小さなスプーン
わたしの持っているスプーンは銀色だけどとても小さい。その小ささにおびえていて、ひとさまに
「きみのスプーンは小さいんだね」と指摘されるとびくりとする。指摘されるのも知られるのも怖い。だからわたしはいつもスプーンを隠すように持っている。
そのスプーンの大きさを小ささを気にしないでほしい。と、好きなひとに出逢うたびに思う。できればこの小さなスプーンをかわいいとすら思ってほしいと。
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