アルトリウス・不死隊絡みの考察や思い付きまとめ
*一度twitterで呟いた内容をまとめたものです。読みやすさを考慮して編集を入れていますが、大体の本文はオリジナルのままになっています。
**内容に関連があるものをつなげておりますので、時系列はバラバラです。
***内容は予告なしに更新されます。
まあまあ根拠あると思えるもの
【アルトリウスの生前の行動こそ深淵】
日英それぞれのフレーバーテキストによれば
アルトリウスの契約では
「深淵の魔物=the beasts of the Abyss(深淵の獣ども)」
アルトリウスの大剣(呪)では
「深淵の魔物=the creatures of the Abyss(深淵の被造物ども/深淵の生き物ども)」
アルトリウスの大剣では
「闇の眷属=dark servants(暗い召使いども)」
狼騎士の大剣では
「闇の眷属=creations of the Abyss(深淵の被造物ども)」
アルトリウスは何を狩り、何と契約したのか。さっぱり分からない。「闇の眷属」の具体的定義すら分からない。
深淵の魔物、闇の眷属は、creatures とか creations という create に関連する名称からして、プロメテウスが泥をこねこねして人間を作ったようにFather of the Abyssたるマヌスが深淵をこねこねして作った生き物? マヌスが深淵をこねた逸話あったっけ?
【ウェスタはローマ帝国の火そのもの】
シフは雌狼。有名な雌狼と言えばロムルスとレムルスを養育した狼が思い付く。ある種彼らの養母とも言えるかな。
ロムルス・レムルスの実母も興味深い。彼らの母はウェスタの巫女であるレア・シルウィア Rhea Silvia。Silviaはラテン語silva由来(意味はwood, forest)。シフは黒い森にいる。
ついでに言えばウェスタの巫女はすごく火防女に似てる。 彼女らの務めが「女神ウェスタに捧げられた聖なる炎を絶やさないこと」だったり、聖なる炎を絶やそうとすることが極めて重い罪とされたり。
【キアラン、灰の人説?】
キアラン Ciaranの現代的意味合いがlitte darkだけど語源を探ってもどこにもlittle感が無い問題、姉に意見を求めたら「ちょっと黒、つまり灰色じゃない?」と言われた。その視点は無かったぜ。キアランもまた灰の人だった?ならどの薪の王にとって大事な人だったのだろう。まあ戯言ですが。
【深淵のソウルをそうとは知らずに飲んだ深淵狩り、とは笑えない】
"アルトリウスのソウル"の日英中テキストを参照してみると、アルトリウスは(武力とかによって)強制的に深淵に併呑されてるっぽいことが想像される。
アルトリウスのソウルは既に深淵に属するソウルと化していたのかもしれない。それを人間性を持った不死達が飲んだ。彼らの中で闇に深淵が重なる。それは最終的には深淵やその眷属に至る道ではなかったろうか。それなら討ち取り合うのも分かる。全員の中に深淵がまさしくあるのだから。
ホークウッドが火でも深淵でもないもの、古竜に至ろうとしたのはそのためか? 自分たちが屠ってきた連中と同じになりたくなかった?
あんまり根拠が無いもの
【別れを惜しむ歌】
ノイバラは古語で「うまら」。
万葉集に
『道の辺の うまらの末に 這ほ豆の からまる君を はなれか行かむ』
(道のほとりのイバラの先に、はい伸びる豆のつるがからまるようなあなたを、後に置いて私は行くのか)という惜別の歌がある。
詠み人は丈部鳥(はせつかべの とり)。丈部は宮廷での雑役・警備を務めたと思われる職業部。ノイバラを手向けることで、キアランはアルトリウスにこの歌を送ったのではないだろうか。
【円卓の崩壊に必要な3人】
アーサー→アルトリウス
グィネヴィア→グウィネヴィア
となれば秩序の崩壊のためにラーンスロットが必要な気もするけど、ラーンスロット役って、誰だろう?
モードレッドも重要人物だけど、彼は「アーサー王の死」にとっての重要人物であっても、「円卓の崩壊」の主要人物って感じはしない。アーサー王(アルトリウス)に致命傷を負わせたのがモードレッドだけど、現状それって深淵そのものじゃね?的な気がするんだよなあ…。
【グィネヴィアといえば】
グウィネヴィアの元ネタは不義で有名な王妃グィネヴィアだけど、グウィネヴィアも何らかの不義を働いたんだろうか? 結婚相手の名前が「血」だから、その相手が血縁の可能性も見えるし…FU☆O☆N
【グィネヴィアはアーサーの妃】
グウィネヴィアがアルトリウスの最古の主人とあるが(この解釈で合ってるのか凄まじく不安)、元ネタを考えれば当然のことかもしれない。グィネヴィアはアーサーの正妃、アーサーを第一の騎士とする貴婦人なのだから。
【ガウェイン卿はアーサー王の甥】
ホークウッド(Hawkwood)はガウェイン卿(Sir Gawain)と繋がりがあったりするんだろうか。いや、Gawainの由来がウェールズ語 gwalch (“hawk”)にあるって読んだからでしかないんだけども。
まあ gwalch には rogue (悪党,変異)の意味もあるから不死隊の例外に繋がるかなーとも思ったけど。妄想です。
【ある意味彼らはアルトリウスの実子なんだと思う】
血(遺伝子)を受け継ぐことが生物における親子を定め、物語や名前を引き継ぐことが神話における親子を定めるなら、ファランの不死隊はアルトリウスの子らと呼べるなあ。
ただアーサー王の子っていうとモルドレッドぐらいしか浮かばない。親子相打つ最期だぞあれ…。
【誰かを食べたんだろうか】
なんでシフが人間性落とすんだろ?いや本当に、どうして狼が「人間を人間たらしめるもの」をドロップするのか。本人のではないよな?
【音が同じだけかもしれないが】
ファランの不死隊の漢名は法兰不死队(法蘭不死隊)なんだけど、法兰って中国語でフランジなんだよね。確かに不死隊の兜はフランジっぽい形をしている。
【ファランの霊廟の建設時期と、霊廟化した時期っていつなんだろう】
ファランの霊廟の建設時期はいつなのだろう。不死隊の現役時代に彼らがすでに信仰対象だったのかどうか。不死隊が霊廟内に集合してる辺りから、何となくファランの霊廟は「薪の王・深淵の監視者」を祀ってるような気がしてる。
霊廟が不死隊を収容できる規模の建物であることを考えると、あれは本来は彼らの本拠地であったのだろうか。本拠地だった(過去形)とするには生活感皆無過ぎ? 不死が「生活」するかは分からないけど。もしくは建設当初から「不死の旅団」を丸ごと閉じ込めるものとして作られた建物であるか。
霊廟とは貴人の墓、貴人の死を悼む施設。しかしファランの霊廟は廟というにはあまりに装飾に欠けていて、廟という印象はあんまりない。ただの墓にしても簡素過ぎるし(棺すら無い)、一定数の人(夢追い人とか)に慕われていた貴人を弔う場所とは思えないのがどうにも解せぬ。
灰の人の起床時、鐘が鳴る時より前にファランの霊廟は存立している。深淵の監視者がファランに帰ったのは鐘が鳴る前であったりするのだろうか。薪の王たる彼らが何でかファランに帰って来たから霊廟が建てられた、みたいな時系列だったりするのだろうか?
【結果として終末の世界でアルトリウスが復活していたのかもしれない】
キアラン、結局もらったアルトリウスのソウルをどうしたんだろう。ソウルがあるなら適当な不死にそのソウルをぶち込めばアルトリウスと再会できる気もするけど。そうはしてない気がする。アルトリソウルが深淵に喰われすぎていてアルトリを再顕現させるほどにも残っていなかったのかな。
それでもアルトリウスにもう一度会いたいとしたらどうするか。アルトリウスのソウルに火成分(=神族成分?)を注ぎ足していくとか? どうやって? 不死隊はアルトリソウルを媒体として王蟲状態のようだし、不死の中にある火を足してったとか? 不死って火を持ってるの? ダークソウルなら持ってそうだけど。
ただ結果として不死隊のソウル、つまり狼血のソウル=アルトリウスのソウルは眩い火の状態にはなっていた。その火が火継ぎ由来か人由来か種火由来かは分からないけど。
【アルトリウスの血の一滴であるホークウッドは、アルトリウスであり得るか?】
不死隊とアルトリウスの関係は、もしかしたら細胞と「私」みたいなひどく哲学的な問いに行き着くのかもしれない。細胞(不死隊員)の集まりが「私(アルトリウス)」だと仮定するなら、どこまでが不死隊であり、どこからがアルトリウスなんだろう? そもそもその境目はどこにある?
「私」は無数の細胞で構成された1個の生体系である。故にその無数の細胞たちがいなければ「私」は存在しない。血の一滴は「私」だろうか、内臓は「私」だろうか、どこまでが「私」なのだろうか?
【あの悲しい歌詞で立ち現れる奇跡とは?】
相変わらずダクソBGMに聞き惚れてるんだけど、ちょっと不思議に感じることもある。ダークソウルで鐘の音は奇跡の触媒。そんな鐘の音がAbyss Watchersの始まりでめっちゃ響いてますよね。荘厳に、峻厳に、哀しげに。あの音は奇跡と関係あるのかな。
奇跡は物語られることで目の前に立ち現れる。カリムの聖女は優れた語り手。なら歌詞のある歌でも奇跡は発動するんだろうか。そうなら鐘の音+謳い(女声+男声合唱)で奇跡が何重にも発動しそうな曲だなあ、Abyss Watchers。そうして現れる奇跡はどんな形になるのだろうか。
情報元
法兰不死队_百度百科(https://baike.baidu.com/item/%E6%B3%95%E5%85%B0%E4%B8%8D%E6%AD%BB%E9%98%9F/19905469?noadapt=1)
法兰 (机械) - 维基百科,自由的百科全书(https://zh.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%95%E5%85%B0_(%E6%9C%BA%E6%A2%B0))
ノイバラ_文化 – Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%A9#%E6%96%87%E5%8C%96)
丈部 – Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%88%E9%83%A8)
ロームルス - Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%AB%E3%82%B9)
レア・シルウィア - Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%82%A2)
ウェスタの処女 - Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%81%AE%E5%87%A6%E5%A5%B3)
フランジ – Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B8)
Capitoline Wolf – Wikipedia(https://en.wikipedia.org/wiki/Capitoline_Wolf)
Silvia - Wiktionary(http://en.m.wiktionary.org/wiki/Silvia)
Latin Definition for: silva, silvae (ID: 35052) - Latin Dictionary and Grammar Resources - Latdict(https://latin-dictionary.net/definition/35052/silva-silvae)
たのしい万葉集(4352): 道の辺の茨のうれに延ほ豆の(https://art-tags.net/manyo/twenty/m4352.html)
はじめての万葉集/奈良県公式ホームページ(http://www.pref.nara.jp/46039.htm)
人間の誕生 | 山下太郎のラテン語入門(https://www.kitashirakawa.jp/taro/?p=5895)
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(https://unsplash.com/photos/8Ou3EZmTMWA)