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アメリカMBAのリアル -online MBAからon-campus MBAまで-

※色々なMBAの紹介をするにあたり、今回、online MBAとon-campus MBAとをアメリカでの就職を前提に書きました。私個人が区別をもってマウントしようとか、努力や投資を否定するものではありません。いろんな意見があると思うので、ひとつの意見だと思って、読んでいただけたら幸いです。

なお、この記事の対象は、アメリカに移住前提もしくは既に移住していて、MBAを取ろうかどうか検討している人(めちゃニッチ!)になるのかな、と思います。

MBAと言ってもいろいろある

MBAといっても、traditional MBAとよばれるon-campusで学ぶものから、online MBAまで、様々なものがあります。

色々なMBA記事があるけど、MBAって一言で紹介されていて、本当はいくつも種類があるのに、その差について、話している記事がほとんど無いような気がして、今回、書いてみました。

以下に書くそれぞれのMBAには、通い方、クラスメイトのデモグラ等に明確な違いがあります。

日本の履歴書では、どれも「MBA」だけど、アメリカで就職活動しようとすると、成績証明書、卒業証書の提出は必須で(私は、就職の時に日本の大学の卒業証明書を提示させられました。移住される方は、事前に英文成績証明書、卒業証明書をゲットしておくのがおススメです)大学名ならびに取得したMBAのタイプまで書類に記載されることもあります。

なお、入社した後にどこの大学でMBAを取ったかは、「新入社員紹介」の際に、必ず書かれます。

ゆえに、アメリカでMBAを取ろう!という場合は、それが、どんなMBAか、どんな特徴があるのかは理解しておいた方がいいかもしれません。

人生いろいろ、MBAいろいろ

Full-Time MBA

FTMBAと略されることが多いです。フルタイムの学生。例えば、社費でMBA留学に送られた人は、このクラスに入ります。Working ExperienceがRequirementになっていないケースもあるので、平均年齢が若めで、大学を卒業したばかりの子もいるし、20代後半までが多い印象です。留学生も多いのが特徴。だいたい1年半-2年で卒業となるケースが多いです。

Fully Employed MBA

私が取っているクラスはこれです。(なので、自分の状況に即して詳し目に書きます)

FEMBAと略されることが多く(フェンバと読みます)フルタイムワーカー向けのMBAクラスです。Full-time MBAに比べると、年齢が上がります。大体30代といってよいと思います。参考までに、私が通っているコースの平均年齢は、今期は32歳で、最高年齢が42歳でした。

平日仕事終わりの夜、もしくは週末にキャンパスに通い、集中して勉強するとはいえ、Full timeより時間はかかるし、コアクラスにおいては、full timeの生徒と一緒になることは、ほぼありません。ゆえに、留学生はゼロ、全員ローカルです。

いわゆるGPA RequirementはFull-timeより0.2ptぐらい下がりますが、その分、職務経験とエッセー、Recommendation Lettersが大事になります。

みんな社会人なのもあって、ネットワーキングも盛んです。

Executive MBA

Fully Employed MBAの上位互換です。簡単に言うと、管理職クラスが取るMBAクラスなので、社会人経験歴、年齢層がグッと上がります。

ローカル多めな印象があります。なお、Executive MBAと普通のMBAにも明確な差があり、こちらを取った人は、Executive MBAとしっかり言います。

Online MBA

いわゆるon-campusとonlineは、区別されているという印象です。ただ、これはMBAに限ったことではなくて、他のonline degreeでも一緒です。

onlineとon-campusで悩んでいる人がいたら、この辺の温度感は、ぜひ信頼できるアメリカ人数人に聞いてみてください(基本、アメリカ人は挑戦しようとしている人のやる気を削ぐようなことはあんまり言わないので、とにかく腹割って聞きまくることをおススメします。)

これは私の個人的な意見ですが、今後、アメリカでの就職活動の武器にしようと考えていて、時間とお金が許す等々の状況が揃っているのであれば、online MBAよりon-capmpusのMBAがおススメです。

生徒を集めるために、エッセーやMinimum Requirement (GPAやGMAT、職歴、recommendation letters等)が無かったり、をウリにしている学校がある/あったのも事実で、online MBAに対しては、残念ながらstigmaがあります/ありました。

私自身は、前職にてonline MBAとon-campus MBAホルダーVP同士(両方ともアメリカ人)のエグイ戦いを見たという過去があります…。仕事のパフォーマンスで喧嘩するならまだしも、文字通り、online degreeかon campus degreeかで喧嘩していました…(もちろん、それよりアルアルなのは、出身校のマウントですが)個人的には、そもそもこんなオトナどうなの?と思うところですが、こんな醜い戦いがあるのか…と思ったのを覚えています。

※アメリカの大学は日本に比べ、商売色が強いところもあり、stigma払拭に今日まで取り組んできて、改善してきているという側面ももちろんあります。でも、中にはこういうステレオタイプを持っていて、攻撃してくる人がいるって事実も知っておいた方が、腹が立たないかもしれません。

あくまでも、アメリカでの就活を前提に書くと、仕事をしていてもon-campusで通うコースが用意されているし、お金に関しても各種奨学金が用意されていて、それを使う人がmajorityなので、アメリカで ”online” MBAを武器に就活しようとしたら、なぜonlineにしたかの理由をしっかり言えるのは大切なように思います。

(例:ド田舎過ぎて、そもそも近くに大学が無く、家族の都合で引っ越しは不可能、とか。個人的には、しっかり回答できれば問題無いと思う)

入学前のイメージと実際

私がMBAに抱いていたイメージと実際のところを独断と偏見で、ご紹介したいと思います。

(イメージ1)MBAは忙しい

(現実1)本当に忙しい。忙殺って言葉がぴったり。

なぜ忙しいかは、

1.課題の量(とにかく読む量が半端ない。さらに休憩時間にも読んでおいて、とさらっとペーパーを渡されたりする)

2.チームワーク

この二つに由来します。まずは、課題の量が半端なく、これをチームでこなすため、自由が無くなります。

課題は連帯責任になるので、みんなの協力が必須ーゆえに自分のスケジュールが圧迫されるため、必然的に忙しくなるっていうのが現実です。体力は前提要件です。

MBA初日を迎える前、約1週間の私の生活スケジュールは、仕事が終わったら、すぐチームと3時間のミーティングをこなし、残り自主勉強(そうしないとネイティブに追い付けない)という、睡眠時間ほぼ4-6時間まで削られた状態でした。

とはいえ、これが毎日続くってわけでは無いと思います。

(イメージ2)MBAは怖い(主張が激しいという意味で)

(現実2)本当に激しいです。

たぶん、みんな圧倒されます。笑。そんな中でも自分の主張をしていかねばならず、どうやってアピールするかは、おそらく日本人にとっての永遠の課題です。

主張しないといけないのは、Peer Evaluationというのがあるので、自分がどれだけチームに貢献しているかをアピールする必要があるのです。

前回の記事にも書きましたが、魔法の言葉を使うとか、Facultyにアピールするとか、日本では姑息と言われることでも、ガンガンやるべきだと思います。

MBA生になってみての本音

私自身、MBAに関しては、本当に正しい選択だったのか…と自問自答しながら毎日を過ごしているところがあります。

それは自分の英語力だったり、お金の問題だったり(クソ高いので、投資回収できるのか不安)、専門スキルがそもそもない自分が取るべきは、別のスキルだったのでは(MBAって特殊技能ではない)とか…ほぼpersonalな問題で悩んでいます。

ただ、ちょっとかじってみて思うのは、超大変なことには変わりがないということ。だからこそ、同じ熱量を注ぎ込むなら、そりゃ名の知れてる大学に行った方が良いっていうのも、分かる気がします。

よくMBAは意味ない論争をTwitterでも見かけるけど、やったことのない人にそんなこと言われたら、そりゃ苦労して取った人は怒るよなぁと思う。笑。めちゃくちゃお金もかかるし。

私は「MBA意味ない論争」の根本にあるのは、MBAが特殊技能であるかどうかではないかな、と思っていて、であれば、MBAは特殊技能であるとは思いません。

じゃ、なんやねん、って言ったらproofなのかな、って個人的には考えています。

proofというのは、私にはMBAを修了するだけの根性があって、これだけの課題をこなすだけの体力/知力があり、仲間とやり遂げたコミュニケーション能力もあり、

だから貴社で働く、minimum requirementを満たしています、

なのかな、と。

私はこれだけでも十分、移民にとっては価値ある投資になると思っています。

たぶん、日本だとまだまだ英語を話せる人という特殊技能として扱われるんじゃないかな。でも、アメリカにいるとそういうのは全く感じません。

これは、個人の意見だけど、どの分野においても、勉強をすることがマイナスになることはないと思うし、『degree』だけではなく、その努力した過程が評価されるという、アメリカでは珍しい資格のように思います。

もし、アメリカでMBAを目指している人がいたら、上記参考になったら嬉しいです。

ではでは。ちゃお!


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