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7/18②クラスレッスン
Bdur 3/4 ト音記号単旋律の聴音です。
これは何週間か続けていることですが、途中でBdur以外へ転調している箇所があるのでその指摘と、調名を答えさせます。
この作業、調判定の能力をつけさせると同時に、もう一つ大切な役割があります。
聴音における臨時記号つけ忘れミスの撲滅です。
3〜4小節目にかけてcmollに転調しているところを例に説明します。
このクラスは「なんとなく転調しているな」という気配は大体察知することができる生徒たちです。
私は調判定に関して、かならず生徒にきちんとした根拠を聞くようにしています。
なかなか苦労しているようでしたが、シにナチュラル、ミにフラットという根拠から、ひとまずcmollということは分かりました。(ここらへんは考えなくても感覚で調名が分かる生徒もいるかと思います。)
では、次は何を確認するか。cmollであるならついていて当然の臨時記号が、きちんとついているかの確認です。
原調はBdur、そこからcmollに転調しているということは、調号が1つ増えていること(シミ→シミラ)、導音であるシの音にナチュラルがつくことが多いということです。
ここで生徒、3小節目のラの音にフラットをつけ忘れていたことを発見。
途中で転調する課題にありがちなのですが、完全に頭が転調先の思考になっちゃうと、もともとの調の調号を忘れちゃうんですよね。それを防止するための課題でした。
【転調箇所、調名答え】
3〜4小節目 cmoll(シにナチュラル、ラにフラットなどの根拠)
5小節目 gmoll(ファにシャープ、シはフラットのままなどの根拠)
6小節目 Asdur(レにフラットなどの根拠。5小節目とゼクエンツの関係)
7小節目 Fdur(ミにナチュラル。Bdurのドッペルドミナントとして考えても良い。根拠さえしっかり示せれば、調判定には複数の回答が存在しうることも説明)
ゼクエンツの練習
先ほどの課題で、5小節目と6小節目がゼクエンツになっていることを話しました。
ちょうどバロック期の曲に取り組んでいる生徒がいたため、ゼクエンツにスポットを当てた教材を作りました。
ゼクエンツとは…反復進行のこと。「複数の和音による連結グループをブロックとして、別の音高へそのまま移動させながら反復していく進行。」(林達也著 「新しい和声」53pより引用)
すごくざっくりいうと、1〜数小節の音のグループが同じ形でどんどん上がってるor下がってることです。
今回ソロver.とデュオver.の2種類ご用意しました。
どちらもルールは同じです。
1小節目と8小節目だけ聴音させます。2〜6は、1小節目の音の形をそのまま踏襲して、始まりの音を1音ずつさげていきます。楽譜に書くのは禁止。1小節目のみを見て、自分で考えて弾かなければなりません。
理屈は分かっていても、これがなかなか難しい。
苦労している生徒には、指番号を書かせました。黒鍵を含まないゼクエンツなので、一度指番号を決めたら次の小節以降も同じ要領で弾くことができます。
また、デュオver.では掛留音の位置がピアノ1ピアノ2でそれぞれ違うことを理解させ、タイ(掛留音)の音を強調して弾くとどれだけ違った演奏になるか比べてもらいました。
途中でパート交代。意外とピアノ2の方が難しいそうです。
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