第77回「舐達麻逮捕のニュースを塀の中で知ったってハナシ」2021.4.15～4.21

【2021.4.15】
昨日の夜、消灯時間のチャイムが鳴った直後に部屋が真っ暗になった。
というのも、いつもは２本ある「蛍光灯」の１本が消えるだけで多少は暗くなるが「寝ても覚めても部屋が明るい」というのが刑務所の当たり前の夜（夜間の見廻り職員が各部屋の中をよく見張れるように）なので、きっと受刑者の誰もが、
「おぉっ！　久しぶりのホントの消灯だ！　なんて嬉しいんだ！」
と暗い部屋での眠りを喜んだに違いなかっただろう……。

しかし喜んだのも束の間、１～２分経ったトコロですぐ点灯……（怒）。
翌日になった本日の休憩時間に工場の皆で、
「昨日ちょっとだけど居室が暗くなって嬉しかったね^ ^」
「そうそう^ ^ オレ暗い間に寝ようとして必死に頑張ったんだけどね^ ^」
と話をしていると、１人の同囚が、
「あ、オレが報知器を押して夜間勤務の職員に知らせてあげました、先生」
とその話を聞いていた担当職員に言った。当然皆で、
「はぁ？　何余計なことしてんだよ？」
と。するとその報知器を押したという同囚は、
「何か問題が起きてはいけないですもんね先生^ ^」
と言い、さらに皆の反感を買いその後はもう誰もその同囚とは口をきかなくなった（笑）。

このような囚人の行動を「ズケ取り」（職員の機嫌とりをして点数を稼ぐ行為）といい、「チンコロ」（密告）などと同じく硬派な囚人からは一番嫌われる行動なのだ。この「ズケ取り」の同囚は日頃から空気の読めないヤツだとは感じていたが、まさかこれほどまでとは……（汗）。

しかし怒っている他の同囚には申し訳ないが、逆にこれほどまで価値観の違う人間というのもめずらしいし、もはや面白い（笑）。
これからもこの「ズケ取り」囚人には色々と楽しませてもらいたいってハナシ。

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【2021.4.16】
今月は金曜日が５回あるということで、本日は金曜出役。
さらには今週から10週にわたり「薬物依存改善プログラム」、通称「教育プログラム」なる薬物関連の事件にて現在当施設に収監されている受刑者を対象に行われる講義が開始。