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腐敗でなく➂UTAGI UTAGI何見て滾る

☆前回までの発酵具合☆ 
  ただ裸が描かれていればそれで満足であることに気付いたわしこと発酵肉は、夏休みはラジオ体操終わってから家に帰らず午前中ずっと遊びほうけ、昼に食ったか食わんか判らんぐらいの昼食を摂り、さっきまで遊んでたヤツをまた呼びつけ一緒に『あなたの知らない世界』を楽しんだ。
いわばエロとオカルトのハイブリッド、健康優良児と不健全児のキメラの状態で段々と毛が生えそろってきた。
  時は平成。発酵肉は中学へ進学する!!


【少々マニアックなの読んでいい気になる時期を経まくる】

わしは所謂オタクっぽいのが刺さらない方らしい。だがオタクではあった。確かにあった。

小4の頃周囲からC翼を激推しされながらも、健全にアニメのみ楽しんだわしは、実母御用達の漫画豊富な純喫茶(アリなのか?)でも様々な漫画を読みあさっていた。
『魔太郎がくる!!』『ボーダー』この辺りが大好き。クセ強めの名作。こんなの好きなやつがC翼読まん。

そこでの衝撃の出会いはやっぱり大友克洋先生の『AKIRA』だった。この頃は4巻まで刊行していたと思う。(こっから5巻が出るまでが長く、5巻が出たのはわしが高校生の頃ではなかったか?)
学校帰りにこの喫茶店を覗くと四割方母がコーヒーを飲んでいる。わしはランドセルのまま入店してコーラフロートを注文してすぐAKIRAを開いた。
画力、テーマ、本のデカさ、装飾と何もかもが圧倒的で、わしはずっと大友先生に心臓を掴まれたまま。余りにもいつまでも繰り返し繰り返し読むので、喫茶店のママ(女性マスターだったから、こう呼んでいた)が、「弟のだから貸してやる」と言ってくれて、わしは遠慮なく借りた。ちゃんと返した。

ところでかつて『うる星やつら』が難しかったわし。ちょっと育ったとてAKIRAは難しかった。
オカルト好きなわしだったが、AKIRAは科学や化学だなと思っていた。近未来なのに何かが退化したような、そんな錯誤を覚える日本、ネオ東京という舞台に尻と後頭部がヒリヒリするようだった。
思春期でも発見があり、青年期を超えて壮年期を迎えても何か突きつけられる。AKIRAについて語りたい事は山ほどあるのでこれは別の記事にしたい。

また、小5、小6になると本屋で立ち読みをして面白ければ貯金をくずしてまで購入する道を選ぶ。
『シニカルヒステリーアワー』『ぼのぼの』『かってにシロクマ』みたいな、ギャグの裏に何らかのテーマを隠したものもやめられず、お年玉などはこれらに消えた。

あの喫茶店に通ったおかげで、小学生のわしは漫画から勉強では得られないものを得、勉強を手放してゆく。

【もう中学生】

徳間書店『アニメージュ』では何年もキャラ人気投票の1位がナウシカだった1988・昭和63年、わしはAJ達とは別の中学校へ入学した。
ただの学区の問題だが、全くなんとも思わない、何かが欠落しているかのようなわし。別の仲良しの友人もいたのと、当時は変に肝が座っていたので、心が揺れることもなく進学。
実際は入学後間もなくめちゃくちゃな洗礼を受け、以降は特に目立つことなく生きるを選ぶわしだった。
ここはわしの発酵の経緯を綴る場と決めているので、別の小学校から来ていた気の荒い奴らとの事は割愛する。


【運命の番(つがい)か】

わしは中1にして、今後の人生において最も離れること罷りならん人物に出会うことができた。
令和現在も絶賛ズッ友大親友、千羽 鶴(せんば・つる)。
ツルはAJに次いで絵が上手く、当然漫画家志望、当然聖闘士星矢、当然サムライトルーパー、の当然ドの付くヲタ。
ツルとはどんな経緯で仲良くなったのか憶えていないのだが、お互いの恥ずかしいところはほぼほぼ見た間柄である。
そして、このツルというヤツは、わしの知らない新しいオタクの概念的なものをたくさん更新してくれた。
漫画雑誌と言えば、わしの読んでいたものは週刊も月刊も少年も少女も当然のように読んでいたツル。
ただツルはこんなものも嗜んでいた。

『アニパロコミックス』

知る人ぞ知る、いや、当時のオタクのバイブルか。ツルはこの辺のも隈なく目を通していた。ツルの描く絵も、字も、どこかアニパロコミックスめいたものを感じさせた。

わしらはお互いの絵や手紙をよく交換し、授業中もやり取りをした。

1度わしがやらかしたことがある。
わしとツル、それと、仲の良かった星矢オタクの男子・ティザキ。この三人で授業中イラストや手紙を交換しあっていた時、不審に思った担任・哀川が近付いているのも知らず、わしは一心不乱に『恥じらった様子でバスタオルを胸から巻いた風呂上がりのアンドロメダ瞬』の仕上げにとり掛かっていた。
哀川先生に取り上げられ、大きな声で「なぁんだぁ〜?これはぁ〜?」と言われた時の絶望。
その後も5年に一度は思い出しては叫び出したくなるのだった。

そんなこともあってか、わしら二人は交換日記形式でイラストや日々のことをやり取りすることにした。
そのノートは『ねた帳(又はネタ帳)』と名付けられ、数十年経過した現在も、ひとたび開けば謎の鳥肌に見舞われ冷汗が止まらない怪奇現象に見舞われることから、(ツルの実家に)封印されし特級呪物である。


次回はいよいよ本気で発酵が止まらない!?
誰も続きが気にならない発酵肉先生の漫画が読めるのはジャンプだけ!!(真に受けないで!!)

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