Yaphet Kotto - We Bury Our Dead Alive
Blue. September. Blue. Distro (2017) 掲載
賛否両論わかれたYaphet Kottoの3枚目にしてラスト・アルバム。
前作、前々作が名盤であることは多くの人が認めるところだと思うんですが、今作は人によって大分評価分かれますよね。
なんせ今まで最大の魅力だった「青さ」や「エモーショナルさ」がほぼ消えてしまってるんす。
代わりにポスト・ロック的な静寂パートや壮大なミドルテンポの展開が増えてるんだけど、「Yaphet Kottoに求めてるのはそれじゃないよ!」ってのが大半の意見だったかと思います。
当時交流の多かったenvyやCity of Caterpillarの諸作に影響受けたのかなと何となく予想したりしますが、個人的にその辺の影響下のポスト・ロック+激情という風潮が苦手だったので、僕自身今作にはハマれなかった組です。。
・・・。
はい、ただ決して悪い作品ではありません!ここから良い点書いてきます。
まずそのMagの高音ボーカルの「歌」が唯一大々的に聴ける”The Constant Ringing”、これは文句なしにかっこいい!前作を思わせる曲なんですが、一瞬だけ非常に今作的なポスト・ロック的なパートをポロロン、と入れて、「お?」と思わせた瞬間またエモ・パートへ全力で再突入!本当に一瞬だけどこの「一瞬」の入れ方がかっこ良すぎ。これは前作と今作の良いところだけ詰まった、今作でしか聴けないタイプのYaphet Kottoの名曲だと思います。
そして”Chime The Day“という曲、これはズバリ断言しますが間違いなく「Finger Printみたい曲」を目指して作ったでしょうね。ていうのも彼らはJasemineのカバーとかもしてるし、間違いなくフレンチ・エモ大好きなはず。このクラストともユースとも違う2ビートの疾走感、そして中盤でエモーショナルに落としてラストでまた2ビートで疾走する感じ、すごくStonehenge的だしやりたくなるのすごい分かります。
あと散々言ってますが、ポスト・ロック的な楽曲でも要所要素で良いなって思うパートは沢山あります。例えばタイトル曲”We Bury Our Dead Alive“のイントロとかめちゃめちゃ好きですし、実質ラストの”Chime the Night“の終盤の沈み込むようなメランコリックさ(少し”First Meetings Agreement”の終盤を連想させます)も素晴らしい。
というわけで駄作ではないし聴く価値がないとも全く思わないけど、Yaphet Kottoの音源として聴くのは一番最後で良いかなという感じの音源です。
これ以外の音源が全部良すぎるってのもあるかな。
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