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一年後の自分に手紙を書く意味

日常。

それがいかに幸せなのかを再確認する夏だった。

風邪をひく度に「健康なだけで幸せだ~」と感じるし、

大切な人を亡くしたときに、大切な人が生きていてくれることがどれだけ有難いことなのかを再確認する。

一方で、自分の大好きな人たちと楽しい時間を過ごしているとき、

あー楽しい。終わらないでほしい。幸せだな…。ずっと時が止まってほしい…。

そんな幸せを再確認する夏でもあった。

大切な気づきを忘れずにいたい。
宝物のような瞬間を閉じ込めておきたい。

そんな魔法があったらいい。

でも、

私には、

いや、

私たちには、それらを叶えてくれる存在がいる。まるで魔法のようなことをしてくれる存在が。

それこそが、手紙。

このことを感じたのは、

“とある場所”で一年後の自分に宛てて書いた手紙が自分の元に届いたときのこと。

それは、

一年後の自分に宛てて手紙を書ける場所、
蔵前にある「自由丁」。

ここで書いたお手紙がちょうど一年後にお家に手紙を届いたのだ。

私は、ここを訪れるのが一つの夢だった。

その夢がかなったのは昨年(2022年)の6月で、「紙を巡る日本一周」の終盤。

その訪問が叶ったときは嬉しくてたまらなかったし、

お店の方々とたまたま近くでやっていた展示会やお祭りにご一緒させてもらったりもして、

本当に夢のような時間を過ごさせていただいた。

お祭りでの一コマ
一年後の自分に宛てたお手紙
封蝋
📸


ここを訪ねたあとは、

日本一周を終え、フランス紙留学・パリ個展を成し遂げ、帰国・復学、卒論を書いて無事卒業し、上京してきた。何度も目まぐるしい時間の流れだった。

そんな数々の試練を乗り越えながら過ごした一年後、

自由丁で書いた手紙が届いた。

私はすっかりなにを書いたのか忘れていた。なんとなくこんなことを書いたような…というのは頭にあったけれど、封を開け、過去の自分からの手紙を読んでみると、自分が憶えていない言葉が沢山綴られていた。

『あ~、ありがとう。』

心からそう思った。

過去の自分は、今の自分を一番わかってくれていた。

一番心配しているけど、一番信じてくれていた。応援してくれていた。

その手紙は、本当に大切なことに気づかせてくれた。

葉書サイズの手紙。

そこには、言葉には直接的に綴られていないはずなのに、その日の思い出がぎゅっと詰まっているような気がした。紙に触れるたびに、その時の自分の感情や風景を思い出した。

魔法を体験しているような気持ちになった。

「手紙っていいな」

これだけ手紙を広める人になるぞと決めて動き続けた自分にとっても、やっぱり手紙で感動するタイミングが定期的に訪れる。

やっぱり手紙は凄いんだ。

冒頭の話に戻ると、

これだけ目まぐるしい変化と、世の中の不条理、先の見えない漠然とした不安を抱えながら生きる私たちは、いったい何を信じたらいいのか分からなくなるのかもしれない。

そこには、明確なアドバイスはできない。むしろお願いだからだれか教えてほしい。

だけど、今の積み重ねが未来なのだとしたら、大切な人と自分を大切にしながら、今を生きるしかないんだなと思う。

瞬間瞬間の幸せに気付いてそれを形にすることは、過去・現在・未来の幸せを繋いでくれる懸け橋になるのかもしれない。

それは今の時代に合った「手紙」の新たな価値となると思っている。

私は、今でも定期的に自由丁で書いた手紙を見返す。そのたびに気付くことがある。毎回ちょっことずつ違う。それも面白い。

私にとって、そのお手紙は宝物であり、お守りでもある。

そんな手紙の本質的な価値を伝えられる人になるために、今日も頑張ろう。

2023.08.22
手紙のヒト akina

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