話し合いは相手の言葉を聞くこと~地域の生活を大切にする
障害がある人の社会復帰を応援するのがリハビリテーションの役割です。
患者さんの生活、朝起きる時、ご飯を食べる様子、通勤などどのように活動していたか知ることが大切ですし、フォローアップは今の生活の過ごし方を聞きます。
リハビリテーション病院のスタッフからは病院で一所懸命訓練しても自宅変えると、機能が低下してしまう。どうやって地域の支援につなげるか?という課題があります。
逆に地域の支援者から見ると、病院で訓練していたことは、あくまでも仮想空間、そんなこと自宅や通所施設ではできないよ。という声がある。
これを医師と患者に置き換えると
医師は疾患に対してこの治療が良い、こうするべきを知っています。
診察では、こうすると良くなる、正しいやり方を伝えています。
でも、患者さんからすると自分のやり方ではない。
「体のことばかり考えて暮らしているわけにはいかないんだよ」
仕事の都合や家庭環境で、正しい事ばかり押し付けられると感じると患者さんは心を閉ざして、ただ適当に話して薬だけもらって来ればよいと思うでしょう。
自宅へ帰る患者さんはそれぞれ、その人の環境、立場、考えがあって、歩いたり、洋服を着ることだけがその人の生活ではないのです。一場面だけを切り取ることしかできない訓練の限界はある。
病院で考えたあるべき生活と本当の生活には差があります。
そこで想像力と話し合い
私たちリハビリテーションに関わるメンバーには想像力があります。
訓練に生活を合わせるのではなく、訓練場面から自宅での生活を想像できる。
そこから考えて、どっちが正しいという考えでなく、その人にとっての生活の快適、幸せを考えてみると、病院地域での話し合いができると思います。
さっきの医師と患者さんだったら、
○○さんはこういう時どうしたいの?なにが困っているの?と問いかけることに似ています。
自分が正しいことを知っていると思う時ほど、他の人の意見を聞いてみるとものごとが進みます。