見出し画像

twitterに放流した考察のまとめ

*一度twitterで呟いた内容をまとめたものです。読みやすさを考慮して編集を入れていますが、大体の本文はオリジナルのままになっています。
**内容に関連があるものをつなげておりますので、時系列はバラバラです。
***内容は予告なしに更新されます。


束人としての考察

【ちょっと束人専門用語出し過ぎた】
樹人(元ネタはエント?)がいるから黒い森の庭の元ネタはファンゴルンの森かと思ったけど、ロスローリエンっぽいウーラシールと繋がるなら闇の森? 闇の森の一部地域にはエルフが住んでいるし。もしくはファンゴルンと闇の森がその一部だった大森林ドルソニオンが元ネタ? 分からない。

補足
エントは木の姿をした巨人。優れた知性を持つ、木の牧人ファンゴルンの森とは、人間が力を増した時代においてエントが住んでいた古い森のことだ。

エントっぽいキャラクターがいる森だから、黒い森はファンゴルンの森と関係があるかも?と最初は考えた。 しかし束人としてそれは頷き難い。 ファンゴルンの森とエルフの国とは余り繋がりが無いからだ。ウーラシールにはエルフの影がちらつく。そんなウーラシールと関係ありげな黒い森の庭にもやはりエルフの影響を求めたいのだ、束人としては。

そこで筆者は、ならば闇の森は?と考えた。 闇の森とは一部地域にエルフが住むとても古い森で、英語表記はMirkwood。Mirkwoodは古い言葉であり、ドイツのシュヴァルツヴァルト(黒い森)との関連も指摘される

しかしこれもまた頷きにくい。闇の森にエントがいないからだ。 エルフとエントの両方に関係のある森は?と脳内と中つ国wikiを検索して、筆者はドルソニオンに行き当たった。

大森林ドルソニオンは広い森で、遥か昔エントはその森を歩き回っていたという(エルフは近寄らなかったけれども)。 時代が下ってドルソニオンの範囲が狭まり、その過程で取り残された森というのが中つ国にはいくつかある。エントの住むファンゴルンの森と、エルフが住まう闇の森はその取り残された森なのだ。

厳密に言えばドルソニオンにエルフは住んでいないが、エルフとエントに関係のある黒い森、という条件に合うのはドルソニオンだ。 だから筆者は黒い森の庭の由来がドルソニオンにあるのではと疑っている。

補足が長い



【奥方は断じて魔女ではない】
「古い」「黄金の」「魔術の」国ウーラシール。古い国であり、黄金の国であり、魔術の国であったのかもしれない。 指輪物語には、古く黄金の森と呼ばれ、魔女と誤解されたエルフの奥方が住まうエルフの国ロスローリエンが登場する。 ウーラシールはロスリック王国と関係があるのだろうか?

補足
ロスリックとロスローリエンの関係については拙作「ロスリックとロスローリエン」をご参照ください。



【神の介入によるヌーメノールの水没によって平らだった地球が丸くなった程度には大惨事】

ハイデの元ネタはヌーメノール(中つ国におけるアトランティス)だったり? ハイデは巨大遺跡あるし、海に沈んでるし、異端?の青教発祥の地だし。 ヌーメノールは高度な文明を持っていたし、海に沈んだし、悪魔崇拝が行われた地だし。 そんな束人の妄想。


【教授のお眼鏡にかなう”魔法”をゲーム上に見ることはほとんどない】
宵闇ちゃんは「ウーラシールの魔術は寛容で少しいい加減」、「今人の魔術は真摯で自己以外を拒絶しているみたい」と発言する。 それと教授の"魔法"に対する認識を重ねて見れば、ウーラシール魔術は創造的で芸術的でエルフ的今人魔術は仕掛け的で支配的でサウロン的。とも言えるかもしれないな。

それはそれとして、教授の「魔法」に対する認識はとてもユニークで面白い。なるほど、キリス=ウンゴルやオルサンクが機械だらけと表現されるわけだよ。あれらは全て支配的な仕掛け、モルゴス的な魔法なのだ。

 創造願望から堕落に至るには、さまざまな機会があります。創造願望は、所有欲となり、自分の造った物への執着心となるのです。準創造者は私的創造物の主人、そして神となることを望み、やがては万物の主たる創造主の法に反旗を翻すでしょう――とりわけ有限の命という法に。この二つのうちどちらも(単独で、あるいは一緒に)権力欲につながります。そうすれば、自分の意志が一層迅速に働くからです――こうして仕掛け(あるいは魔法)を使うことになるのです。この最後のものによって私が意味するのは、生来の内なる能力や才能を伸ばす代わりに、外なる計画や仕組み(装置)を動員すること、場合によっては、その生来の能力をさえ、支配のための腐敗した動機で用いること、この現実世界をブルドーザーにかけ、あるいは人々の意志を無理に曲げようとすることです。仕掛け(マシン)とは、われわれの時代にあってより顕著な現代の姿ですが、普通思われているよりは、より密接に魔法に関係しているのです。 私は、”魔法”という言葉を首尾一貫した意味では使ってきませんでした。確かに、エルフの奥方ガラドリエルは、ホビットたちの用語の混乱をたしなめなければなりませんでした。ホビットたちは、敵なるサウロンの仕掛け(マシン)や操作を、エルフのそれと同じ言葉を使って言い表したのです。私もそうでした。後者に当たる言葉がないからです。(人間の物語はすべて同じ混乱を蒙ってきたのです。) しかし(私の話の中では)、エルフがいて、両者の違いを立証してくれます。エルフたちの”魔法”は芸術です。人間の持つさまざまな制約から解放され、よりたやすく、より速やかに生み出された、より完全な (産物であり、疵一つない照応(コレスポンデンス)において見ることができるものなのです。) その目的は芸術であって、権力ではなく、準創造であって、支配することでも創造物の非道な作り替えでもないのです。

(シルマリルの物語 _ 一九五一年、ミルトン・ウォルドマン宛、J. R. R. トールキンの手紙より から引用)

 

神話・伝承と絡めた考察

【マスターキートンリマスターを読んだので】
火の時代の古竜ケルト神話の神ケルヌンノスは「角」と「足を組むポーズ」が共通している。 ケルヌンノスに関連する有名な遺物はグンデストルップの大釜 (Gundestrup cauldron)。大釜 cauldronはルドレスの故郷クールラント Courlandのアナグラム。 クールラントって古竜と関係あるのかな。


【鍛冶師ってトールキン作品じゃトラブルメーカーの代名詞】

ダークソウル神話の初期メンツ(竜であるシースは除く)、ドワーフなのでは? エッダ「巫女の予言」によれば、土から作られた小人達はドヴァリンと言い、彼らをドワーフとも呼ぶ。これがトールキン・ドワーフの発想源の1つ。 ドヴァリンは神々の敵対者でもあったが、優れた鍛治職人でもあった。


【深淵の妻が深みってすごい話だ】

アプスーの妻にして雌竜?のティアマトは「深み」に関係があるのかも?
『またTiamatは『創世記』第1章第2節に北西セム語の tehom (תהום) (深み、奈落の底)と同根語であるとも言われる。』
標準英語聖書ではその箇所の訳語はthe deep

【影の無い亡者と有る亡者がいる、という検証に寄せて】

吸血鬼は鏡に映らない、という設定というか言い伝えを思い出した。 生きてもいないが死んでもいない、動く死体たる吸血鬼。

影が消失している亡者は肉体と魂のリンクが弱まっている?のかも?吸血鬼はそんな理由で鏡に映らないらしいので。 影は鏡ではないけれど、光によって結ばれる像だからという強弁。

「鏡は人間の魂を映し出す」
という伝承があるらしく、そこも含めて関連がありそうではある。影持ち亡者にはまだ人間の魂がある、のかもしれない。それがソウルなのか人間性なのかは定かでないが。


【橋のウシガエルとしても知られている赤いアマガエルのヘンリー、みたいな違和感】
Fandom情報によればヘルカイトは The Hellkite Dragon, also known as the Red Drake or Bridge Wyvern らしい。

ドレイクというのはドラゴンの分類上の一種らしく「無翼」「四つ足」が特徴のようだ。ワイバーンは「有翼」「二本足」。何で二種類の呼ばれ方をしているんだ?見る限りヘルカイトはワイバーンだと思うので、ドレイクと呼ばれているのは解せぬ。


【偕成社文庫のグリム童話集とか読めば叩き込まれる】
ダクソの魔法は「Sorcery」であるようだ。つまりは〔悪霊の力を利用して行う〕魔法、魔術、妖術、黒魔術。ロクでもないな。絶対代償あるだろそれ。悪魔は自らの利益なしに人に力を貸すことはない。これメルヒェンの基本

 

分類に迷ってる考察

【不死、どこかの胎児の羊水をくすねてるのでは疑惑】
エストの味は「尿」
だとどこかで聞いた(出典不明)。で、「妊娠後期における羊水の主成分は胎児尿」であるらしい(出典は日本産科婦人科学会出版の日本産科婦人科學會雜誌. 65(2))。

そこで思ったのだがエスト瓶の中身, 羊水では? 出典元の出版年が2013年で、古い情報なのがネック。 しかし、もし、もし仮にエストの中身が羊水なら、不死はえらく特殊な赤ちゃんプレイをしてることになるねえ…。もうそれ赤ちゃんプレイじゃなくて胎児プレイだよ…。


【薪なら生木乾かせばいいけど、炭は一旦木を火にくべないと作れない】

「薪の王 Lord of Cinder」、「王の薪 Cinders of a Lord」。妙な訳語である。Lordは王と訳せるような訳せないような微妙なラインに立っているし、cinderの訳語は薪でないし。別に大した意味は無いのかもしれないが、少し気になる。

cinderの意味は燃え殻、消し炭。一旦燃えたものを指す。薪は焚き木、燃料にする木のこと。これから燃えるもの。firewoodが辞書的な訳語になる。 cinderと薪で燃料としての時系列が違う気がするのだが。炭の王と呼ばれていれば一致するのに。

firewood(薪)が燃えてcinder(炭)になる、と思うのだけども。グウィンや不死隊らは「”すでに燃えたもの”の支配者」なのか「”これから燃えるもの”の支配者」なのか

個人的な雑感でしかないが「薪の王」=「”これから燃えるもの”の王」という名前には生贄のニュアンスが強くて、「Lord of Cinder」=「”すでに燃えたもの”の王」には死んだ生贄が鬼神として奉られた感じがある。両者は時系列が違うだけで同じものではあろうなあ。


【古竜(Everlasting Dragon)を思い出した】

誓約「白教」の英訳はWay of Whiteで、誓約「青教」はWay of Blue。”Way”に「教え」の意味はない気がするけど、”道”にはその意味がある気もする。まあ詩篇でも「とこしえの道 the everlasting way」と言うし、そこら辺は東西共通の感覚なのかな。


【それともYOU DIEDするたびに過去軸に戻ってたりして】
ダクソでYOU DIEDすると壊しておいた箱が壊れてない状態になる。篝火に当たるだけなら壊れたまま。プレイヤー操作不死が死ぬたびにプレイヤーが操作(干渉)する世界線が変更されてたりするのかな。操作される不死もYOU DIEDのたびに入れ替わってんのかな。だとしたらなんか、寂しいな。

そもそもダークソウルって「プレイヤーが成長することで物語を紐解く」ゲームだしなあ。主人公が成長・変化することによって、ではなくて。ステータスやら何やらの情報は不死ではなくプレイヤーに紐付いているのかもしれない。

物語を一貫して観測するのは操作される不死ではなくプレイヤー。まさしく(物語を動かし描き切るという意味での)主人公は自分、なのかもしれない。


【ソラールさん自身が昔の人なのに】
ソラールさんはグレートヘルム(12c-14cのヨーロッパにて使用)を被っていて、OP主人公がバシネット(15cから使用された)を被っているあたり、ソラールさんは主人公から見て過去の時代の人なのだと思う。じゃあその昔の人であるソラールさんが言う「100年以上前の伝説」って誰だ?

ストーリー展開的に考えて、ソラールさんと出会う時点で目に付くキャラはそんなに多くない。思い付くのは心折れた戦士、アナスタシア、ペトルスの祭祀場初期メンバーくらいか。その中で伝説残してそうなのは青ニートかアナスタシアさんに思える(ペト君は何か違う気がして……)。

青ニートとアナスタシアさんは両名とも項垂れているが、アリストテレス的に考えれば優れた物語は悲劇であるべきなのでそこら辺も彼らはロードランの外で伝説化してるんじゃ?と疑う理由。まあソラールさんのいる時空と主人公の時空は違うから何とも言えないんだけど

 

 

 

参考サイト

薪の王グウィン - DARK SOULS ダークソウル攻略Wiki(https://seesaawiki.jp/project_dark/d/%BF%C5%A4%CE%B2%A6%A5%B0%A5%A6%A5%A3%A5%F3

王の薪 | ダークソウル3攻略データベース(https://gameconductor.com/ds3/i/d/91

Gwyn, Lord of Cinder | Dark Souls Wiki | Fandom(https://darksouls.fandom.com/wiki/Gwyn,_Lord_of_Cinder
Cinders of a Lord | Dark Souls Wiki | Fandom(https://darksouls.fandom.com/wiki/Cinders_of_a_Lord
Hellkite Dragon | Dark Souls Wiki | Fandom(https://darksouls.fandom.com/wiki/Hellkite_Dragon
Sorcery (element) | Dark Souls Wiki | Fandom(https://darksouls.fandom.com/wiki/Sorcery_(element)
Way of White | Dark Souls Wiki | Fandom(https://darksouls.fandom.com/wiki/Way_of_White
Way of Blue | Dark Souls Wiki | Fandom(https://darksouls.fandom.com/wiki/Way_of_Blue

神聖娼婦 - Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E8%81%96%E5%A8%BC%E5%A9%A6
ダムナティオ・メモリアエ - Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%A0%E3%83%8A%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%AA%E3%83%BB%E3%83%A1%E3%83%A2%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%A8
クールラント - Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%88
ケルヌンノス - Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%83%8C%E3%83%B3%E3%83%8E%E3%82%B9
グンデストルップの大釜 - Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%83%E3%83%97%E3%81%AE%E5%A4%A7%E9%87%9C
吸血鬼 _ヴィクトリア朝以降の吸血鬼 – Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%B8%E8%A1%80%E9%AC%BC#%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2%E6%9C%9D%E4%BB%A5%E9%99%8D%E3%81%AE%E5%90%B8%E8%A1%80%E9%AC%BC
グレートヘルム - Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%A0
詩学 (アリストテレス) – Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A9%A9%E5%AD%A6_(%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%86%E3%83%AC%E3%82%B9)

Bascinet - Wikipedia(https://en.wikipedia.org/wiki/Bascinet

cinderの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書(https://ejje.weblio.jp/content/cinder
firewoodの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書(https://ejje.weblio.jp/content/firewood

薪 | 漢字一字 | 漢字ペディア(https://www.kanjipedia.jp/kanji/0003667000
炭 | 漢字一字 | 漢字ペディア(https://www.kanjipedia.jp/kanji/0004593900

まっすぐの道 - 中つ国Wiki(https://arda.saloon.jp/index.php?%E3%81%BE%E3%81%A3%E3%81%99%E3%81%90%E3%81%AE%E9%81%93
ファンゴルン - 中つ国Wiki(https://arda.saloon.jp/?%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%B4%E3%83%AB%E3%83%B3
闇の森 - 中つ国Wiki(https://arda.saloon.jp/?%E9%97%87%E3%81%AE%E6%A3%AE
ドルソニオン - 中つ国Wiki(https://arda.saloon.jp/?%E3%83%89%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%8B%E3%82%AA%E3%83%B3
ヌーメノール - 中つ国Wiki(https://arda.saloon.jp/?%E3%83%8C%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%AB

P2-34-2 いつから羊水の主成分が胎児尿となるか? : 羊水過少と先天性腎泌尿器異常の関連(Group 86 胎児奇形・先天異常2,一般演題,公益社団法人日本産科婦人科学会第65回学術講演会) - 国立国会図書館デジタルコレクション(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10728647



ヘッダー画像
Photo by Dan Meyers on Unsplash
https://unsplash.com/photos/rGXKsc9hZtU