【設立からの10年間の歩み】「子どもの貧困に、本質的解決を。」Learning for All 代表にインタビュー<全3回>
こんにちは!Learning for All 広報です。
LFAは、2024年7月で設立10周年を迎えました。これまでともに歩んだ人、支えてくれた人、学んでくれた人、様々な人たちのおかげで迎えられたこの節目。この10周年を記念して、これから様々な読み物をお届けしていきます。
前回のインタビューでは、代表の李から創業時や代表就任までのエピソードを伺いましたが、今回は設立からの10年間の歩みとLearning for All の現在地についてお聞かせいただきます。
ー設立してから10年が経ちましたが、代表として振り返ってみて、いかがですか。
予想通りに進んだ部分もあれば、予想を超えた部分もありました。しかし、事業の規模が拡大する中で、支えてくれる人々が年々増えていることは本当にありがたく、嬉しく感じています。
現在、ボランティア参加者数は累計3,000人以上、寄付などの支援をしてくださるサポーター数は4,500人以上で、2023年度は合計19,782人の子どもたちにLearning for All の活動を届けることができました。数そのものを重要視しているわけではありませんが、恩師から「大変だろうけど、李さんの後ろには多くの人がついてきていて、組織が大きくなり、たくさんの子どもを支援できている。それは、間違ってないことをしているからこそ。だから自信を持っていい」と言われたことがあります。この言葉は、私にとって非常に大切で励みになっていて、「私たちの取り組みが正しいからこそ、多くの人が集まってくる」という考え方は私が大切にしているもので、その結果に素直に喜びを感じています。
私たちが大事にしているのは、目の前の子どもたちをサポートをすること、子どもたちと共にあるということ、といった現場目線のものが中心ではあります。そして、それを陰から支えてくれる人が、こんなにもたくさんいるということに価値を感じ、心から感謝しています。
ーそれは、素敵なお話ですね。想定通りだった部分とそうでなかった部分について、具体的にはどのような点でしょうか?
事業の規模感は、設立当初に思い描いた形で進められていると感じています。しかし、ボランティアの方々や寄付をしてくれる方々が、これほど多く関わってくれるとは思っていませんでしたし、その想いや熱量も想像以上でした。
みなさんの「想いのバトン」を託すことができるこの事業形態はとても良いと感じています。もちろん私たちは託される側なので、バトンが増えるほど責任も増しますが、それが大きな励みとなっています。
ーこの10年で特に大変だったこともありましたか。
正直にいえば、ずっと大変でした(笑)。特に最初は学生ボランティアから代表になったため、わからないことだらけでした。
現場を大事にするという姿勢は、当時もいまも変わりませんが、そもそも社会の仕組み自体を変えないと、本質的には子どもたちの状況は変わらず、根本的解決をするためには、もっと社会全体に働きかける必要があるのに、目の前の子どもたちの支援に追われる毎日でジレンマを感じていました。
ー目標が定まらない中で、手探りで進んでいた感じでしょうか。
具体的な解決策は見えない中でも、組織として動き出したことで見えてきたものもありました。社会を動かすための事業づくりは、3〜4年では難しいと思っていたので、10年かけて大きな組織にする必要があると感じ、全力で取り組んできました。
例えば、設立翌年には、日本財団の「子どもの貧困対策プロジェクト」の第1号拠点として居場所づくり事業を開始し、2018年にはゴールドマン・サックスの寄付をいただき、事業を拡大をしました。2021年には、「地域協働型子ども包括支援基金」を立ち上げ、中間支援の仕組みも整備。これは大きな動きだったと感じています。
2021年までの取り組みについては、課題は常にありますが、後悔はありません。その時々で、適切な時期に適切な課題をクリアし、対処できたことが良い結果につながったと信じています。
ー2021年は特別な出来事があったのでしょうか。
そうですね。事業規模の拡大はできていたのですが、やればやるほど社会課題の大きさや深さが見えてきて、サステナブルなやり方が必要だと感じました。100m走をずっと走り続けてきたけども、実際は42.195kmの道のりに気づいた、みたいな感覚です。すぐにペースを変えることは難しいので、時間をかけてペース調整しているのがここ数年という状況です。
ーなるほど。Learning for All の設立からの10年間の歩みと現在地についてお聞かせいただきありがとうございました!それでは次回、「Learning for All のこれからの10年」について今後の展望や想いといった未来のお話をお聞きしたいと思います。