最後のラポールと身体知

最後のラポールと身体知だった。
この講座では、社会における強さと弱さ、繊細さと鈍さについて考え続けた。

自分自身の過敏な性質から、講座は自ずと繊細さと弱さに寄っていた。
しかし、鈍さもまた弱さである。繊細であることも鈍くあることも変わらない。
鈍く見える人の中には繊細さがあり、繊細に見える人の中には鈍さがある。
繊細であることを良しとすれば、鈍い、繊細と判断してしまった両者の中の繊細さ、鈍さを見ようとせず、鈍く見えるものへの暴力が生まれてしまう。まさに自分がそうだった。

やめようと決めたきっかけは武術のジムに通ったことからだと思う。
中国武術ではあるが、体を感じる、とかではなく、自由に攻撃をし合う。何も知らなければボクシングジムにも見えるかもしれない。しかし、やっていくと上達のためには自分の体を感じる必要があるのがわかる。ただそれについては殊更には語られない。先生のちょっとしたアドバイスがそれを促すものになっている。アドバイスを受け取っても良いし、受け取らなくても何も言われない。稀有なバランスがとれた空間だ。
はじめは速い攻撃に全く対応できず、ただ殴られるだけの日々が続いた。このとき、自分が生きていくために必要な繊細さだと思っていたものは、内気な傲慢さ、臆病さでもあるとはっきりと感じられた。積み重ねてきたことが通用しないという絶望ももちろんあったが、この歳になってもまだ可能性が残されていることに嬉しくなった。
もうすぐ始めてから二年ほどになるが、ようやくこれまでやってきたことと繋がり始めている。
どれだけかかるかわからないが、自分自身のトレーニングに集中しようと思う。

今までたくさんの方に受講していただいたことを感謝しています。
カウンセリングワークショップはこれからも続きます。

ここから先は

0字

日々

¥500 / 月 初月無料

日記。 更新は最低月4回です。気分によって多いときもあります。

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?