ラジオ特別講義「脳と心‐分子生物学者がみた精神医学」を聴く
4月から入学する放送大学、今はフライングで軽く学習中。
入学するまで、しばらく大学については書かないかなと思っていたのですが、今日、見放題聴き放題の放送授業ネット配信の中の「特別講義」という項目に目が止まり、何の気なしに聴いてみたところ、とても面白かったので少しご紹介を。
ラジオの特別講義「脳と心‐分子生物学者がみた精神医学‐①部品の科学と全体としての脳」と「脳と心‐分子生物学者がみた精神医学‐②家族の旅から回復を体験すること」、精神科医・分子生物学者の糸川昌成博士のお話です。
学問的なかたい話を親しみやすく教えてもらうような内容かなとか、流行りの脳科学のようなお話なのかな、と思って聴き始めたところ、ちょっと予想を裏切られました。
全体を通して情景が目の前に浮かぶような語り口。物語の朗読のような感じで、前後編あっというまに最後まで聴き終わっていました。
第一回「脳と心‐分子生物学者がみた精神医学‐①部品の科学と全体としての脳」ではご自身の研究のことや留学の話がメイン。映画の1シーンのような患者さんとのエピソードでまず引き込まれ、米国留学での体験へと話は移ります。アメリカでの研究における葛藤も率直に語っていて、とても臨場感がありました。
アメリカの医療事情、保険や病院での医療のユーザーとしての感想、ERでの体験なども。私は海外医療ドラマが好きなので、アメリカの保険診療の問題なども何となくわかっているつもりでしたが、とても具体的で、ERがどうして(ドラマの中で)いつもあんなに混んでいてカオスなのか、というようなこともなるほど……と腑に落ちました。
第二回「脳と心‐分子生物学者がみた精神医学‐②家族の旅から回復を体験すること」で語られるのは、ご自身の体験。お母様の病気と、そして彼女の謎についてで、これはもうまさにドラマ。科学者の目線から離れず淡々とした口調も返ってなんとも切ない。人にとって大切なものとはなんなんだろうと考えさせられました。
探してみたら、この講義は放送大学オープンコースウェアで、学生以外にも公開されていました。よかったら聴いてみてください。
どんどんスクロールして「授業科目一覧(1回分のみ公開)ラジオ」という項目の一番下(つまりページの一番下)にあります。
●脳と心‐分子生物学者がみた精神医学‐①部品の科学と全体としての脳
●脳と心‐分子生物学者がみた精神医学‐②家族の旅から回復を体験すること
★他にもたくさん視聴できるものがあるので、ご興味あれば。「通信教育で人生が変わった ~女優・作家 中江有里~」もとてもよかったです。通信制の高校と大学での体験談が語られています。