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国家試験とおふくろの味

二つの国家試験の思い出

医者同士で必ず盛り上がる話題といえば、入試と国試(医師国家試験)

今年、受験してから45年目になる医師の国家試験は私のころは2日間でした。
昭和な机上の試験のみの時代
東京にいた私は偶然にもアパートから徒歩10分という某大学が試験会場。とてもラッキーです。
私の姉は、前年に比較的遠い都内の別大学で国試を初めての場所に行く、緊張感がありました。
私は近い大学が会場と、ほっとしました。
武道に強いことで知られるその大学は、駅前のケンタッキー・フライド・チキンやハンバーガー屋さんで学生さん達に遭遇していたので親しみがあった。
余談ですが、その大学の学生さんたちは姿勢が良かった。きちんと列を作ってハンバーガーを買っていました。

受験生にとって、精神的に一番きついのは一日目と二日目の間です。
一日目の答えの誤りは見つかるし、だからといって勉強しないわけにもいかない。
一日目と二日目に同じ疾患がでることが多いとされていました。自ら穴を掘る苦しさです。

でも、私には強い味方がいたのです。
実家では母が医師として働いて家事をしませんでした。
そこで私たちは、オバチャンに育てられたのです。
オバチャンは、祖母の従妹で、ばあやのように実家の主婦のようなことをしてくれていました。
私が国試の時は引退してお子さんの家庭に住んでいたのですが、夕ご飯を作りに泊まりに来てくれたのです。
これも前年の姉の時もそうしてくれたので、本当に嬉しかった。

私にとってのおふくろの味、オバチャンのコロッケ、カボチャのあんかけ、小鯵の南蛮漬け、ポテトサラダなど。久しぶりに食べられて、五感が刺激されます。
そして、繰り返し「ハレちゃんは小さいころから勉強できたから大丈夫、(多分、記憶齟齬)、頑張り屋さんだからね~」など。
何気なく言ってくれるオバチャン。なぜか、弟まで一緒に食事して、ほのぼのした時間を過ごしたのでした。

二日目は、オバチャンとは朝ごはんまで作ってもらってさよならしました。試験終了後は終わった終わった!とばかり弾けて、友達と町へ繰り出しました。それとも家に帰ってぐっすり寝たのかよく覚えていません。

時代は変わって、息子の国家試験の時、私は仕事を休んで、息子のアパートへ。なんとなく一緒にいました。甘やかしすぎといわれそうでしたが、自分が精神的に辛かったので一緒に時間を過ごしたかった。
息子は試験前日は塾で勉強していたし、食事も手造りというわけには行かなかったけど、試験初日、朝、駅まで一緒に歩いていきました。遅刻だけは避けられたな、というバカママの満足感。
その日の夕食は食欲無い息子に合わせて駅前のうどん屋さんでうどんすすった。
試験用紙を見て、私にもわかる問題もあるなとちらっと思いました。このくらいなら受かるな。息子とはぺちゃくちゃ話すわけではなく、疲労困憊していたので、じゃお休みと短い食事時間でした。

やっぱり二日目は帰ってこなかった。私も自宅へ戻りました。
いつの世も試験の後は友達とゆっくりが楽しい。

幸い、息子も私も一回で合格。本当に良かった。
オバチャンのようにはできなかったけれど少しは心の支えになったかな

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