心をつかむコツ
この記事で、「何がフックになるのかわからない」という旨のことを書いた。
先日、その答えを一つ見つけた。
特になんとも思わなかったものが、突然意識に焼き付くことがある。
邪魔っけなWEB広告。
風景と化していたポスター。
挨拶を交わしたことある顔見知りの人。
それらが突如、個性を持って心に飛び込んでくる。
それは、「ジム用のリュックが欲しい」、「北海道に行ってみたい」、「私と同じアイドルを推しているらしい」………
自分の求めるものに合致した瞬間、歯車が回りだす。風景から飛び出して、彼らはわたしに生き生きと語りかける。
知人との何気ない会話で、本心をピタリと言い当てられた。
その人にとっては特段の意識なく、自然と紡いだものだろう。
だけど、それはわたしが日頃から薄々感じ、誰かに認められたいと強く望みながら、誰にも、いや自分自身でもはっきりと言葉にしたことがない感情だった。
(こんなによく見てくれてるんだな)
(評価されてる)
(わかってくれてる…)
ぶち抜くような強烈なフック。暗い海から白日の下へ。
心から欲しいものを見抜き、それをカタチにする。人心掌握の要諦を見た。
以降、わたしはその人のことを尊敬している。
結論。
フックをかけるには、その人が求めるモノをカタチにすればいい。
だから、必ずしも甘い言葉やスキンシップじゃなくていい。
可愛い、とか、キレイ、とか、誰にでも言えそうなベタなものより、きちんと観察して見つけた言葉の方がたぶん刺さる。そして、マジメな人はそれを見つけるのがうまいはず。
ほんの少し勇気を添えれば、前に行ける。