の体に違和感はあったものの言葉も知らなければ知識すらもなかったので自分が何者なのかがわかりませんでした。
家が厳しいこともあり、自分の携帯を持つようになったのも高校生になってからだったので調べるすべもなくモヤモヤしたまま生活をしてました。
そして当時付き合っていた彼女の知り合いに会った時に初めてトランスジェンダーと言う言葉を知りました。

その人の話を聞いているうちに自分の感情と同じものを感じて『もしかしたら自分も、、、』と思ったのがキッカケでした。

そう思ってから自分で調べるようになりパズルがどんどん埋まっていくかのような感覚で自分自身のことが明確になっていました。
こうして色々と調べているうちにナベシャツの存在を知りまずはナベシャツを着ることから始まります。
決して安いものではなかったけど、これで少しは胸に対する嫌悪感は和らぐ!と思い着用。

でもしばらくの間着用しているとナベシャツを脱いだ時の嫌悪感が強まっていきました。
そしてナベシャツで潰せる限界があることに不満を抱くように、、
どうしても真っ平になることはなく『周りにはどう見えてるんだろう?』って気になったり不満しか生まれなくなっちゃいました。

そんな不満を持ったまま今度は自分の声が気になったり、腕が気になったり、身長が気になったり、、、
声に関してはきっと人よりも低くてしゃがれているからFTMの人からは羨ましいと言われることが多かったけど、自分の中ではやっぱり違和感で、不満でした。カラオケに行っても頑張って低い声で歌ったり高い声を出すのが凄い嫌な時期でした。
体つきが兄たちと差があるのも毎日のように思い知らされていたし、身長も一般女子よりも低くて嫌で嫌でしょうがなかった。
成長期は終わっていたし、もう伸びないのは薄々気付いていたけど悪あがきで毎日ビスコを食べてました!笑
ビスコで身長伸びると思っていた自分にもびっくり笑

そして月一の女の子の日もだんだん耐えられなくなっていって、人の前に姿を現すのも嫌なくらい。
幸い痛さとかは無かったので言わない限り誰にも気付かれないし、普通であればそれ専用のパンツを履くんだろうけどそれすらも嫌だったので当時の僕の必殺技はボクサーパンツにナプキンをかまして、ボクサーパンツの上からトランクスを履く!
そうすることで何故か安心感がありました笑

そして時間が経つにつれて次はホルモン注射の存在が自分の中で大きくなっていきます。母親にはしっかりカミングアウトしていた訳じゃないけどナベシャツを隠したりすることもなかったので注射の話もなんとなくで話をしてました。

ただ親心からなのか、『自分で責任が持てる20歳になるまでは辞めなさい』と言われました。
それから注射のことについて調べることはしましたが、実際に打つことはありませんでした。

この話をした後自分でやれることはやらなきゃ!と思って変な思考になりお風呂の時に湯船の中で大声を出してノドを潰してみたり少しでもノドに負担をかけるんだ!と思って煙草を吸ったりすることも。
体格に関しては身長はもう伸びないから筋肉をつけなきゃ!と思ってボクシングジムに通うようになったり筋トレをしたり。

鏡に映る自分を見てしまうと機嫌が悪くなってしまうから風呂場の鏡は視界に入れないようにして洗うだけ洗ったらすぐ出る!だから僕のお風呂の時間は平均5分くらい!湯船で叫んでその後体を洗うのがルーティーン笑

ところが高校3年の秋くらいからどうしても体に対する違和感が耐えられなくなり、当時のパートナー以外には誰にも言わずホルモン治療を始めました。
勿論リスクも頭に入れてましたがそのリスクを背負ってでもやる必要があると判断して治療を開始。

ここで一旦まとめます。
治療したいと思ってからできる範囲の事をやっていくうちにどんどんと違う欲求が生まれるんです。
まるで新しくやることが安定剤になるかのように。
でも時間が経つとそれすらも『普通に生まれていればやらなくて済むのに』と嫌悪感に襲われます。
ゴールがないんです。
今だからマイナスに捉えることは無くなりましたが当時の僕は治療をしなくても、治療を始めても心が暗くなることは止められなかった。
治療を始めたら絶対に自信がつく!とかやりたいことをやろう!とか前を向けたのに実際に始めてみても変わることはなかった。
治療を始める前に思っていたなりたい自分はそこにはいませんでした。

長くなるので一旦区切ります。
次は治療を始めてからの気持ちをまとめます!




未来は明るい

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