バックパック
僕はいつもバックパックを背負っている。
本当は手ぶらがいいが、仕方なくいくつかの物を持ち歩いている。
大体、本数冊とノートパソコン、電源、イヤホン、歯ブラシなどの日用品が入っているのだが、それだけで結構重くなる。
京都や大阪に行ったときに街をかなり歩いた。
歩くごとに肩と腰の緊張と疲れが増しているのがわかったが、どう工夫してもなかなかうまく背負えなかった。
バックパックはAerのDuffel Pack 2だった。
物を入れる場所がうまい具合に分散されていて、生活の中で重宝するものだった。
しかし、ストラップの出方が単純で、重みがうまく体にかからないのは背負い始めたときからわかっていた。
それまではMystery RanchのSweet Peaを使っていた。
これは背負い心地は最高だが、物を入れる場所がとにかく少ない。
街で普段使うためのものではないから仕方ない。
そこでAerのを試してみたのだった。
その前はMystery RanchのCoulee25だった。
これもすごく良いのだが、やはり物を入れる場所が少ないのと、腰のストラップが収納できないため、腰のをプラプラ前に出すか、折りたたんで背中にしまうかするしかなかった。
背中にしまうと折角のフィット感が台無しになる上、その部分だけ服が擦れるのでジャケットにあとがついてしまった。
それで腰のストラップが収納できるSweet Peaを買ったのだった。
今後、講座やカウンセリングの仕事を少なめにして、ぷらぷらしながら生きていこうと思っている。(持ち物といえば、本と服くらいなので、ついでに持っている本もほとんど全て処分しようと思っている。)僕の場合はノートパソコンと少しの着替えがあれば、どこでも生活できる。毎日することは決まっている。本を読んで、運動をして、文章を書いて、美味しいものを食べて、少しだけ人と話す以外には特にない。それらがバランス良くあり続けていれば、健康に過ごせる。どれかが少し過剰になったり、欠けたりすると調子を崩してしまう。
そういう意味ではバックパックこそが自分の家であることを、いろんなところをぷらぷらしながら気がついたのだった。
京都での肩と腰の緊張が気になっていたので、東京に戻ってすぐにMystery RanchのScape Artistを買いに行った。
お店の人にフィッティングしてもらうと、腰、背中、肩甲骨にかけてピタッとフィットして、これしかないと思った。
購入後、荷物を移してみると旅行帰りということもあり、バックパックが滅茶苦茶重くなる。
こりゃ重いな……と背負ってみるとその重さがすっと消えてしまった…!
背負って歩くだけで気持ちが軽くなる。
背負うとむしろ軽くなるという意味では、今着ているコート、ジャケット、カットソーもそうだ。一見ほんの些細なことだが、目立たない些細なことであるだけに職人の技術が集約されているのだろう。
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