患者さんのチャレンジ フリマに出店
今日は許可をいただいたので患者さんのことをお話しします。
Aさん(女性)は脳卒中の後遺症として、失語症があります。手足のまひはありません。
コントロールが必要なお薬を服用しているので定期的に外来に受診します。
あいさつや慣用句以外はなかなか口から出てこないAさん。
お話の理解は良くて、車を運転して一人でいらっしゃいます。
今日は診察室に入ってきたときから
「おはようございます!」の声がはっきりしていました。
そして嬉しそうな笑顔
お薬は何日残っていますか?という私の決まりの問いには、左手をパーにして5日分と教えてくれます。
手帳を持っていて、必要なことは書いてくれます。
口からは言葉は出ないけれど、単語を書いて教えてくれるのです。
手帳に
犬、猫、首輪
と書いてありました。
なんと、手作りアクセサリーでフリマアプリMに出品したのです。
ペット用の首輪の作成して、自分のショップを作っている!
素晴らしい!
サイトを見ると、マクラメ編みにビーズや真珠を編み込んだ作品が出品されて、売れています。
手帳には『楽しい』という文字もありました。
それを指さしながらニコニコするAさん。
バンザイ!Aさん。
実はAさん、以前、失語症のグループ訓練を行っていましたが、現在はコロナ感染対策でお休みしています。
失語症の患者さん達が自宅にこもってばかりと思っていたのは主治医の私だけでした。
Aさんはチャレンジを始めていたのです。
フリマアプリで犬、猫、首輪で検索してください。Aさんの作品にであえるかも。
ショップサイトには文章も書かれていますので、ご家族の応援もあるのですね。(それも素敵)
失語症でもいろいろな症状があります。こちらの本を紹介しました。