SCP-557
「ハロー、ハロー?なんだか久しぶりな感じだよな、Agt.墨染だ。もうちょい簡略化してもいいよなって。手抜きじゃないぞ……まぁいいや、気を取り直してっと」
「今回解説するSCPはこいつだ!」
SCP-557の外観。収容前の調査中か。(画像報告書から)
SCP-557 “古代封じこめ施設”
Object Class:Euclid(収容は出来ているが油断はできない)
簡単な説明
オマーンのルブアルハリ砂漠に建つ砂岩製の施設。
何らかの生物を封じ込めるために存在したとされているが─
特別収容プロトコル
「オーケイ、まずは最初の仕事について説明しようか」
「疲れて舌が回らないから、メモ書きのやつで許してくれ」
その1【557の防衛】
・無許可での557の観測や接近を防ぐ。
→複数のオカルト集団が興味を示してるからそいつらへの対策を怠るな。
・許可してないやつが上のことしてたら捕まえる。
→拘留や事情聴取をしといてな。記憶処理も場合によってはしとけ。
・地下5階の下からトンネルを掘る、ルーム501の石塊になにかしようとするやつは直ぐに排除する。
→終了してでも止めろ本当にシャレにならん。
「なんかヤバそうだって?まあそうだよな。へい、続きだ」
「終了ってのは、まぁ……率直に言ってしまえばそいつを殺すことだな」
その2【翻訳作業】
557内の文書の翻訳を続ける。
→特に地下1階の文書や資料ね。ここの本質掴むためにも頼むぜ。
「ヒエログリフとかだろうな。ギリシャ語は昔の場合博識な人物が理解するものだとされていたのかもしれねーな」
「ほい、あと2つな」
その3【557-1の対処】
557-1のエリアを監視し、捕獲か排除する。
→こいつはKeterクラスで危険なやつだろうけど出来るだけ無力化せずに頼むよ。
その4【ルーム-501の監視】
ルーム-501を監視する。
→何か出てきたら機動部隊やら攻撃チームを送って対処しろ。
「……意訳やら私の解釈も入っているが、こんな感じだ。厳重、だろ?」
「その3については説明が上手くできない、私の理解力不足だ、すまない」
説明
「よし、説明いくぞ。ここもメモの補足でやるからな」
SCP-557の大体の内容
・オマーンのルブアルハリ砂漠にある砂岩製の地下施設
→ウンム・アン=ナール文化時代に建てられた墓だった?
・失踪した地質調査チームの捜索中に発見、Uber(ウバル)という廃都市に関連している?
「ちょいと補足な。ウンム・アン=ナール文化ってのはえーと、紀元前2600-2000年に存在した青銅器時代の文化だ。このSCiPが存在するオマーンの北側にもあったんだ」
「2つ目が、ウバルって都市。某デリバリーサービスと読み方違うから気をつけような。この砂漠でキャラバンとの交易で栄えていたとされるが……こう、強欲で不道徳な生活を改めなかったから、神罰が下ったとか」
「ルブアルハリ砂漠は“何も無いところ”という意味らしいな」
「さて……構造のお時間ですよっと」
1F
書庫(ここの資料は絶賛翻訳中)
→膨大な資料あり。エジプト語で書かれているが最後の資料だけギリシャ語、理由は後述。
居住区兼詰め所
→300年頃に完全放棄か。最盛期は1000人近くの人員がいた可能性があるが、2人分の人骨しか発見されなかった。
2Fと3F
「異端者と魔術師」の監獄
直近1000年くらいは使われていない。
→異端者はイスラム教に何らかの関連か。(他の宗教の信仰など)
4F
「異形の場所」
SCiPに似た人骨を発見、構造物の意図が判明。
5F
罠と落とし穴のオンパレードの廊下。
ルーム-501に指定された部屋の扉は作成年代と合わない何かしらでできている。
鎖やら石塊など、何か(SCP-557-1)を封印していたとされている。
「……疲れただろ、何か飲むか?……え、前回の件があるからイヤだ?」
「待ってくれ今回のはマジで安全だから、ほんとに」
「とりあえず5Fの説明するぜ。いくつかは原文から引用するぞ」
> SCP-557-1は「囚人」とのみ記されており〜。
「名前のない囚人から危険な予感しか感じ取れねぇよな」
「次の文章ひっぱるな」
> 例外的に、とあるエジプト語の記述では「Apepの私生児」と記されています。
「Apepはアペプって読むのかね……ちょっと待ってくれ、こいつ調べるの忘れた!ウソだろ……」
「そう言われると思って、調べておきましたよ。お嬢様」
「シーヴァー!ナイスだ!」
「読み方はアペプですね。エジプト神話はご存知で?」
「多少ならわかるぜ。まぁ解説してくれ」
「かしこまりました。エジプト神話の主神ラーは太陽を司る、もしくは太陽そのものとされてます。では、その反対になるものは?」
「月……とか?」
「近いですね。ラーの光属性という特性を考えると闇属性にあたります。ここまで大丈夫ですか?」
「オーケイ、続けてくれ」
「はい。アペプ、そう言われると、皆さんはあまりピンとこないでしょう。では、こう言われるとどうでしょうか?」
「アポピスと」
「聞いたことある、めちゃくちゃ大きいヘビだったはず……」
「そう。アペプ改めアポピスとここでは呼びますが、ラーと戦い続けるほどの怪物です」
「えっ、待って、報告書の文書もっかい持ってきて」
>
Apepの私生児
「アポピスの子供ってことだよな?だとしたら……」
「恐らく、アポピス以上の強さを持っていると考えられます。お嬢様、忘れているようですが“鎖”や“石塊の刻印”のことも合わせてみましょう」
「おお、忘れてたぜ」
「……待ってください、補遺の方を先に」
翻訳されたギリシャ語の文書
・この文書は早めに理解してもらうためにギリシャ語で記しておく。
・書いている私は最後のここの番人で、もう長く生きられないしそろそろ死ぬ。
・砂がここを隠してくれるのは好都合、だが誰かが囚人について知っておく必要がある。
・囚人は絶対逃がしてはいけないし、闇への入口を封じるのは同じくらい重要。
・扉を確保し、石塊は絶対に動かさないで。
・神々で“さえも”囚人を殺せなかった、あくまでも助けを借りて儀式で封印しているだけ。
「まずくないかい?」
「ええ、アポピスの私生児、恐らく父親をアポピスと仮定した場合、何らかの理由……アポピスそのものが“囚人”に葬られたなどで自分の子供と認められなかった可能性がありますね」
「それと、報告書に気になる記述がまだあります」
> 内側から穴が空けられているのが見つかりました。この場所に溜まった埃が拡散されましたが、この現象は約20年前にだけ起こりました。
「穴あいてる……溜まったホコリが拡散……あっ」
「それだけじゃないんです」
> SCP-557-1の継続的な存在の痕跡は見つかっていません。
「……えっと、これは」
「絶賛逃亡中ですね^^」
感想&フレーバーテキスト
本家の報告書は短いんですよね。私が解説時に、やや補足的な何かを入れたりシーヴァー出したりとめっちゃ長くなりました、ほんと申し訳ない。
どうでした?初期ナンバーは普通にホラーな作品が多くて私は好きですね。
意味がわかれば怖い話系でしょうか。
「空虚なる砂漠の牢獄、深い闇の中から開かれたのは冥界への扉か」
「古の神々との封印は、静かに解かれていた」
帰属表示
著者:Leicontis 翻訳:m0ch12uk1
報告書【EN】
報告書【JP】
フレーバーテキスト〈Levoy〉
ここまで読んで頂きありがとうございました。
もし良ければ他のSCiP解説もよろしくおねがいします。