ジャミングタワーの可能性
Introduction
2024年4月26日に発売された「変幻の仮面」に収録されたスタジアム「ジャミングタワー」
効果はいたってシンプルな「お互いのポケモン全員についている『ポケモンのどうぐ』の効果はすべてなくなる。」
Eレギュレーションで「ツールジャマー」という相手のバトルポケモンについているポケモンのどうぐを無効化するカードがあったが、それが効果範囲広がって戻ってきたって感じ。
このカード、発表当初は少し話題になり、強いし使われそうと言われながらも実際に発売してから2週間(執筆時点:5月11日)たった今でもあまり使われている印象はありませんでした。
2024年5月11日に開催された完全招待性の大会「KAMITOHITO INVITATIONAL 2024」でサーニーゴさんが使った悪リザードンデッキにジャミングタワーが入っているのを見かけました。
トッププレイヤーの方たちは日々ポケカの環境について考察しており、今ではその考察した内容が何かの大会で披露され、それがトレンドとなり一般プレイヤーに落とし込まれてシティリーグなどで活躍する、というのがよくある流れになってきています。
ルギアVSTARデッキにジャミングタワーが採用されているのはシティリーグ終盤の入賞構築で目にしていましたが、今回のこの悪リザードンexデッキへのジャミングタワーの採用についても、何か明確なメタ読みの上での採用だろうと思います。
この記事では、そんな「ジャミングタワー」が環境デッキにどのように影響を与えるのかを考えてみようと思います。
「ジャミングタワー」が採用されうるデッキ
リザードンex
デッキの自由枠が多く、様々なメタカードを採用しやすい悪リザードンexデッキ。
冒頭でも述べたサーニーゴさんも悪リザデッキに採用しています。
対策先として考えられるのは若干不利とされているドラパルトexデッキ。
元々、スタンダードE~Gレギュレーションの時代にデヴォリューションの対策として「ツールジャマー」が採用されることがありましたが、それと似ている部分があります。
ジャミングタワーに関してはバトル場だけでなくお互いの場すべてなので、ドラパルトexデッキに対しては以下の効力を発揮します。
【序盤】エヴォリューションによる展開の無効化
【序盤~終盤】森の封印石無効化により、相手の要求値上昇
【中盤~終盤】デヴォリューションによる盤面制圧の無効化
【中盤~終盤】学習装置による盤面維持の無効化
こうやって挙げてみると、ドラパルトに対してかなりの圧力をかけることができるように思えます。
また、CL札幌で優勝して以来シェア率を伸ばしているミライドンexデッキに対して、勇気のおまもりによる序盤の耐久を無効化でき、サイドレースを有利に進めるのにとても効果的です。
ルギアVSTAR
2022年10月に登場して以来ずっと環境に居続けているルギアVSTARデッキ。
直近のシティリーグではルギアデッキにジャミングタワーが採用されている構築もちらほら見かけました。
対策先は苦手とされているミライドンexでしょう。
勇気のおまもりのを無効化することでHPラインが「250~280」→「200~230」に下がるため、ルギアVSTARの技「ストームダイブ」の220ダメージやガチグマアカツキexの技「ブラッドムーン」の240ダメージが通りやすくなります。
また、ダブルターボエネルギーを1枚付けたガチグマアカツキexでも220ダメージを出すことができるため、ミライドンに対しても食らいついていけると思います。
使われる側の「ジャミングタワー」
ここでは、環境デッキを使用してジャミングタワーを出される側視点で考えてみます。
ドラパルトex
変幻の仮面環境トップシェアを誇る「ドラパルトex」デッキ。
「ピジョット型」「ネイティオ型」「エヴォ型」などタイプは多岐にわたり、ポケモンのどうぐの採用もそれによってさまざまです。
そんな「ドラパルトex」デッキに採用されていることが多いポケモンのどうぐは以下の通り。
ワザマシン デヴォリューション
ワザマシン エヴォリューション
緊急ボード
森の封印石
学習装置
このデッキには多くのポケモンのどうぐが採用されますが、特にこの中でも「学習装置」に対しての影響が大きいと考えます。
学習装置は、エネルギー管理の難しいドラパルトexデッキの中でも純正ドラパルト(ピジョットexやネイティオを採用しないデッキ)に採用されることがあります。
学習装置以外のポケモンのどうぐはすべて「自分の番のアクション」なので、こちらがスタジアムを張り替えるなりロストスイーパー使うなりすれば対応はできますが、学習装置だけは基本的に「相手の番のアクション」になるので、こちらから防ぐ方法はないように思えます。
このことから、ジャミングタワーが注目され始めると純正ドラパルトは少し厳しい環境になるかもしれません。
ただ、最近はCL札幌でミライドンが優勝、サーナイトが準優勝したことにより注目されシェアが伸び、ドラパルトはそれらのデッキへの対策としてロストスイーパーが採用され始めているため、学習装置以外は何とか対応できるかもしれないです。
ミライドンex
2024年5月3日、4日に開催された公式大型大会であるCL札幌で優勝したミライドンexデッキ。
このデッキに採用されていることが多いポケモンのどうぐは以下の通り。
勇気のおまもり
ヘビーバトン
緊急ボード
森の封印石
勇気のおまもりもヘビーバトンも無効化されるのはかなりきつい印象です。
特にリザードンにジャミングタワー出されてヘビーバトンのついたテツノカイナを倒されようものなら、ライチュウに割くエネルギーが足りなくなるため巻き返しはかなり厳しいです。
元々ロストスイーパーがそれなりにきつい部分はあるので、ジャミングタワー入りリザードンが流行り始めるとミライドンにまた陰りが見えてしまうのでしょうか…
サーナイトex
CL札幌準優勝のサーナイトexデッキ。
このデッキに採用されていることが多いポケモンのどうぐは以下の通り。
ゴージャスマント
勇気のおまもり
ワザマシン エヴォリューション
バルーンボムのフワンテやほえさけぶのサケブシッポのダメージラインを上げるために採用されるゴージャスマントと勇気のおまもり。
元々、ダメカンが元のHP以上に乗っている状態でロストスイーパーを使われてきぜつ→別のポケモンが攻撃されてサイド複数枚取りされることはありましたが、ジャミングタワーでも同様の動きをされるのはきついです。
それに加えてサーナイトexの特性「サイコエンブレイス」でダメカンを乗せる前にジャミングタワーを出されると、そもそも火力不足になってしまうので大型ポケモンのデッキに対してサイドレースが遅れてしまいます。
エヴォリューションについては、ほとんどのデッキに採用されていますが、エーススペックが「ハイパーアロマ」か「アンフェアスタンプ」かで影響度が変わってくると思います。
「アンフェアスタンプ」の場合はキルリアを複数体立てるためのエヴォリューションが使えず、キルリアを次々取られて負けてしまうということもあります。
こうやって見ると、サーナイトに対しては序盤からジャミングタワーを出されるときつい印象がありますね。
ロスト系統
様々相棒ともに環境で長く活躍しているロスト系統のデッキ。
主に採用されるポケモンのどうぐは以下の通り。
緊急ボード
【ロストギラティナ】マキシマムベルト
【ロストギラティナ】森の封印石
【ロストバレット】ワザマシン かじばのいっぱつ
ロスト系統は共通して「緊急ボード」が採用されていることが多いです。
ロストバレットについては緊急ボードが無効化されることで若干展開が鈍りますが、ロストギラティナは大抵のデッキでジェットエネルギーが複数枚採用されており、ロストバレットに比べると「めんどくさいなー」ぐらいな印象です。
ロストギラティナに最近採用されることが多い「マキシマムベルト」やロストバレットでの採用が多い「ワザマシン かじばのいっぱつ」は、勝負どころの手前でジャミングタワーを出されると勝ち筋を失ってしまう可能性があるため厄介です。
ただ、ロスト系統のデッキの最近のトレンドとしてロストスイーパーが1枚以上採用されていることが多いので、ロストスイーパーを安易にキュワワーのはなえらびでロストしなければ大丈夫かと思います。
(基本縦引きしかないロストで目当てのカードが引けるかどうかは…)
Conclusion
今回は「ジャミングタワー」について考えてみました。
どのデッキもスタジアムの重要度が以前より下がり、ペパーの登場からポケモンのどうぐの強さがより表れている現環境で大きなメタカードのひとつとして君臨することになるのでしょうか。今後の動向は要注目です。
他にも採用されうるデッキや影響を受けるデッキがあればその都度追記していくつもりです。
余談
先日行われたCL札幌で、今回大本命と思われたドラパルトexは最高TOP4に終わりました。
ミライドンが優勝したことにより、CL札幌前はシティリーグ上位入賞者の3割がドラパルト、と圧倒的だったシェア率も2割ジャストほどまで下がっています。
それに伴い、ドラパルトex RRのシングル価格も少しずつ下がってきています。
このままどんどん下がって500円ぐらいになってくれないかな??
組んでみたいのにRRで1200円前後だし、ポフィンもなんかめっちゃ値上がりしてるしでお金足りないんです!!
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