ズーズー弁の起源を解明② -約3000年前に沿海州から山陰にウラル系民族が渡来した-
人類学から「ズーズー弁」の起源を探る
前稿では、「ズーズー弁」の基となった「裏日本基層語」が[a],[i],[u],[e],[o](,[ɨ])の5母音または6母音体系で、[i]と[u]が対立する舌前後の母音調和を持ち、これはウラル語族のハンティ語やエルジャ語のようような母音調和の類型であることを示した。
本稿では、実際にウラル語族のエルジャ語、ハンティ語と同じ母音調和構造を持った言語の話者集団(以下、「裏日本ウラル人」と呼ぶ)について、いつ、どこから、日本海側に渡来したのかについて、人類学的に探りたい。
ウラル語族とは(Y染色体:N、遼河文明、櫛目文土器)
ウラル語族は現在はシベリア西部からヨーロッパ北東部にかけて分布する言語であり、大きくサモエード語派とフィン・ウゴル語派に分かれる。ユカギール語を含む場合もある。有名な言語としては、フィンランド語やハンガリー語がある。
ウラル語族話者に高頻度に見られる遺伝子指標として、Y染色体ハプログループNが挙げられる。このタイプは、北ユーラシアに広範に分布し、ウラル系民族のネネツ人の97%(Tambets 2004)、ガナサン人の92% (Tambets 2004)、フィン人の63%(Rooser et al. 2000)に見られるなど、ウラル系民族を特徴付ける遺伝子指標である。このY染色体ハプログループNが、古代遼河文明の遺骨から高濃度で発見されている (Yinqiu et al.2013、Ye et al.2017)。
また、朝鮮半島~シベリア~バルト海沿岸に分布する「櫛目文土器」は、ウラル語族やY染色体ハプログループNと関連が窺え(Mazurkevich et al. 2014、Taagepera et al. 2018)、最古の櫛目文土器はおそらく遼河文明の興隆窪文化から発見されているものである(王 2004)ことを鑑みれば、ウラル語族の故地が遼河地域であった蓋然性は非常に高いと言えるだろう(図2)。
「ズーズー弁」を話す人々のルーツは、この遼河文明に遡れそうである。では、あらためて、「裏日本ウラル人」がどのように渡来してきたのか、日本人の人類学的特徴などから探ってみる。
縄文人と弥生人
まず初めに、日本人の形成において最も知名度が高い概念である縄文人と弥生人について説明する。
日本列島には古モンゴロイド(彫りが深い、毛深い等の特徴を持つ)の縄文人が住んでいたが、弥生時代に大陸から新モンゴロイド(顔が平らで体毛が薄い等の特徴を持つ)の弥生人が渡来し、両者が混じり合って日本人が形成されたというのが定説となっている。アイヌや沖縄では縄文人の色が濃く残っているとされる。古モンゴロイドの縄文人(アイヌや沖縄に高濃度に残存)が新モンゴロイドの弥生人(東アジア大陸部集団と同質)と混血して日本人が成立したことは、遺伝子の分析からも明らかになっている(斉藤2017など)。
また、近年では、日本人は、①縄文人、②(狭義の)弥生人、③古墳人の3構造から成るとする説も出てきた(Cooke et al. 2021)。
縄文人の遺伝的特徴が色濃く残る集団の指標として、成人 T 細胞白血病(ATL)を引き起こすATLのレトロウイルス(HTLV-1)がある。日本国内では九州、沖縄、高知、三陸など、そして主に僻地や離島に高頻度で、アイヌでも高い(図3)。日本以外の東ユーラシアではこのウイルスは見られないことから、このウイルスのキャリア好発地域は、古モンゴロイドに属す縄文系の人々が高密度で残存していることを示しているとされ、列島両端や僻地には縄文系のキャリア集団が色濃く残ったものと考えられている(日沼1998)。
このウイルスは隠岐を除き、日本海側ではさほど見られない。(HTLV-1の頻度が高い隠岐では、逆に裏日本的発音特徴が殆ど見られない。)よって、「裏日本ウラル語」(ズーズー弁)をもたらした集団は、いわゆる「縄文人」ではない、すなわち弥生人の一系統である、ということが、大前提として言えるだろう。(拙稿(2024)「【備忘録】縄文語の発音 ーN型アクセントと昇り核アクセントー」も参照。)
国内の3極構造
都道府県レベルでの日本人の遺伝的集団構造(Watanabe et al. 2021)では、明瞭な3極構造が見られ、①沖縄、②東北、③近畿・四国を極としており、これは異なる集団に由来するものとされる(図4(左)に散布図を掲載した)。
この散布図は、拙稿 Pacificos(2023)「日本語方言の発音から見る4つの基層/上層言語 ーA)縄文語、B)裏日本ウラル語、D)日琉祖語、C)近畿シナ系言語ー」における方言の発音散布図(A:沖縄、B:東北・出雲、C:近畿・瀬戸内を3極とする)(図4(右))ともほぼ同様の構造である。遺伝子と方言の発音から同じ結果が出たと言うことは非常に示唆的である。
また、2024年の別の遺伝子の研究でも、日本人の祖先が、縄文系祖先、関西系祖先、東北系祖先の3つの源流を起源とすることが示されている(Liu et al. 2024)。
これら遺伝子と方言の研究から、日本人の人類学的な構造(源流)は、縄文系、近畿関西系、東北・出雲系の3極構造であることが明らかになったと言えるだろう。
このうち、裏日本ウラル系集団(ズーズー弁の祖)は、東北・出雲を極とする集団と推論される。
HLAハプロタイプ
日本人を構成する集団の流れを示すものに、HLAハプロタイプがある。徳永(1995,1996,2003,2008)によると、日本人のHLAハプロタイプには、割合の高い順に以下の4種の流れが認められる(図5)。さらにこれとは別に縄文系と想定される別の複数のハプロタイプが南九州や北東北に存在する。またアイヌは日本人と異なる型が多い。
① HLA: B52-DR2
国外分布:華北、モンゴル、朝鮮
国内分布:北九州~本州中央部に高頻度
推定ルート:華北・モンゴル→北九州→近畿
② HLA: B44-DR13、HLA:B7-DR1
国外分布:満州族、朝鮮
国内分布:日本海側に分布の中心
推定ルート:満州・朝鮮→日本海側
③ HLA: B54-DR4
国外分布:中国南部
国内分布:沖縄、南九州、南四国、東海で高頻度(沖縄では最多の型)
推定ルート:中国南部→沖縄→太平洋側
④ HLA:B46-DR8
国外分布:朝鮮、満州族
国内分布:北九州~本州中央部で高頻度
※姉妹型であるHLA:B46-DR9が東南アジアで最多。
推定ルート:中国南部→日本、朝鮮、満州
このうち、日本海側にやってきたウラル系民族については、分布の中心が日本海側にある②が考えられそうである。渡来経路としては、朝鮮北部・満州方面からである。
民族学から
岡正雄の説
民族学者の岡正雄は、先史時代の日本列島には主に以下の5つの種族文化が渡来したとしている(岡 1994)。
(1)母系的、秘密結社的、芋栽培=狩猟民文化
縄文中期はじめ頃、中国南部から日本に流入。メラネシア原住民の文化と一致。タロ芋の一種であるサトイモを祭事の折の食物にする。
(2)母系的、陸稲栽培=狩猟民文化
縄文末期に日本に中国南部から流入。狩猟生活とともに山地丘陵の斜面の焼畑において陸稲を栽培。
※ただし、岡正雄は(1)と(2)の区別ははっきりしないと述べている。
(3)父系的、「ハラ」氏族的、畑作=狩猟民文化
弥生初期に満州、朝鮮北東部方面からツングース系統のある種族によって日本に流入。粟、黍を焼畑で栽培しながらも狩猟も行った。アルタイ語系の言語を最初に日本に持ち込んだ。(櫛目文土器、穀物の穂摘み用半月系石器)。日本語のウカラ、ヤカラ、ハラカラなど同属集団を意味する言葉ハラ=カラはツングース諸語において外婚的父系同属集団を呼んだ語ハラ (Hala) に系統を引く。
(4)男性的、年齢階梯制的、水稲栽培=漁撈民文化
紀元前4世紀から5世紀頃、揚子江の夏口地方よりも南の沿岸地域から呉、越両国滅亡に伴う民族移動の余波として日本に渡来したもの。弥生文化における南方的と言われる諸要素を日本列島にもたらした。(水稲耕作、進んだ漁撈技術、板張り船)。年齢階梯制。
(5)父権的、「ウジ」氏族的=支配者文化
支配者王侯文化・国家的支配体制を持ち込んだ天皇氏族を中心とする部族の文化。3)の文化と同系同質の種族が、西から来たアルタイ系騎馬遊牧民によって征服され国家に組織されることによって、満州南部において成立したが1世紀前から南下し始め朝鮮半島南部に暫く留まり3-4世紀頃に日本列島に渡来。大家族、「ウジ」族、種族のタテの三段に構成される種族構造。天神崇拝、父系的祖先崇拝、職業的シャーマニズム。ユーラシア・ステップ地域の騎馬遊牧民の文化と本質的に一致。
日本海側にやってきたウラル系民族としては、「櫛目文土器」(ウラル語族と関連)をもたらした(3)が考えられそうである。経路としては、朝鮮北部・満州方面である。
※岡雅雄は、(3)をツングース系としているが、ウラル系が正しいであろう。
鳥居龍蔵の説
もう一つ、人類学者の鳥居龍蔵の説を挙げておく。鳥居龍蔵は、日本人は、アイヌ、固有日本人(朝鮮半島から、あるいは沿海州から来た北方系民族、国津神)、インドシナ族(苗族)、インドネシア族(隼人)を主な構成要素として形成されたとしている(鳥居 1975)。
この説のうち、「ズーズー弁」をもたらしたウラル系民族は、「固有日本人」に相当するものと考えられる。
「ズーズー弁」の故地は沿海州のシニ・ガイ文化
突帯文土器のルーツ
以上の複数の人類学的指標から、「ズーズー弁」の祖になったウラル語族話者(裏日本ウラル人)は、朝鮮北部・満州・沿海州方面から渡来してそうだということが示唆された。土器としては櫛目文土器をもたらしたと考えられるが、櫛目文土器は国外における分布が広い。よりピンポイントに、彼らの渡来ルートを特定可能な考古学的指標はあるだろうか。
結論から言えば、「突帯文土器」である。
突帯文土器は、縄文時代晩期終末から弥生時代初期にかけての西日本で見られる土器であるが、最古のものは、出雲や瀬戸内から約3000~2900年前に見つかっている(藤尾 2000、藤尾 2014)。すなわち、中国地方が突帯文土器の拡散中心だったことが示唆される。
国外に目を向けると、朝鮮にも突帯文土器が見つかるが、より古く、沿海州南西部の青銅器時代のシニ・ガイ文化で、突帯文土器が出現している(福田 2003)。すなわち、突帯文土器は、沿海州南西部から、朝鮮半島東部をかすめ、中国地方の日本海側に渡来してきた、という経路が想定できる。これは、上述の遺伝子や民族学などの渡来経路と一致するものである。そして、中国地方でも最も大陸に近い山陰に、国内の突帯文土器の拡散中心があったことも想像に難くないであろう。
シニ・ガイ文化と突帯文土器
突帯文土器の発祥であるシニ・ガイ文化は、沿海州の青銅器時代にあたる。さらに1時代遡ると、新石器時代だが、沿海州では、櫛目文土器がみられる(福田 2003)。これはアムール川流域なども共通する。
この櫛目文土器はウラル系民族が担い手と考えられることは前述した。すなわち、シニ・ガイ文化の基層集団は、ウラル語族の言語を話し、古くは遼河地域から拡散してきた、Y染色体ハプログループNの東北アジア系集団と想定される。
櫛目文土器を作成していた沿海州の集団は、青銅器時代になると、土器の無文化の傾向とともに、突帯文土器を作成するようになる(福田 2003)。土器の無文化をもたらしたのは、中国江南由来のY染色体ハプログループO1b2の集団と考えられる(崎谷 2009)。
すなわち、シニ・ガイ文化人(=裏日本ウラル人)は、ウラル系と江南系の混合と考えられるが、言語(少なくも発音体系)は元のウラル語族を保ったものと思われ、発音的にはウラル語族に特有の「舌前後の母音調和」を有していたと考えられる。
シニ・ガイ文化人(=裏日本ウラル人)の遺伝子
ウラル系民族を特徴付け、北東アジアに広く分布するY染色体ハプログループNであるが、日本人(日本海側も含む)における頻度は総じて低い(Sato et al. 2014)。しかし土井ヶ浜遺跡(弥生時代前期~中期)の弥生人は北東アジア人の形質を示すなど、中国地方日本海側に東北アジア系の集団が渡来した痕跡があることからも、裏日本ウラル人は東北アジア系の形質を持っていたものと推論される。
ここにはどのような理由があるのか。考えられるのは、父系遺伝子のみ別の系統(Y染色体ハプログループO1b2)に置換した集団が日本に渡来してきたという、以下のシナリオである。
沿海州南西部は古くは遼河文明圏であり、新石器時代までは遼河文明人・東北アジア人由来のY染色体N(=櫛目文土器の担い手)が高頻度であったと考えられるが、青銅器時代になり江南より無文土器を携えたY染色体O1b2がやってくると、ボトルネック効果なども相まって、父系(Y染色体)がNからO1b2に置き換わった。
一方の母系(mtDNA)及びほとんどの常染色体DNAは遼河文明人・東北アジア人起源のまま保たれた。
「江南起源のY染色体O1b2(南方系)&遼河文明人・東北アジア人起源のmtDNA・常染色体DNA(北方系)」がセットととなった、ウラル語族の言語を話す集団(裏日本ウラル人)が、突帯文土器と櫛目文土器を携えて、沿海州南西部から西日本の日本海側(山陰)に最初期の弥生人として渡来した。
このように考えれば、現在の日本でY染色体Nが低頻度な理由、山口県の土井ヶ浜遺跡などの弥生人が北方系の形態を持つ理由の説明が付くだろう。
日本語の受容と分布拡大
突帯文土器と櫛目文土器を携えて最初期弥生人として約3000年前に山陰に渡来した裏日本ウラル人は、九州北部や瀬戸内にも分布を拡大していったものと思われる。突帯文土器は西日本に広範囲に分布を拡大した。
やがて、裏日本ウラル人は、2500年前頃に九州北部に渡来した日琉祖語を受け入れることになる(注)。元来の舌前後の母音調和を持つ裏日本ウラル語が基層となって、「ズーズー弁」が誕生することになる。(詳細は Pacificos (2022)、及び Pacificos (2023) を参照。)
そして、日本語を受容した裏日本ウラル人は、山陰→北陸→東北日本海側→東北太平洋側と分布を拡大し、稲作と「ズーズー弁」を日本海側から東日本に広めていくことになったと思料するが、これについては、別稿で詳細に述べたい。
まとめ
本稿では、「ズーズー弁」の基層である「裏日本ウラル語」の話者が、もともと沿海州南西部青銅器時代のシニ・ガイ文化人であり、約3000年前頃に、突帯文土器と櫛目文土器を携えて、沿海州南西部から朝鮮半島東部をかすめて山陰に渡来したと考えられることを示した。本稿の総論を踏まえ、「ズーズー弁」話者が日本列島においてどのように分布を拡大していったかの詳細については、次稿以降で考察していきたい。
注
・日琉祖語は、遼東半島・山東半島付近から朝鮮半島を経由して、2,700-2,300年前頃に九州北部に入ったとされている(Whitman, J. 2011, Unger 2013, Vovin 2017, Robbeets 2017, Boer et al.2020)。)
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参照拙稿
Pacificos(2022)「ズーズー弁の起源を解明① ーウラル語族に属す基層言語の母音調和に由来ー」
Pacificos(2023)「日本語方言の発音から見る4つの基層/上層言語 ーA)縄文語、B)裏日本ウラル語、D)日琉祖語、C)近畿シナ系言語ー」
Pacificos(2024)「【備忘録】縄文語の発音 ーN型アクセントと昇り核アクセントー」