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【第35回東京国際映画祭&第23回東京フィルメックス】DAY 4

こんにちはギルドです。
10/28より東京国際映画祭、10/29より東京フィルメックスに参加予定なので現地で鑑賞した作品の短評をまとめます。
鑑賞予定の映画の概要はこちら

前回はこちら

⑩「ナナ」

スコア:
57/100

政治的な動乱に振り回された女性の話。
去年の東京フィルメックスで上映されたカミラ・アンディニ「ユニ」が良かったので楽しみにしてました。

実際に観てみると娯楽要素に寄せた大衆向け作品って感じがしました。
前作の紫を象徴したデザインと違ってウォン・カーウァイみある色彩豊かなデザインや韓国映画のBGMの豊かさ…といった「豊か」な映画でした。

全体的にストーリーに奥行き・複雑さはないけど絵自体で一定水準の面白さが保証されているので、そういった部分は良かったと思います。

残念だったのはストーリーがあまりにも平凡で、「自由になること」の象徴性がベタすぎたり「トラウマに苦しむ夢の反応」もあまりにも分かりやすかったり、元夫と離れ離れになって仕方なく結婚してる現夫から「お前が幸せになるなら好きな人いたらそいつと結婚すりゃええよ」→ナナ「おk」→周りの人「は?飽きたら別れるとか何言ってんのお前?何か制裁加えようぜ」→…(特になし)

な投げやりな構成は失笑しました。
女性の縛られた生活から自由になる、「最初から正直な方が良い」なストーリーは時代背景によってはぶち殺されたり守られたりもするのに、そこの深堀りは欲しかったな〜と思いました。


⑪「地中海熱」

スコア:
33/100

短評:
慢性的なうつ病を患う作家と隣人のちょい悪オヤジとの奇妙な友情が生むお話。

率直に言って面白くなかったです。
この映画はカンヌ国際映画祭のインタビューでは作者の内側に潜む極端な思想を具現化したり、イスラエル占領下でのアイデンティティ問題について描いている。

が、ストーリーライン上ではうつ病に対して何か大きな深堀りをする訳でもなくストーリーラインは平坦に平坦を重ねた愚鈍の極みで本当につまらなかった。

「うつ病持ちで最後はそうなるんやろうな〜」「カンヌ国際映画祭ある視点部門で最優秀脚本賞を取ったから逆張りみたいな展開あるやろな〜」な仮説をマジで捻りなしに出てきたのも含めて全く印象に残らなかったです。

スタンリー・キューブリック「フルメタル・ジャケット」で半狂乱になって教官をぶち殺す微笑みデブの強化版みたいな映画って感じがしました。


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