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あすなろ荘の建物について(個室編)
最初の写真は、みんなのフォトギャラリーよりはるさんの写真を使わせていただきました。ありがとうございます。
暑中お見舞い申し上げます。
Let's be tomorrowです。
毎日猛暑が続いておりますがいかがお過ごしでしょうか。
この猛暑の中、あすなろ荘の寮生たちは毎日のように仕事に出かけて頑張って働いています。
飲食店での調理場で働いてA君はずっと火のそばで働いているため、空調が効かず軽い熱中症になったこともありました。
本当に皆さんお気をつけください
前回お話しした通り、あすなろ荘の建物は自立援助ホームをするためにさまざまな工夫を凝らした建物になっております。
今回は個室についてお話をしていきます
個室について
あすなろ荘は男女3名ずつの6名定員となっています。
1階に男子3名の居室、2階に女子3名の居室となっているため、物理的にお互い異性の部屋に行くことがないようになっています。
部屋の中は4畳半の部屋と1畳ほどの収納スペースになっています。設計の段階では6畳の個室だったそうですが、当時すでに自立援助ホームを運営していたホームに聞いたとき、家具が何もない6畳の部屋はとても広すぎると指摘されたそうです。
確かに一般的なワンルーム(約5.5畳くらい)でも内見するととても広く感じますよね。
自立援助ホームにくる青年たちは、カバン一つしか持たないくらいの量で入居することが少なくありません。そんな彼らが何もない部屋で生活をスタートするのは確かに寂しい感じがするかもしれません。
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あすなろ荘の個室は何もないところから始まる
他のホームではベッドや机、たんすなどが用意されているところもありますが、あすなろ荘では何もない状況でスタートします。理由は4つあります。
①自分自身を表現するため:あすなろ荘に来るまで自分の部屋をもったことがないという青年は少なくありません。そんな彼らが初めての部屋を自分なりにアレンジするということは、それまで自分自身を表現する機会をなかなかもらえなかった青年たちにとってはとても大切なことだと感じています。実際、大きなスピーカーとターンテーブルを買ってDJ風の部屋にした人や、自分の好きなアニメのポスターを壁が隠れるくらい張っていた人、天井に星のシールを貼って、夜電気を消すとそれらがほんのり光るようにした人などそれぞれの部屋を作っていました。
②成功体験を得るため:自立援助ホームにくる多くの青年たちは、自分に自信が持てていないことが多いです。それはそれまでの人生の中で、達成感や成功体験をあまり経験していないからだと考えています。そこで自分で稼いだお金で自分の好きなものを買う、それが目に見える形で残っているということで成功体験を積み重ねていってほしいという思いがあります。
③アパート自立をする際に余計な費用がかからないように:あすなろ荘で貯金をし仕事を継続していく中で、青年たちはいずれあすなろ荘からアパート生活に旅立ちます。アパートを借りるだけでも数十万かかる中で、テレビや家具、ベッドなど必要なものも買いそろえてしまうと、それだけで貯金がどんどん目減りしていってします。あすなろ荘にいる間に自分の好きな家具をそろえ、それをもってアパートに移ることで経費を抑えるという目的があります。
④使い慣れたもので生活できるように:一人暮らしがスタートしたとき、それまで複数の仲間や職員と過ごしていたのに、突然一人になり、静かな空間で初めての一人暮らしを始めなければなりません。そんなときに使い慣れたものがあるというのはそれだけでも安心感につながると考えています
あすなろ荘は内側からも鍵がかかります
またあすなろ荘の個室は鍵がかかるようになっており、内側からも外側からも鍵を使って閉めることができます。
内側からも鍵で閉めるようにしたのは単純にカギをなくさないためですが、なぜ内側からも鍵をかける必要があるのでしょう。
ホームによっては鍵をつけていないところもあります。しかし、自分が出かけるときにはアパートでも当然カギをかけますので、その習慣は必要だと思います。また誰も入ってきてほしくないと思っていても、他の寮生が勝手に入ってくることも考えられます。そこで自衛策として内側からも鍵をかけることができるようにしているのです。
内側から鍵をかけてしまうとひきこもってしまうのでは、という声をいただくこともあるのですが、自分の時間の中でひきこもること自体は問題ではないと考えており、スタッフと話をするときや仕事等をするときにきちんと出てくることができるかが大切だと思っています
個室は青年たちの基地
個室は青年たちの安心安全の場です。当然そこはプライバシーもあるので立ち入ることはできません。本人の了解を得られない限り、決して入ることはしません。
ただし、片付けができない青年もいるので、月に1回だけ部屋の片づけができているか、「オープンルーム」を行っています。ある程度きれいに片付いているのか、ゴミなどが散乱していないか等を確認します。青年たちにはあらかじめ予告をして、それでも片付けられないときは一緒に掃除することもあります。
最後に
個室は青年たちにとって、だれからも干渉されない心休まる場所であってほしいと思います。
そのため部屋の管理は基本本人たちに任せています。
このことは結果として、社会に出たときに自分の部屋の管理を自分でできるようになるのではと考えています。
そんな思いも込めて様々な思いと工夫を凝らした部屋を用意してあるのです。
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