何度目の正直?
オンライン英会話を始めて、もうすぐ1年になる。
「ジョージ・マイケルは天才だよね」
「そうだよね!」
今日のレッスンも楽しかった。
「このテーマを選んでくれてありがとう」と笑顔で手を振ってくれた先生。
「英語ができます」と今なら言える。
思えば、長いトンネルだった。
短大の英語学科に進学したものの「ホームステイしていました」というクラスメイトの多いこと。
洋楽にハマり、聞き込んでいたおかげだろうか。リスニングには困らず、外国人先生の授業も理解できた。
問題は会話だった。言いたいことがほとんど出てこない。海外経験組の発音と流暢さに、コンプレックスを抱くようになった。
決して裕福ではないのに、進学させてくれた親に申し訳ない。勉強した証を残そうと、なんとか英検準一級に合格した。
卒業後、英語は封印することになる。話せないのに「英語ができます」と言いたくない。
それから22年後、ラジオから流れてくる流暢な英語に引き込まれた。
「ワンポイントイングリッシュ」。α-Station(FM京都)の朝の番組「α-Morning Kyoto」のコーナーだった。柔らかな語り口と、バリトンボイス。佐藤弘樹さんという方だ。
「この人に英語を習いたい!」それからの行動は早かった。講座を探し、速攻で申し込んだ。ブランクなんて、まったく気にならない。何よりも、佐藤さんにお会いしたかった。
日本と外国の文化の違い、欧米人との接し方など、興味深い話ばかりだった。外国の先生と接することになった今、この知識は役に立っている。
2019年6月3日。まさかの出来事で、英語の勉強が止まることになる。
佐藤さんが亡くなられたのだ。
どこで勉強を再開するか、迷い続けた。もう、チャンスはないかもしれない。
4年後の2023年に「オンライン英会話」を知った。お試しでレッスンを受けてみると、なんとかついていけそうだ。
「やってみれば?」
夫の一言が背中を押してくれた。
もう一つ。
今日は4月17日。佐藤さんの誕生日だ。
きっと良いスタートになる。
講座でよく聞いた言葉がある。
「3か月後に海外赴任するわけではないでしょう。ゆっくりやりましょう」
チャンスは、何度でもやってくる。
Special thanks to Mr. Hiroki Sato.
May he rest in peace.