[雪降る夜からのギフト]
しんしんと雪が降る夜
草芽が生えたるを待ち侘びる日々
堪えに堪えて乾拭き屋根に
そうっと雪と共に舞い降りる種
誰がそうしたか
誰が落としたか
生きた 種の芽は死という眠りにつかんとして芽を閉じる🌱
やあ君かい?
君が僕を呼んだのかい?
待ってた……。
ずっと前から待って仕方なく今夜まで……。
君も無茶だなぁ
みんなは?
眠ってる。夏まで。
君は?
眠りに囚われたく無いから……。
えぇ⁈
だから出て来た、っての?
んー、……うん。
だったらウチに来るかい?
暖房も囲炉裏しかないし食べ物も。。。
それともここにいる?
ウチに来なよ。
あ、ありがとう。
私、私の名は……。
ひまわり!!
僕が見つけた君に最初の贈り物の名だよ。
こぉーんな寒い雪の夜に咲いた ひまわり。
あ、あり、ありがとうございます。
あなたで良かった。
泣いちゃダメ、泣いたら塩分で枯れちゃうよ
桜姉さんも、百合姉さん達も皆んな枯れちって、ひとり どうしていいか分からず……。
ただ待ってた。
私も枯れるのを。
でも、気付いたら私に無数の私がいることを
命は滅び去り また明日の日に再臨する。
爺ちゃんの言葉。
さ、着いたよ。
ちょっとボロいけど雨風 雪は凌げるさ。
次に強い風が吹いたら風邪ひいちまうよ。
ちょっと待ってて、いま湯を沸かすから。
あ、あの。
答えなんて簡単に出ないよ?
簡単に出る事は 悩みでもなんでもない。
人生、悩んで、悩んで、悩み続けること。
爺ちゃんの言葉。
悩むことは勇気がいるよ?
死ぬ人もいる。
ゆっくり ゆっくり悩んで答えを出そう。
あ、あの。
なに?
お湯……、ありがとうございます。
二つ目の贈り物、お湯、ってね。
ご飯にするよ。
食べれない物も、食べたい物もない、
食べるよ。
は、はい。
あの……怖くないんですか?……私が。。。
そうだねぇ。
普通の人が見たらね。
僕はもう一つの眼(芽)持っているから別に。
もう一つ……の?まさか!?
そう、キミと同じ化け物、
いや違うなぁ、化け者だよ。
暫くゆっくりしてて良いよ、
僕も休むから。
春風に頬を撫でられた気分です。。。
ハハッ、
食べて寝よ。
話は また明日ね。
ゆっくり、ゆっくり、時間をかけて……。
クスッ、お爺さんの言葉ですね。
ハハッ、見破られたか。
しんしんと雪降る夜その刻はゆっくりと。。。
つづく?