「暴力的にカワイイ」というイベント
去る10/9。
「暴力的にカワイイ」に行ってきた。
昨日は気持ちの整理もつかず、肉体的にも追いつかなかったわけですが、少しずつ整理もついてきたのでここに感想とか、感謝とか、書き綴っておこうと思います。まだ魂があの地に残っているうちに。
そもそも「暴力的にカワイイ」というパーティーについて。このパーティーが生まれた2017年、僕はまだ一介の田舎で浪人生活をしている頃だったし、全然クラブというカルチャーにも足を突っ込む前だった。今はなきLOUNGE NEOという箱で始まり、最初は150人ほどのお客さんだったそうだ。それが今や新木場のageHaという、クラブを知る前の僕ですらその名を知っていたようなクラブハウスを人で埋め尽くすモンスターパーティーになった。こうなるまでにはオーガナイザーのスーさんはじめ演者の皆さん、当時からのお客さん、いろんな人の力があってこそだと思うし、そして自分みたいな新参者でも温かく迎えてくれて、みんなが楽しいと思える雰囲気を作っていってくださっていたこと、本当に頭が上がらない。すごく感謝の気持ちでいっぱいです。
で、迎えた当日。タイムテーブルが出た時から「体足んねぇ!w」って言ってたけど、案の定足りなかった。前回がずっとアリーナから動けずにいた分今回はたくさん回ろうと意気込んでいただけに、余計に身が引き裂かれる(物理)思いだった。ただ1つ確実に言えたのは、全フロア全演者が最高の音を鳴らしていたこと。息つく暇もなかった。走り回って踊り狂ってた。世界で一番幸せな疲れだった。全部は書けないから、特に印象的だったなって方々の感想を書いていきます。
まず、BOXトップバッターのJAUさん。深刻な被りでちらっとしか見れなかったけど、そのちらっとでも分かる圧巻のパフォーマンス。トップバッターであれだけ人を熱狂させるDJ、後にも先にも見れないんじゃないかと思うくらい。偉そうなことは言えないけど、「自分たちの持ち曲」という秘密兵器がない分、どんな風にしたら盛り上がってくれるかを細かい部分まですごく工夫されているのを感じた。またイベントに出る機会があったら次は絶対じっくり見たい。
次にWATERのpiccoさん。この1年間くらいで「ボカロエレクトロ」というジャンルを色々聴くようになって、ボカクラにも足を運ぶようになったりして、このジャンルが大きくなっていくのを肌で感じてきたので、出演が決まった時自分も嬉しかったし絶対見ようって決めてた。このイベントに代表されるインターネット音楽の歴史を語るうえでVOCALOIDの影響って絶対に外せないし、その意味でも今回こうしてボカロ側からクラブカルチャーにアプローチを仕掛けるトラックメイカーが出演したのはすごく大きな意味があると思う。その代表として、同じくこのカルチャーを盛り立ててきたRenoさんをはじめたくさんのトラックメイカーの想い、ボカロ、クラブカルチャー双方への愛を詰めたプレーをたくさんの人たちと見れてすごく幸せだった。普段ボカクラに出入りするような方々もこのイベントに来てくださって、ご挨拶できたのも個人的に嬉しかった。
あとIslandのPa's Lam System。piccoさんが終わってから15分くらいしかいられなかったけど、それでも本能が暴れ出すレベルでやばい音が鳴ってた。というかIslandが一番「行けば絶対にやばい音が鳴ってるフロア」だった。マジでFuture What'sを体現してて最高だった。何か曲わかんないけど音めっちゃいいみたいな感覚、一番クラブにいるのを実感できる。
そしてSECRET GUESTことTAKU INOUEさん。二次元のオタクからクラブカルチャーにハマるうえでもう絶対に避けて通れない神のDJを、このageHaという場所で見れたこと、本当に夢のような時間だった。自分は今日この瞬間のために生きてきたんだって本気で思った。イノタクさんが直近でリリース、楽曲提供したトアルトワ、3時12分、Stellar Stellarといった曲たちも作曲者自らの手でかけてくれた。特にStellar Stellarはこの曲が出た時すごく落ち込んでて、これを聴きながら夜空を眺めてたら何だかすごく励まされたことがあったので、生憎曇ってて星は見えなかったけど、最高の場所で最高の仲間と同じ場所で聴けて、また頑張ろうって思えた。
そしてYunomiさん。暴力的にカワイイと言えば何と言ってもこの人。最近リリースされたサイケデリック路線の楽曲をアリーナで流して果たしてどうなるのか、期待と恐怖が入り混じる中行った。もう何か、すごかった。この世のものと思えないような破壊と創造の重低音が完全に空気を支配してた。周防パトラさんのイミグレーション、宝鐘マリン船長のUnison、そして突如流された電音部の新曲。こんなものをリリースしていいのか?と思ってしまうほどの異常な音に狂うしかなかった。これを初めて聴けた場所がageHaのアリーナだったの一生自慢していい。そして締めのHyper Bass。去年最大の衝撃は今年になっても色褪せない。やっぱりクラブで流れることで完成される、あの重低音。
それからPSYQUIさん。去年熱発で当日断念した無念を、最高のプレーで晴らしてくれた。やっとアリーナで、PSYQUI自身が流すPSYQUIの音を聴くことができた、その事実だけでもう感無量だったし、未だかつてないほどの音の迫力に圧倒されるばかりだった。Suchさんの生歌も前回の暴カワ以来に聴けて、高音の力強さが以前よりさらに増した感じがして、ひたすらに力を感じ続けたステージだった。何よりageHaのアリーナにPSYQUIがやっと立てた。そのことが一ファンの端くれとしてやっぱり嬉しかった。
そしてそして、全フロアの大トリ、Batsuさん。初めて会った時、まだ全然クラブに慣れてない自分に優しく話しかけてくれて、それ以来毎回乾杯して顔も覚えてくれてる優しい人で、でもDJブースに立ったその瞬間、世界で一番かっこいい男になる。でもこの日の彼は、そんないつもの何倍も輝いてた。俺が世界最強だ、そんな自信にあふれたプレーをまたしてくれた。
そしてここであの伝説のアイドルCY8ERが舞台の上に現れて。ドルオタとかじゃ全然ないのに、目の前のその光景に完全に目を奪われてた。あぁ、これがCY8ERなんだって。ついに現地に行くことはなく解散してしまったアイドルを、初めて、しかもこんなに近くから見てる。夢じゃないのかって。チケットの値段1桁間違ってるんじゃないかって本気で疑った。さらにりなはむとにかもきゅ、BPM15Qのパフォーマンスまで。いや、BPM15Qなんて完全に、伝説の存在だと思ってたよ...。本当にこんなことがあっていいんだってなった。目の前の光景がひたすら信じられなかった。
そしてパーティーも終わりが近づき、Batsuくんが最後にかけたのはあの名曲、Tell Your World。そして、その作曲者であるkzさんが、壇上にいた。その光景と共に、今までのことが走馬灯のように思い出された。
kzさんに出会って、Tell Your Worldという曲に出会って、僕の音楽観は180度変わった。この出会いがなければ僕はあの時あの場所にいなかったし、クラブという場所に行くこともなかったし、普段聴く音楽だって全然違ってたと思う。ageHaという場所の存在もkzさんのおかげで知ったし、ボカロに興味を持ったのもそうだし、Yunomiさん、Ujico*さん、YUC'eさん、そうした暴カワに出ている人達のことを知れたのも... そんな、自分がクラブカルチャーにハマる前から一作曲家として憧れ、敬愛していた人が、目の前の最高の舞台に立っていて、その人が作った歌が、そこにいるオーディエンス全員を沸き立たせている、その光景にひたすら震えた。ここに来てよかった、クラブに出会えてよかった、音楽を好きでいてよかった、たくさんの感情が、あの瞬間渦巻いてた。
全部が終わった今、過去最高に楽しいパーティーだった、こんな最高の瞬間人生で二度とないなって、改めて感じる。そして訪れる、ageHaという場所が無くなってしまうことへの寂しさ。こんなに楽しい場所が無くなってしまうこと、やっぱり名残惜しさだったり、やるせなさはどうしてもある。でも、これで終わりじゃない。僕らの愛するカルチャーはまだまだずっと続いていくし、そうあれるようにしないといけない。今回知り合いの中には未成年で来れなかった人もいっぱいいて、その子たちが成人してクラブに来た時、もちろんこれからこういう音楽を好きになって、初めてクラブに足を運ぶ人たちにとっても、クラブって楽しい場所だ、温かい場所だ、優しい場所だって思ってもらえるように、ただの客という立場からでもできる限りのことをしたい。かつて初めて行った時の自分がそうであったように。だから、今はもう少し、待っていてください。
最後に、このイベントを作り上げてくださった皆さんにお礼を言わせてください。まず何よりこんな素敵なイベントを企画し、成功させてくれたオーガナイザーのスーさんへ。こんな大変な情勢の中で色々制約もあって大変な中でこんなに素敵なパーティーを開いてくださって、すごく生きる希望をもらえたなって思います。スーさんにしかこのイベントは開けない、それを改めて心から実感しました。本当にありがとうございました。
次に、出演してくださった全出演者の皆さんへ。今日という日のために最高のパフォーマンスを用意してくださり本当にありがとうございました。いたるところから流れてくる音を聴いて、「音が楽しい」ってこういうことなんだっていうのを心の底から実感できました。今回回れなかった方々もいつか、どこかの機会で絶対聴きに行きます...!
そして、同じ空間で踊ってくれた、僕の仲間たちへ。1人だったらこんなに楽しいってきっと思えなかった。知り合った場所は様々だけど、こんな自分に声をかけてくれて、友達になってくれて、一緒に盛り上がってくれる、そんな人たちにたくさん出会えて、すごく幸せだって心の底から感じることができました。本当にありがとう。そして、願わくばこれからも、僕のかけがえのない仲間であり続けてくれたら嬉しいです。
おわり。とんでもない怪文書ができました。冷静にこんなこと書いちゃうの自分でもめちゃくちゃやばいと思ってる。インターネット黒歴史だ...。ちなみに酒は一滴も入れていません。