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風鈴とおばあちゃんと私と #シロクマ文芸部

 風鈴と一緒に白河夜船に揺られた幼い頃の夏を思い出す。

 蚊帳の中にひかれた布団にごろんと横になると、祖母が電灯の紐を二回引っ張る。ぱちんぱちんと。四角い電灯の笠から豆電球のほのかな橙色が部屋を包む。こもった熱は縁側を開け放して夜に溶け出していく。

 楊柳ようりゅうのパジャマはすぐに汗ばんで、祖母がゆっくりとうちわであおいでくれた。そのうちわの風が心地よくて目を閉じた。縁側にぶら下がった釣鐘型の南部鉄風鈴から溢れた音が細く長く響いていく。

 風鈴の音を聞くたびに、夏の夜の匂いと質感を思い出す。そばがら枕のざりっという固さ、ふわふわとした夏掛けの軽さ、天井の木目、何もかも心地よく。早逝した祖母と私の夏の思い出はあの縁側の隅っこでリンと音を立てているような気がする。

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小牧部長、今週もよろしくお願いいたします。

お盆の頃の夜は、思い切っていうと、千と千尋の神隠しみたいな色をしています。なんだか不思議な色。私にとっては景色っていうより色なんです。そんなことを思いながら書きました。

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おまけ

百日紅

母方の実家のお盆は7月の終わりでした。
お寺の境内にある百日紅が見事でした。