NieRシリーズと世界史
赤目の皆さん、こんにちは!
NieR考察ガチ勢のれいらです。
今回は、NieRシリーズ上の歴史と世界史中の史実との関連性を紹介します。
Automataと第二次世界大戦
「NieR:Automata」やその前日譚の「音楽劇ヨルハ」・「少年ヨルハ」では、第二次世界大戦を元にしたできごとが多く登場します。
例えば、「音楽劇ヨルハ」の真珠湾降下作戦は11941年12月8日のできごとですが、
ちょうど1万年前の同日(1941年12月8日)は、
そう、真珠湾攻撃──太平洋戦争が始まった、まさにその日です。
また、NieR:AutomataのC・Dエンドは11945年8月6日午前8時15分。
そして、ちょうど1万年前の1945年8月6日8時15分は──
広島に原爆が投下された日時です。
その他、第二次世界大戦中の史実を元にしたと考えられるAutomataの歴史上のできごとを以下の表にまとめました。
DODシリーズと世界史
実はNieRシリーズの前日譚ドラッグオンドラグーン(DOD)シリーズにも、過去のNieR作品と同様に世界年表があります。
DOD世界年表は、DOD10周年記念BOX内のワールドインサイドに載っていて、
私には手が届かない値段だったのですが、あるフォロワーさんのご協力により見ることができました。
この年表にも、DODシリーズの鍵となる史実を示唆した内容が数多くあります。
DOD1・DOD2と十字軍
DODシリーズの初作、DOD1の時代設定は1099年。
これは史実において、第1回十字軍がエルサレムを占領したのと同じ年です。
この第1回十字軍が開始したのは1096年ですが、DOD年表上の1096年には、
「天使の教会」襲撃事件という、重大なできごとが起きています。
また、DODシリーズ2作目のDOD2の「始まり」のできごとにも、十字軍に関係する史実との関連性がみられます。
まず、主人公のノウェとレグナが封印騎士団に加入したのは、1107年のこと。
これは史実だと、ノルウェー十字軍が開始した年です。
(そういえば、ノウェの名前もノルウェーっぽいですよね…)
そして、2人が加入した封印騎士団が結成した1101年は、史実において1101年の十字軍が行軍した年です。
このように、DODの歴史には史実の十字軍の歴史と深い関係性があることが分かります。
十字軍は、キリスト教諸国が聖地エルサレムをイスラム教諸国から奪還するために派遣された軍を指します。
しかしその実態は、虐殺・略奪・内輪もめ、その他数々の目的逸脱行為のオンパレードで、キリスト教の長である教皇にも非難される体たらく。
これもどこか、DOD中の天使の教会や封印騎士団の実態を思わせます。
DOD外伝の歴史と日本史
DOD2本編は1117年の話ですが、DOD2が終わっても世界年表には続きがあります。
その続きの中には、どこかで聞いたことがあるような記述も…
これはまさに、日本史で習った元寇そのままの記述ですね。
もちろん、2回目の元寇の記述もちゃんとありますが…
こちらには、「魔術」というパワーワードが入っています!
でも「魔術」の件を除くと、年号も別名も、やはり史実の2回目の元寇の記述とほとんど同じなんです。
他にも、こんな記述が。
史実で種子島に伝来したのは、「鉄砲と"火薬" 技術を合わせた"火縄銃"」ですね。
史実において弘安の役の「魔術」の部分に入るのも「てつはう」(※火薬・金属等を詰めた手榴弾に近い兵器)ですが、火薬とNieR世界の魔術には何か関係があるんですかね…?
さらに…
これ、大ニュースですよ!?
だって、「"赤い目をした剣豪"の噂は途絶えた」って、
リィンカネのアケハさんも五稜郭で──箱館戦争で亡くなることを意味している可能性がありますから…
このように、DOD2終了後のDOD世界年表は、「赤い目」「魔導兵器」などの単語を除くと、かなり史実に近い記述となっています。
それは、日本の歴史以外も然りのようです。
DOD外伝の歴史と世界史
例えば「東方見聞録」の著者として有名な冒険家、マルコ・ポーロの記録は以下の通りです。
このように「赤目の病」の存在を除けば、旅を始めた年やその目的地、そして父・叔父を伴って旅に出たことも全て史実に即しています。
また、DOD年表上のヨーロッパで「赤目の病」が大流行した1347年も、
史実のヨーロッパで、ペストの第二のパンデミックが起きた時期と一致しています。
そして、DOD年表の赤目の病は「赤死病」と呼ばれていますが、当時のペストは別名「黒死病」。
ただならぬ関係性を感じますね…
さらに、DOD年表も終わりに近い1914年のできごとは、
これも、犯人の情報「赤い目をした男」以外は年号、事件の起きた都市やその結果、オーストリアとハンガリーが同君連合だったことまで、史実と一致しています。
フィクションと侮るなかれ
このようにDOD・NieRシリーズの歴史は、「赤目の病」や「魔法」に関する物事以外は、かなり史実に近いといえます。
ところで、英単語history(歴史)の語源のラテン語historiaには「物語」という意味もあります。
これは、歴史は世界の物語であることが現れている言葉です。
そして、NieRやその前の時代の世界について書かれたDOD・NieR年表は、実質NieRシリーズのシナリオの一部であることも表しているように思われます。
また、DOD・NieRの歴史がかなり史実に近いということは、NieR本編も現実世界にかなり近いということ。
NieRは、ただのフィクションではないのです。
それは、際限なく現実世界に近いファンタジーを通じて私たちに語られる "預言" なのです。