コンタクト百年戦争
コンタクトレンズが目に入らない。
そう話すと大半の人にわかる〜と言われるが、コンタクトを入れるのに30分かかる、と言って同意されたことがない。ちなみに片目で30分である。
さながらすごろくをしている横を早足で通り抜け振り返りざまに声をかけられているように感じる。こちらは「2が出るまで止まる」で立ち往生しているというのに。
手先不器用部所属の私だが、不器用は不器用なりに得るものがある。
失敗と助言と経験である。色んな人に助けてもらったので、経緯と共に様々な解決方法を書き留めたい。
あわよくば、私と同じ手先不器用部を救えたらとても嬉しい。
コンタクトレンズを最初に買った病院で、看護師さんに見てもらいながら人生で初めてコンタクトをはめた。
コツとして、
利き手でない方で目を開いた形に固定し、利き手の中指にコンタクトを乗せて、目に入れる
固定する手は水がついているとうまく固定できないので気をつける
と教わった。完璧に理解した。目に物を入れて目に物言わせてやる。
そんなことは特に思わなかったが、4枚ほどのコンタクトを指紋まみれで使えなくしつつ、充血した目を適宜クールダウンしてついに左目に入れることに成功した。30分以上かかった記憶がある。看護師さんは多分飽きていた。
家に帰って翌日、いざコンタクトをするぞと早起きして悪戦苦闘し、左目30分、右目20分くらいではめて、こんなことするよりはメガネの方が楽じゃないか?と思った。
当時大学の研究室にいたので、同期や後輩にコンタクトの話題を振ると、「いやいや30分はかからない」「なれたらすぐだよ」「鏡を見ずに入れてる」と言われた。この器用者達めと恨む気持ちはあったが、一方でコンタクトの話題は意外と広がるので話の種になってよいかと思った。
そんななか、研究室の資材の営業をしてくれている業者さんにアドバイスをもらった。
コンタクトを載せる中指が濡れていると指と密着してしまうから、乾いた手でやる
確かにそんな気がする。コンタクトを入れるルーチンワークにティッシュで執拗に手を拭く操作が加わった。手からコンタクトが飛び出す頻度も上昇した。
さらに年月が経ち、職場の後輩にもコンタクトの話題を振った。その頃はコンタクトとの付き合いにも嫌気がさして、9割眼鏡で過ごしていた。そこで、ある指摘を受けた。
入れる時目つぶってるんじゃないすか?
入れる時目つぶってた。
確かに目つぶってたらコンタクトは入らないよな。さらに問題を深堀り、自己分析した。
もう純粋にまぶたを閉じている
白目を剥いている
しょうもないことを書いていて嫌気がさすが、私にとっては革命だった。
白目を剥かない努力をしたことで、コンタクトを入れる時間(コンタクトインタイム)は調子が良い時には10分/eyeほどに短縮した。
あと病院を変えた際にコンタクトレンズも変えたところ、コンタクトインタイムは平均2分/eyeになった。
良いコンタクトレンズを買え。