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仕事で大失敗!繊細な人がミスをしたときに立ち直る方法

「やってしまった」
「どうしてこんなことしたんだろう」
「もう、辞めたい……」

誰にでも、人生で一度は思い出すと胸がつまるような大失敗の経験はないだろうか。
私自身、看護師歴約20年間で、血の気がひくような失敗を何度か経験している。

看護師という命と直結する仕事柄もあるかもしれない。
しかし、医療現場だけでなく、ミスの許されない仕事や重要な責任を担う仕事は世の中にあふれている。

責任のある仕事に携わり、うまくいったときの達成感が大きい分、ミスをしたときのダメージもまた、大きいと感じている。

このnoteでは、数か月前実際に私が仕事でミスでをしたときのことを振り返っている。そして、精神的に大きなダメージを感じたとき、どのように乗り越えたかをまとめてみた。

 ☆この記事にはミスの分析方法や対応策については書いていません☆


私の大きな失敗

その日の私は、とある検査部門を担当していた。
1日の勤務を終えようとしていて、次の勤務者に引き継ぎ交代。私の勤務中に病棟から検査に来た患者さんの忘れ物を届けに行き、勤務時間は終了していた。

自分の勤務時間が終わって気が弛んでいたのかもしない。
ミスが起こったのは一瞬のできごとだった。

私が起こしたミスは患者さんに大けがを追わせ、数千万する医療機器を故障させるかもしれなかった。ことの重大さに私の頭の中は真っ白に。

その後、検査は一旦ストップし、機械の作動状況を確認する。
確認作業も私にはできないことで、専門のスタッフに対応してもらわなければならない。

私のせいだ……
「すみません」
「ごめんなさい」
と謝るしかできず、リアルに頭を抱えていた。

幸いだったのは、患者さんにケガがなかったこと。

すぐに師長さんへ報告。
機械が故障していないかを確認する間は「もうクビかもしれない」なんて思っていた。
最終的には、機械も故障なく予定通り検査実施し終えることができた。

あまりにうろたえる私を見て、師長さんは事実確認のみで
「今日は帰って、また話しましょう」
と、勤務時間が終了していることもあり、現場から離れることを促してくれた。

当時を振り返る

病院のような医療現場でミスやミスにつながりそうなシチュエーションがあれば、必ず報告書を提出し分析することになっている。

ここではミスに関する分析ではなく、個人のメンタルを振り返ろうと思う。

すぐに報告、謝罪する
今回、現場の対応を進めながら上司への報告をした。そして、状況を把握したら患者さんへの謝罪。
看護師をしてきていろいろなトラブルの現場に立ち会うことがあったが、誠実に対応することが大切だ。

相手へ誠意を示すことでもあるが、自分のためでもあると思っている。

もしかしたら相手から許されないかもしれないけれど、そのとき自分が誠意を示せたかどうかは、その後の自分の人生ずっと心に残ると思うから。

現場から離れる

繊細な人たちのミス直後のメンタルは、正常ではない。
私の場合、勤務を終えていたこともあり、師長さんに「今日は帰りなさい」と言ってもらえた。
現場から離れられたことで、落ち着きを取り戻すことができたと思っている。

しかし勤務中であれば、そのまま仕事を続けないといけない。動揺した気持ちのままでは、から回ってしまう。
「5分だけ、トイレに行かせてください」
など、可能であれば頭を切り替える時間をもらってはどうだろうか。

ミスの後

もともとの性格が打たれ強い人や、鋼メンタルの人などは、落ち着いて対処できるのかもしれない。しかし、私のような劇弱メンタルの人や、HSPの性質のある人にとっては、『メンタルをトラックで轢かれた』くらいのダメージだ。

その日の私は、
子どもを保育園に迎えに行く間も
夕食を作り、食卓を囲んでいる間も
ずっとミスの場面が頭の中でリピートされていた。

夫が帰宅し日常会話はするものの、仕事の話をする気力もない。
落ち込んでいることも察知されたくないのでいつも通りを装っていた。

そして、寝る前に襲ってくるのは
「なんであんなことになったんだろう」
と、後悔の気持ち。

後悔しても仕方ないのは頭でわかっていても、
制御できないのがHSPの特性の一つかもしれません。

落ち込んだときのバイブル本

このとき、私が手に取ったのは下園壮太先生の本だった。

下園先生は、努力すればするほど成果が出ると思っている人ほど、失敗したこともすべて自分のせいにして「自分を責める」スイッチが入ってしまう人がいるという。
私はまさにこのタイプ。

「7対3バランス」

何かを行うときに準備や努力でコントロールできることを「3」とすると、どうにもならないことが占める割合は「7」くらいあると、私は考えています。
それほど、現実社会は予測不能なことだらけなのです。

引用:『自分のこころのトリセツ』下園壮太著、日経BP社

続けて、努力をしないわけではなく、最善を尽くすけれど、結果を評価するときに「7対3バランス」で考えるのだと説明している。
30点を取れば自分の最低限の責任は果たしたと考えると、自分にバツをつける回数を減らすことが自信を育てるコツなのだそう。

深呼吸の効果

深呼吸には、防御態勢にある心身の緊張をほぐす大きな力があることも説明している。

深呼吸なんて当たり前のことのようですが、自衛隊のメンタルトレーニングでも取り入れています。少し冷静になれると、客観的に失敗要因を分析できるようになる。ここまでくると、失敗を乗り越えるスタンバイ状態に入ったといえます。

引用:『自分のこころのトリセツ』下園壮太著、日経BP社

本を読み言われるままに深呼吸を繰り返した。
まだまだ傷心の私はすぐに気持ちを切り替えられたわけではないけれど、いくらか心が楽になった気がした。

次の日の壁

しかし夜が明けると、また職場に向かわなければならない。
ここもまた乗り越える壁。

もし、どうしても出勤できないなら休んでもよいだろう。
しかし、休んでもまた次の出勤が辛いのは変わらない。なので、先延ばしにしないほうがよいと私は思っている。

私はミスによって周囲への信頼を失ったことが辛いと思っていた。しかし、ミスは誰にでもあることで、同じ仕事をする仲間であれば、共感してもらえることもある。
実際に、私は自分のしたミスを同僚に打ち明けて、落ち込んでいることを共感してもらうことで、ずいぶんと心が癒された。

朝、通勤の一歩が重いけれど、心を無にして職場に行き、とりあえず1日を乗り越えてみる。すると、あとは何とかなるもの。

1、2か月は心の中にズーンと重い気持ちを抱えていたように思う。だけど好きなことをして、家族との日常を過ごすうちに、時間が解決してくれていた。

看護師として治療や検査が安全にできるように関わり、人生の底辺にある人に寄り添えたとき、あぁ本当によかった……と思う。
だからこそ、患者さんや同僚から信頼を失う失敗は辛い経験だ。

しかし、続けていればまた「よかった」と思える瞬間がやってくる。その瞬間を繰り返して、メンタルが劇弱な私でも今も看護師をしている。

まずはミスをしない対策が第一。でも、誰でも失敗はあるもの。
メンタルの弱い人や、繊細すぎる人は自分を責めすぎて、本来の能力を発揮できなくなることが多い。

私の大好きな樹木希林さんの言葉

おごらず 比べず 面白がって
平気で生きればいい

樹木希林

ミスを面白がろうという意味ではない。
自分を責める沼にハマってしまう人は
樹木希林さんくらい軽やかな思考で
改善策を考え次に繋げられるといいな、と思う。
自戒の念を込めて。


今世の中にたくさんのキラキラしている自己啓発本が並んでいますが、
メンタルが弱い私にとっては、本文で紹介した下園先生の本が
何よりの自己啓発本!おススメです↓


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