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キリスト教絡みの考察や思い付きまとめ

瑞希

*一度twitterで呟いた内容をまとめたものです。読みやすさを考慮して編集を入れていますが、大体の本文はオリジナルのままになっています。
**内容に関連があるものをつなげておりますので、時系列はバラバラです。
***内容は予告なしに更新されます。
****筆者はクリスチャン（カトリック）です。

割と根拠があるかなあと思う考察

【そのそも「王の器」って何なんだ？】
王の器は聖杯なんじゃないかなあというよくある話。

キリスト教的には聖杯とはイエスの血が注がれた器（形は問わない）。
イエスは（クリスチャン的には）創造主たる神と等しいので、イエスの血は創造主の血。
創造主は因果の原点。
なら聖杯＝「因果の原点」の血が注がれた器、とも言えるかも？
イエスの血は神聖属性天元突破してるだけの血液で、決して彼の本体ではないけれど。

王の器には王のソウルがぶち込まれる。
なるにぃさん曰くソウルは因果の法則。
そして一番強いソウルが王のソウル。
ソウルは血を媒体とする。
最強の因果法則に近しい血が注がれた器って聖杯なのでは？と思ったり。


【アルトリウスとキアランが青白の聖母コーデなのにも絡んでいる？】
不死隊の外見は白赤の取り合わせ、すなわちジーザスコーデだなあー、などと以前呟いたが、まさかファランとピエタに関係があるとは……。本当に不死隊には意味があって救世主の色（自己犠牲の赤と貴さを示す白）が配置されているのかもなあ……。


【父と子と聖霊は同一であり同位であり同格である】
マヌス。深淵の「主」にして「Father」。その呼び名にmy Lordたる三位一体の神を思い出す。父と子と聖霊の。

マヌスがそういうそれなら生き物をcreateしても何もおかしくはない。ただそれとするなら、父と同位にして同一の存在である子と聖霊はどこに？

was born of the DarkのデュナシャンドラとかThe spurned child of the Abyssであるカルラが興味深いんだけど、彼女らってマヌスの同位体と言えるのだろうか。父と同位・同格の存在でないと、三位一体的な「子」とは呼べない。


【公式回答を知っておいて損はない】
原罪とはそもそもカトリック的には何なのか。以下がその答え。

38　原罪からどのような結果が生じましたか。
原罪の結果、人間の本性は弱まり、人間は無知と苦しみと死の支配下におかれ、たやすく罪に傾くようになりました（この罪への傾きは「欲望」と言われます）。

カトリックの教え カトリック教会のカテキズムのまとめ_キリスト教の信仰宣言　より

原罪、欲望、罪。ふーむ。ここで原罪と欲望が繋がってくるのかあ。

原罪の探求者、欲望そのもの？の人間性。原罪の結果として人間性が生じたのか、単に人間性＝原罪なのか。まあこれあくまでカテキズム、カトリックの物語を踏まえたものでしかないけども。


【ダークソウルと油】
キリスト教的モチーフをふんだんに取り入れてるっぽいダークソウルの中で、油をあんまり見かけない気がするのが不思議。キリスト教はメシア（＝油を注がれた者）教だと言うのに。

それに火に油を注げば一時的に火を強められる。でも火の物語であるダークソウルには油があんまり無い。なんで？


【人間性こそが油である、という素晴らしい啓蒙】

ダークソウル2の黒渓谷の穴は火を放つと油の様に燃えますね
人間性も火を育てる性質があるので油っぽいような
深みの主教や教導師の様に溜め込むと肥える=脂肪みたいですね

下し続けるもの（@ytgapu）さんのツイート


血液として表現されていると思います。
深淵の監視者とかガッツリそんな描写です

ロスリック城の梯子ギミックの首切り騎士も同様かと。騎士達は自分の油をロスリック王子に差し出したのではないでしょうか。王の薪となれる様に。

ビル犬（@kanoichi1）さんのツイートより


【啓蒙を受けて考えたこと】
仮定１：人間性＝油かもしれない
仮定２：ダークリングの顕現＝人間性（or 暗い魂？）の活性化の合図かもしれない
↓
推測１：不死は人間性（油）を抱えた人間？　油が目覚めた人間？

事実：一神教の物語では「油を注がれた者」は救世の王のことを指す

問い：ダクソ世界における「油を注がれた者（メシア/キリスト）」とは誰か？
↓
推測２：選ばれた不死？　もしくはロンドールの王？


【油を注ぐのは聖別のしるし】
ダクソの人類は最初から人間性（≒ダークソウル？）っていう油を持ってるから、最初から聖別された存在と言えるかもしれないなあ。


【カトリック流の儀式「秘跡」】
カトリックには秘跡と呼ばれる儀式がある。洗礼、堅信、聖体、ゆるし、病者の塗油、叙階、結婚の七つがそれだ。詳しいことは本気で神学の話なので私には分からない。分からないが、私はカテキズムの教科書を持っているのでそこから適宜引用しつつ、考察に役立てていこうと思う。

まずは秘跡の基本的な部分について。

130　秘跡を受けるには信仰が必要ですか。
秘跡は信仰を前提としますから、 秘跡を受けるには信仰が必要です。秘跡は「ことば」と「しるしとなるもの」（たとえばパン、ぶどう酒、水、油など）によって信仰をささえ、信仰を強化し、信仰を表明します。

カトリックの教え カトリック教会のカテキズムのまとめ_秘跡による救いの営み　より

形式に限って言えば、ダクソの奇跡システムに似てる？

まあ秘跡は奇跡じゃないけど。洗礼や聖体拝領とかが秘跡、海開き（物理）や触れただけで病人を癒すこととかが奇跡。両者の次元はだいぶ違う、と思う。


【結界の大盾＝クレンジング・グレートシールドとはどういうニュアンスか】
結界の大盾の英名はCleansing Greatshield。最初はこの「クレンジング」のニュアンスが分からなかったのだが、フォロワーさんから情報を頂いて腑に落ちた。

DS3の「清拭」の小教会もCleansing Chapelですね。

なるほどと思ったのですが、鳥居のようなスピリチュアルに異と俗を隔てる「結界」を表す英単語ってなさそうで、Barrierだと物理的な障害で違います。

「シフを邪から拭う」イメージをキリスト教的な「清拭」という宗教行為に準えたのかなとか。

she.oaken（@SheOaken）さんのツイートより

さらにとどめの聖書英日比較！

If we confess our sins, he is faithful and righteous to forgive us our sins and to cleanse us from all unrighteousness.
1 John 1:9 CSB

自分の罪を公に言い表すなら、神は真実で正しい方ですから、罪を赦し、あらゆる不義からわたしたちを清めてくださいます。
ヨハネの手紙一 1:9 新共同訳

このニュアンスでCleansing Greatshield、清めの大盾か！　なるほど！


【アルトリウスの契約相手は誰なんだろう】
「アルトリウスの契約」のフレーバーテキストによれば、アルトリウスの契約相手は「深淵の魔物」「the beasts of the Abyss」「深渊魔物」。

興味深いのは"the beast"も中国語の"魔物"も、「悪魔」を意味する語であるという点。

"mark of the beast（獣の刻印）"は聖書の黙示録に出てくる言葉だが、この「獣」は悪魔を意味する、というのが一般的な解釈。
そして中国語の"魔物"は怪物、妖怪、魔鬼、妖魔、（仏道を妨げる）魔物、悪魔などを意味するらしい。

日英中のテキストワードに共通するニュアンスは、恐らく「悪魔」ではないかな、と筆者は考えた。

そんな悪魔がいる深淵は地獄みたいな立ち位置だろうか？　コキュートス的なアレだろうか？　でも深淵の主マヌスは人間で、堕天使ルシファーとは違う。

もし深淵が地獄ポジションだとしても人間が主となっている以上、一神教的な地獄とは何かが違っているんだろう。何がどう違うのかは全く分からないけれども。



単なる思い付きレベルの戯言

【個人的な第一容疑者は🦅】
ファランの城塞のピエタ（ファランのピエタと今後呼びたい。長い）、彫ったの誰だろう。何の意図で彫られたのか、キリスト教の無い世界でのピエタは誰の肖像だったか、そして削ったのは誰か。薪の王・深淵の監視者への称賛であろうファランのピエタを削る動機を持つのは誰だ？

ピエタという主題は「尊い自己犠牲の刑死を成し遂げたイエスと、我が子への愛ゆえに悲しむ聖母マリア」を意味するので、世界のための生贄・薪の王にピエタは相応しく、彫った者は不死隊の苦しみに称賛と悲しみを寄せていると取れる。そして削り取った者の意図はその逆。誰だろう？


【侍者には信徒なら誰でもなれます、一応は】
司祭さん（本物）から司祭・助祭・侍祭の違いを教わるなどした。ダクソ考察のためです。結論から言えばカトリックには「侍祭」というものはないとのこと。侍者ならいるけど。


【三代目青ニートが赤い理由はここにあったりして？】
ダークソウルにおける色彩についてはTogetterでツイートをまとめてあるんだけど、それへの補足。

アルトリウスは銀（≒白）と青を身に着けているけど、青白の組み合わせはカトリックではマリア様コーデ。これは彼が聖なる女性に仕えていたことの表れ？　アルトリウスはグウィネヴィアの騎士だったって眷属兄貴がラテン語翻訳で書いていたし。

そしてアルトリウスと不死隊のことを考えるといささか不思議な気分になる。不死隊は赤白のジーザスコーデ。また彼らはアルトリウスのソウルを継いでいた。そのアルトリウスは聖母コーデ。聖母はイエスの母。やっぱ彼ら親子関係と言えるんじゃないかなあ（暴論）。


【コンクラーベだとするなら選出された教皇は誰？】
ファランにはミケランジェロのサン・ピエトロのピエタがあったとの話、実にワクワクする。それによってファランとバチカンが繋がるから。サン・ピエトロ大聖堂は使徒ペテロの墓の上に建つと言う。ファランの城塞は誰の墓の上に建っているのだろうか？

しかしバチカンっぽい所に居住する赤服の人々ねえ……。その条件だと枢機卿猊下方が連想される。枢機卿が1つの建物に集まるって言えばコンクラーベ。なに、不死隊は教皇選挙でもしてたの？　嫌だよ、あんなデス・コンクラーベなんか。そりゃ不死隊だって泣くよ。


【神に属するものは何であれ永遠なのがキリスト教】
キリスト教的には罪は消えることも軽くなることもないもの（神は全ての罪を覚えていてそれを正しく裁かれる）という点を考えると、弱まっていくのが摂理である「火」はキリスト教チックな罪ではないのかもしれないなあ。

仏教的な業とかの方に近いのかも？　カルマは善行を積むことで少しずつ軽くなっていくイメージがあるから。ちゃんとした根拠は無いけど。経典漁った方がいいのかな……。


【ダークソウル人類の原罪とは何か】
原罪は人間にしかない、という点を考えると人間性やダークソウルって原罪っぽいな？

原罪の探究者、原罪哲人、Scholar of the First Sin。彼の研究テーマは具体的には何であったのだろう。

しかしダクソ世界での「原罪」って、誰に対しての罪なんだろう。原罪が罪なのはイエスのお父さんとの約束を破ったから。というかイエスのお父さんが罪だと定めたから。イエスのお父さん的存在がいないっぽいダクソ世界で、原罪は存在し得るのだろうか。神学領域の話である気もするけど。


【頭部に油を付ける（漬ける）ということ】
大書庫でプレイヤーが頭に蝋を付ける、ということから思い付いたのだけれど、それって堅信や病者の塗油っぽいかもしれない。

堅信というのはカトリックの秘跡の1つで、洗礼を受けた人が受けられるもの。教理を理解したら受けられるもので、ちょっとした成人式みたいな気がする。堅信の秘跡は具体的にはこういう儀式。

154　堅信式のなかで本質的な箇所はどこですか。
儀式の本質は、司式者が秘跡を受ける人のひたいに聖香油を塗り、その人の上に手をかざし、「父の賜物である聖霊のしるしを受けなさい」と唱えるところです。

カトリックの教え カトリック教会のカテキズムのまとめ_教会の七つの秘跡　より

シンプル。

病者の塗油の秘跡も油を使う。アメリカのドラマとかで死にそうな人の側に聖職者がいて額になんか塗ってるシーン、あれが塗油の場面（イメージ図）。ただ(教会)法改正があったみたいで、現在では病気や不安のある人は割と気軽に司祭さんに貰いに行けるようになりました。

190　この秘跡の本質的な箇所はどこですか。
この秘跡の本質的な箇所は、司祭が病者の塗油の秘跡の特別なみを願って式文を唱えながら、病人のひたいと両手に塗油するところです。

カトリックの教え カトリック教会のカテキズムのまとめ_教会の七つの秘跡　より

こういった儀式がカトリックにはあるので、大書庫で蝋という油脂を頭に付ける（というより漬ける？）というのは秘跡関連かなあと思ったり。

加えて

あの蝋は人の体液由来かもしれない
↓
人間性は油かもしれない
↓
人間性とあの蝋には関連があるのかも？

という妄想も働いた。


【聖書で「火」「炎」を見たら神のことかな？と疑っておくと大体合ってる】
聖書において火や炎は神の力のあらわれとして用いられる表現。キリスト教的には罪を洗えるのは神だけだから、免罪できるベルカは神っぽいし、火や炎と親和性がありそう。

The voice of the Lord flashes flames of fire.
Psalms 29:7 CSB

主の御声は炎を裂いて走らせる。
詩編 29:7 新共同訳
Fire blazed throughout their assembly; flames consumed the wicked.
Psalms 106:18 CSB

火が彼らの仲間に向かって燃え上がり 炎が神に逆らう者を焼き尽くした。
詩編 106:18 新共同訳
They saw tongues like flames of fire that separated and rested on each one of them.
Acts 2:3 CSB

そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。
使徒言行録 2:3 新共同訳


【なぜ鋼鉄製の盾がCleansing結界の供給源になれるのか】
steelは今のところCSBの中には見つけられていない。なのでironでも良しとして検索。何となくiron/鉄は神による恐ろしい裁き、のニュアンスを伴っている気が。

裁きはベルカの領分。よって鋼鉄はベルカに属するものであるから浄罪の力を持つ、のかも？　清めの大盾が結界の供給源なのはそのため？

If he flees from an iron weapon, an arrow from a bronze bow will pierce him.
Job 20:24 CSB

鉄の武器から逃れても 青銅の弓が彼を射抜き
ヨブ記 20:24 新共同訳
Can anyone smash iron, iron from the north, or bronze?
Jeremiah 15:12 CSB

鉄は砕かれるだろうか 北からの鉄と青銅は。
エレミヤ書 15:12 新共同訳
You will break them with an iron scepter; you will shatter them like pottery.
Psalms 2:9 CSB

お前は鉄の杖で彼らを打ち 陶工が器を砕くように砕く。
詩編 2:9 新共同訳
binding their kings with chains and their dignitaries with iron shackles,
Psalms 149:8 CSB

王たちを鎖につなぎ 君侯に鉄の枷をはめ
詩編 149:8 新共同訳






情報元

深淵の主マヌス – DARK SOULS ダークソウル攻略Wiki（https://seesaawiki.jp/project_dark/d/%bf%bc%ca%a5%a4%ce%bc%e7%a5%de%a5%cc%a5%b9）

Manus, Father of the Abyss | Dark Souls Wiki | Fandom（https://darksouls.fandom.com/wiki/Manus%2C_Father_of_the_Abyss）
Karla's Ashes | Dark Souls Wiki | Fandom（https://darksouls.fandom.com/wiki/Karla%27s_Ashes）
Soul of Nashandra | Dark Souls Wiki | Fandom（https://darksouls.fandom.com/wiki/Soul_of_Nashandra）

Laudate | キリスト教マメ知識_典礼の色（https://www.pauline.or.jp/chripedia/mame_tenreicolor.php）

カトリックの教え カトリック教会のカテキズムのまとめ

ロイドはおまえだ | 『ダークソウル』シリーズ || ACID BAKERY（http://acid-bakery.com/text/archive/love_souls/darksouls10.html）

【ダークソウル考察】ファランのモチーフ、『イエス・キリスト』だった！！Dark Souls - YouTube（https://www.youtube.com/watch?v=hSxeWflw34w）
(暫定版)(翻訳) Knight Artorias(意訳) - YouTube（https://www.youtube.com/watch?v=KX5sWXzHYW4）



Photo by Victor He on Unsplash
（https://unsplash.com/photos/EZNsT0d08as）