高専からの3年次編入するべき人とそうでない人

諸言

こんにちは。私は一つ前の投稿にて「高専生に3年次編入を勧めない理由」というのを、私が体験した編入生の待遇と交友関係の面から書きました。他にも様々理由がありますが、長尺になる為、主要な理由だけ記載してあります。それでも結構長くて読む気にならない、、、というそこのあなた!これを読んでください。
編入すべき(メリットが多い)人と、そうでない(デメリットの方が多い)人の代表的な特徴をまとめました。
説明書きを含めるとこれもまぁまぁ長いので説明書きは飛ばしていいです。目次を見るだけでも、目次見て気になったところを読むだけでも全く構いません。
来夏、高専から大学への3年次編入を考えている方々、これを読んで、自分は後者に該当しそうだと感じたらぜひ踏み止まってください。せっかくの高専ブランドを名の知れない地方大学の名でボヤけさせる必要はありません。高専は就職にめっぽう強いです。まだ年内。今から本気で就活準備を始めれば来春の就職活動にまだ間に合う可能性が十分にあります。
※ちなみに先に注意書きですが、この「編入すべき」つまり「その人にとって編入の価値がある」「メリットが多い」と言う表現は「編入する理由があり、能力をさらに飛躍させるため大学に進学すると言う選択が好ましい」というのと同時に「受験して合格する可能性が十分にある」と言う点も含めて総称しているものとして使用しています。受けて受かるなら価値ありますし、どうせ受けても落ちる確率の方が高いなら相当な意欲がない限りは受けないで就職した方が良いと思いますので。

能力基準と人格基準の2種類に分けて記載します。


3年次編入すべき人

⚪︎能力面

①基礎学力が十分に身についている

微積、代数、応用数学、各種専門における主要な物理学分野、各種専門の主要科目の基礎学力です。これが無ければそもそも合格しないですし、合格出来ても入ってから苦労します。
編入生は数学科目はほぼ全て単位認定、つまり免除される傾向強いですが、これは出来る前提だからなので、出来なきゃそれ以外の科目で苦労します。
私は機械屋なので、物理で言えば力学全般、専門で言えば4力+制御ですかね。将来目指す業界や研究室によっては材料や設計も入ってくるでしょう。

②英語能力試験のスコアが高い

TOEICやTOEFLです。編入なら大抵TOEICですね。編入試験合格に必須な項目です。
私の所感ですが、
最低600あればまぁ戦えます。筆記と面接次第で十分に可能性はあるでしょう。
700あれば十分に戦えます。
800越えたら多少武器になるかも知れませんね。
私は500前半でした。カスです。
無論要求される点数は志望する大学のレベルのよって前後します。難関大学であれば周りは皆700程度"は"取ってると考えて差し支えないかと(勿論例外もいます)。難関大学志望で500程度じゃ足切りの範疇になる可能性があると言うことを認識しておいてください。
あと、大学に入ってから役立つ可能性もあります。私はたった500ちょいですが、大学のTOEIC関連の英語科目が1つ免除されました。
というかそもそもその後に院進しようが就職しようがTOEICやTOEFLなんて高いに越したことはありません。私は編入してもうすぐ2年になりますが未だに500台です。本当にカスです。

③望む研究室があり、その分野への知見が既にある程度ある

これは必須ではありませんが、あれば武器です。高専時代の研究にリンクさせるのが鉄板。編入試験の面接においても高専時の卒業研究への言及は必ずあります。そこから志望動機に繋げるのが一番わかりやすいです。
ただ、編入試験は大抵夏前、つまり研究なんてたいして進んで無いことが多いですし、大学の教授もそれを知っています。なので現状何をやっているかと言うよりかは、高専での研究の道筋を示し、その延長に大学の研究室があると言うことを表現するのが良いと思います。私は高専時代、機械科なのに他学科の研究室を選んだので、面接ではやたら突っ込まれ非常に苦しかったです。

④その他特別な能力、実績がある

③にも被る部分がありますが、特定の何かで秀でたものがあり、それが志望する学科とマッチすれば十分価値があります。そもそも面接で「高専で頑張ったこと」で話せる内容がないとキツイので確実にあった方がいい。ロボコンやらプロコンやらビジコンやら、そういうやつです。
ちなみに少し脱線しますが、3年次編入試験の面接において「頑張ったこと」と言うのは「工学分野における」や「学外での活動において」と言う見えない枕詞がついていると思ってください。「文化祭で実行委員として運営に携わり、、、」なんて話したら私みたいに面接官に鼻で笑われます。「アルバイト頑張りました」も論外ですね。全く要求されていません。アルバイト関連の話で強みに持って行けるのは「プログラミングを子どもに教える」的なやつとか、そう言うやつだけです。話すことなくで困ったら最悪、卒研頑張ってます的なこと言うしかないですかね。高専時の成績がすこぶる良ければそれを話しても良いですが、それならそもそも推薦で受けてる方が多数かと。

以上が能力面。簡潔に言えば優秀なら編入する価値が十分にあるし、優秀じゃ無いならキツイよってだけです。

⚪︎人格面

①勤勉さ

これはまず間違いない。編入生は単位認定の兼ね合いから一年生から大学に入学した学生と比べて必要単位数が多く、講義の数が多いです(詳細は一つ前の投稿に記載があります)。その為必然的に課題やテストの数が増えます。定期的にコツコツ勉強できる方でないと苦労します。私は定期テストと言うものを何年も受けてきているのに未だに前日無いしは当日から勉強を始めるタイプです。普通に毎週の課題を出し忘れて単位落としたりもしました。学習能力がないようです。
あと、今まで友達とテスト勉強してきたり、友達に分からないところを聞いたり、休んだ時に友達に講義資料をもらったりして来た方々要注意です。まず、そんな友達そうそう出来ません。編入生同士ならあるかも知れないですが、母数が少ない以上、波長の合う合わないは相当ガチャ要素強いです。私は同年度に同じコースに編入した編入生の中で仲良くなったのは一人だけです。その為、一人でコツコツと勉強する勤勉さに加え、講義に休みなく出席し続ける勤勉さも重要なのです。休んだのが、講義資料を紙媒体でしか配布しない教授(嫌い)の講義であったり、課題や試験に関する何かしらの周知があった場合にあまりにも不利です。

②行動力

編入生にはいくつかの障壁があります。例えば、編入生は、1、2年生対象講義も認定されていなければ受講しなければならないのですが、それが3年生対象講義と講義時間が被っている可能性があります。編入生用の特設クラスを開設してくれるのか、はたまた夜間コースで受講できるのか、断念しなければならないのか、等々を教授にメールしまくらなければなりません。自らアクションを起こす必要があるシーンが他の学生より間違いなく多いです。あとこれは③にも繋がりますが、編入生以外の友達を作るのにも行動力が必要ですね。

③対人コミュニケーション能力

皆さんが高専時代どのように難解なテストを乗り越えてきたかは分かりませんが、私は圧倒的過去問信者でした。寮生だったので、寮で先輩と仲良くなり、もらった過去問を配ってました。しかし、編入生には過去問なんてそう簡単に周ってきません。編入生以外の友達を作らない限りは。これは一つ前の投稿でも話していますが、編入生は他の学生よりも友達を作りにくいのは確かです。しかし、多くの講義やテストを受ける必要がある編入生にはよっぽど優秀でない限り編入生以外の友達は必要不可欠でしょう。過去問だけではなく、「この教授テストバカ難しいから取らない方がいい」なんて有用な情報が聞けるかも知れません(正直選択科目なんて一般教養の数科目だけで他は当たり前のように全て必修なのでこれはそこまで重要ではないかも知れませんが)。対人コミュニケーション能力の高さが必要なことは自明でしょう。

④謙虚さ

①〜③は「そんなこと分かってるわ」「編入生でなくとも大切だろ」と言われそうなほど皆さんの認識の中で当たり前かも知れませんが、私は最後にこの謙虚さを挙げたいんです。重複するようで申し訳ないですが、講義を休まないことも謙虚さの一つでしょうし、不利な単位取得状況でもそれを嘆くのではなく、受け止めて愚直に戦うと言うのも謙虚さです。逆境に立ち向かう中で重要な素質です。無論、不利な状況や不当な対応に泣き寝入りしないように、多少の図々しさもこの世を生き抜く上で必要な能力の一つではあります。実際編入生のように不利な待遇であれば、どう上手く切り抜けることができるか、と様々な手段を試行するのは至極真っ当ですし必要です。しかし余りに図々しさが強く、謙虚さが足りなすぎるが故に「編入のここがダメ」なんて愚痴をnoteに書いてしまう人もいるんです。反面教師にしてください。

以上が人格面。

能力面人格面ともにこれらに多数該当する方々、あなた達は非常に優秀で将来この国の産業を背負って立つ人材です。ぜひ大学に編入し、自らの能力や知識を広げ、深めてください。そしてこの社会に「やっぱ高専を卒業している大学生は他の大学生より優秀だな」って思わせてください。

3年次編入すべきでない人

基本的に上記にほぼ該当しない人です。現実をしっかり見ましょう。

私が良い例なので私の自己紹介がてら編入すべきでない人の特徴を見ていきましょう。
・基礎学力が足りない
→どこの試験の筆記もマジであんまり解けなかった。準備不足。
・英語能力試験のスコアが低い
→TOEIC500くらいでした。
・やりたい研究がない
→しかも高専からの一貫性もない。
・頑張ってきたことがない
→面接で恥かきましたね。自業自得。
・勉強をする習慣がない
→高専のテストは一夜漬けと過去問で耐えてきました。
・友達頼りの勉強法
→高専の分からない課題は全部友達に見せてもらってました。
・勉強する環境を選ぶ
→家で一人だと勉強出来ないので高専の時は友達無理やり誘って勉強会開催してました。毎回のコーヒー代結構馬鹿にならない。
・行動より先に文句を垂れる
→文句垂れる暇あったら受け止めて早く行動を開始したほうが合理的って気付いてはいるんですけどね。

これらの特徴に該当するあなたは編入を目指すことをお勧めしません。そもそも編入試験受かる可能性低いですし、編入してからも大変です。絶対留年します。
ただ、現状これでもここから登っていく絶対的な、圧倒的な向上心がある方は目指しても良いかも知れません。ただその自分の向上心を見誤らないように。私も当時「よっしゃ!本気で勉強して、準備して、有名大学に編入するんだ!」と意気込んでいましたが結局対して努力しませんでした。向上心ではなくただの虚栄心しか持ち合わせていませんでした。そうなると「勉強量足らない。絶対志望校受からない。でももう編入で腹括っちゃたから今から就職しても大企業は行けない、後戻りできない。」と私と同じ道を辿る可能性が高いです。
愚者は経験から学び、賢者は歴史から学びます。私という高専からの3年次編入における一つの負の歴史を踏まえ、間違った選択をしないように、自分を見つめ直してください。これが再考する一個のきっかけになり、編入を後悔する元高専生が一人でも減ることを願っています。


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